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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

男性も進化する

2020年6月30日

アジサイ水色小花仕事が終わると皆さんは何を思い浮かべますか。

先日、セミナーに参加して下さった大手企業の30代の営業マンのAさん。最近シングルファザーになったそうで、自分が子育てをするようになって一番変わったことは、仕事が終わる17時半になると冷蔵庫の中身を思い浮かべるようになったことだと話してくれました。

 

「何があったかな。何を食べさせようか」と小さい子供にご飯を食べさせることは、一日のもっとも重要な仕事だと感じているそうです。それまでは、そんなことは思ったこともなく、営業マンとしてバリバリと仕事ばかりしてきた自分の変化に驚いているようでした。

 

「子供に飯を食わせなきゃいけいない」それは彼にとっては経済的なことだけではなく、実際に自分が世話を焼かなければ子供は飢えてしまうという強い責任感を感じるようになったことは、自分でも好ましいことととらえていて、リモートワークは彼にとってはさらに良い機会となったとか。

 

きっとAさんは、それまでは家事をパートナーに頼っていたのでしょうね。新たな価値観を発見し、きっと女性の気持ちが分かるようになったのではないでしょうか。

 

とはいえ、女性だからと言って夕方になると家族のことを思い描く人ばかりではないでしょう。大切なものは人それぞれ異なります。女性だからきっと家族を優先するだろう、というのも思い込みです。人はそれぞれ異なる事情を抱えて、異なる思考や欲求を持ち、それが抱く感情の違いになります。

 

私たちの祖先は生き残るために感情を身に着けてきたそうです。女性の共感力が高い傾向にあるのは、狩猟採集時代に男性の留守中、子育てのために周囲の人とうまくやっていかなければならなかった結果とも言えるそうです。自分自身をあるべき行動に持っていくために、感情は後から身に着いた。ちょっと逆なようですが、コミュニケーションの専門家の説です。

 

Aさんも子供を育てるために、これまで使っていなかった想像力や共感力が芽生え始めてきたのかも知れません。

Aさんだけではなく、様々な家族の形態や仕事の仕方が変化し、また違いがなくなることによって、男女の特性にも差はなくなっていくのかも知れません。

 

ところで、Aさんは5人の女性の部下を抱えていて、その5人がそれぞれあまりに異なり、一人一人が自分を見て欲しいと要求しているように感じて、対処の仕方が分からないという悩みをお持ちでした。部下は、特に女性は、自分をちゃんと一人として見て欲しい、そのことにAさんは気が付いたようでした。

 

私は、Aさんが私に気持ちを正直に打ち明けてくれたように、自分を開示することを勧めました。きっと今の彼なら女性に共感することができそうだからです。しかし、彼はとても素直なのにまだ男性としての鎧を部下の前では身に着けているように見えました。男性の鎧も重そうです。

 

環境変化が著しい今、自分はどんな変化を遂げるのか、楽しみに観察をしたいものですね。

 

参考:「人は感情によって進化した 人類を生き残らせた心の仕組み」石川幹人著 ディスカバー・トウェンティワン刊

(YK)

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女性のリーダーは本当に危機に強いのか?

2020年5月31日

メルケル蔡英文新型コロナウィルスに対する国の対応で、多くの女性のリーダーが成功していることが注目されています。

ドイツのメルケル首相、台湾の蔡英文総統は特によく知られています。

女性であることと危機管理のリーダーシップとは関係があるのでしょうか。先日、企業研修で男性参加者に投げかけてみると「メルケルは任期もあとわずかだったし」だとか「蔡英文は香港情勢が追い風になった」だとかの議論が始まります。

 

その視点がまず女性と違う、と私は思います。

女性は価値観に基づいて行動します。本当に大切なことを解決しなくてはならないとき、自分の成功のきっかけにしようとは考えません。政局にしません。

 

女性はビジョンを策定するのが苦手ですが、価値観については明確に答えられます。

自分の価値観に対して女性は頑固です。

また自分が「やるべきこと」については突き進みます。

 

メルケル首相は経験なキリスト教徒だそうです。彼女は「愛」「自由」「信仰」を最も大切にしていると聞きました。だから、政治の信念と行動もそれに沿ってぶれません。

たとえば、ドイツの難民問題の場合でいえば、多くのドイツ国民が反対したとしても、ドイツに例え不利であったとしても、「愛」という価値観で考えれば、苦難にある多国の人々を受け入れることは自分のやるべきこと、だからドイツがそれを実現できるように国民に説得していこう、そしてそのための解決方法を見つけるのが自分の仕事だと、考えるのです。

今回もドイツ国民外出制限で国民の「自由」を縛ることに関して、自分の体験を踏まえて自分の言葉で丁寧に心から説明していました。メルケル首相は自分が「自由」を大切に思うからこそ、熱意のあるスピーチができたのです。

 

蔡英文総統は、マクロな視点と「論理的」であることを重視し、無欲です。だからコロナウィルスの状況を客観的に捉え、適切な人に権限を委譲し、そして台湾の安全と権利を内外に対し適切に主張しています。

 

二人ともぶれがないから、信頼が得られるのです。

そして二人とも、「自分らしくいる」ことを大切にしています。

 

男性が考えるように、国民の危機を政局としてとらえたり、成功のチャンスとは考えていません。

仕事を離れれば一国民として、家族との時間が一番大切だと考えている人たちです。

 

もちろん、女性のリーダーであっても、この危機を自分の成功にいかに使おうかと考える人は存在します。そういう人は女性であれ男性であれ人の支持は得られないのではないでしょうか。

 

生物学的にそして社会的に、男性が夢を描いて種を保存するために先へ先へと進んでいく習性を身に着けているのに対し、女性は目の前の自分の愛する人たちを守るために行動を取る本能を身に着けているとしたら、女性が危機に強いのは当然です。

 

もちろん、全ての女性が上手くやれるわけではありません。男性でも上手くやる人はいます。

いずれにしろ、強い思いと共感力、そして実行する勇気がなくてはできません。

まずは自分の信じることに自信を持ち勇気を持って、今、目の前の危機を乗り越えましょう。

女性はありのままで強いのですから。

 

参考:

「台湾初の女性総統が歩んだ道蔡英文自伝」 蔡英文著 (白水社)

「わたしの信仰」アンゲラ・メルケル著 (新教出版社)

「強い国家のつくり方 メルケルの世界戦略」ラルフ・ブルマン著(ビジネス社)

(YK)

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ネガティブ情報より目的意識

2020年4月20日

20200305_150247自宅で日々、過ごすようになってから、すっかり人付き合いはネットを介してということになりました。そして、あらためて気がついたこと。人は情報を発信することが好きだということです。自分が見聞きしたこと、誰かに伝えずにはいられない人たちが多くいます。

 

真実らしき情報も眉唾のにおいがする情報もネットには垂れ流しされています。かくいう私自身、確認もせずにうっかりシェアしたり転送したりしてしまうこともあり反省。

シェアはともかく個人に送信をすると、相手の時間を消費することになります。そしてチェーンメールが横行、それがデマの元になる危険性もあるわけですから、ほとんどの人が悪気はなくてやっていることですが、互いに要注意ですね。

 

ということで最近は、ネガティブな情報や他人の批判、不安定要素満載の近況報告を離れて、仕事仲間とのオンライン勉強会を楽しんでいます。

 

私自身の仕事のスタイルもリアルからネットへと大きく変わり、仕事の内容も変容が求められていて、日々、同じ仕事をしている友人たちとああでもないこうでもないと毎日、SNSやオンラインミーティングで情報共有をしています。

彼らとの勉強会が楽しいのは、不安はさておき未来に向けて何をするのか、全員が同じ状況で情報やノウハウを共有するという目的があるからです。

日々勉強をして、何かを習得すると他の人に教えたくなってきます。ネガティブ情報の伝達よりよほど意味がありますね。

そして互いに刺激を与えあい、急にもたらされたこの自宅待機時間が忙しい。

半年先は不透明でも、明日までにトライしてみよう、来週までにこれをしようという目的が生まれます。

やっぱり人間は未来があるから元気になれるのですね。

こんな不安な状況で、目的意識で繋がる仲間がいることがとても心強くありがたく感じています。

 

男性は平時であっても(なんだか戦争中ですね)、実はこうした目的意識で繋がることを得意としています。

自分の目的が明確だと応援を求めやすいし、目的がはっきりしている人には支援の手が差し出しやすい。

だから、男性は、コネクションを有効にお互い使いあうことができるのです。

女性は自分の気持ちを開示し共感する能力に優れているので、人間関係を構築するのが男性より本来得意ですが、言葉で共感を示すことはできても、具体的に助けることは苦手です。助けを求めることも苦手です。

共感は誰もが嬉しいけれど、具体的な支援をもらうことはもっと嬉しい。そして助けてもらったら忘れずに返しましょう。この点も男性を見習いましょう。

 

まずは目的を持つこと。そして誰かと共有すること。これが、この憂鬱な時期を乗り越えるひとつの手段になりそうです。

幸いにもウェブやオンラインのコミュニケーションによって、メッセージ発信は対面よりやりやすくなっています。

きっと、不安な情報に惑わされずに、やるべきことが見えてきてウキウキしますよ。

(YK)

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価値観を感染させない

2020年3月24日

リッツカールトン桜今、得体の知れないウィルスの大きな脅威に世界中がさらされています。

大げさだと思うかた、不安にさいなまされているかた、皆さんの反応も様々でしょう。

こうしたときに人の価値観や生き方が見えてきます。外へ出かけるな、人と集まるなと言われて突然、いつものルーティンができなくなった人たちはなおさらです。トイレットペーパーを買い占める人もいれば、危険を指摘されているにもかかわらずライブに出かける人、免疫力を高めると言って食べたり遊んだりすることにいそしむ人もいれば困っている人のためにマスクを手作りして寄付する人、新たなビジネスチャンスだとプランを練る人もいます。

どれもそこには不安な気持ちがあるのでしょうが、そこには価値観が見えてきます。

 

私は何か困難なことが自分に起こったとき、いつも頭に浮かぶのは古い映画ですが「風と共に去りぬ」のシーンです。以前にも「風と共に去りぬ」の主人公スカーレットについてはこのコラムで書きましたね。

私が忘れらないシーンは、自分の家のビジネスが破綻すると知ったスカーレットが有力者に借金の申し込みに行くと決めたシーンです。彼女は、交渉へ行くためにはみすぼらしく見えないように新しいドレスが必要だがドレスを作るお金がない、と嘆きます。が、すぐに閃いて部屋のカーテンを引きずり下ろして美しいドレスに仕立ててしまいます。そして交渉は成功。ビジネスの危機は回避されます。

なんてたくましい。美しい女性なのに、なりふり構わず生き抜こうとする姿に圧倒されます。

何が何でも乗り越えよう、と思うときに私にはそのカーテンのドレスが目に浮かびます。「頑張ろう」と奮起するトリガーになっています。

しかし、小説(映画)ではありますが、こうしたスカーレットの激しい行動は、実は本人も気づいていない「家を守りたい」という一つの強烈な価値観に基づいています。

 

価値観とは、自分が大切にしたい「こと」や「もの」です。

オリンピックを人生の目標としているであろうにも関わらず、自ら勇気を持って中止を訴えるスポーツ選手は大切なものが名誉以上に健康であることが明確であるからでしょう。

危機に瀕したときにこそ人の行動にその人の価値観が見えてきます。

 

呑気に見えてもいざというとき、自分が大切なものを守るために非常に利己的になれるのは、女性の特性かも知れない、と言ったら怒られるかも知れませんが、女性は火事場のバカ力を出せる強さがあると思います。

 

現在のように「行きたいところへ自由に行けない」「会いたい人に会いにいけない」という状況の置かれていると、自分にとって何が大切なのかが見えてくるチャンスです。

これだけ言われてもライブに出かけるひとたちは、「健康」より「人と集う」ことが大切なのでしょうか。近くの人に感染させないことより、今年限りのお花見、どちらが大切でしょうか。

きちんと考えておけば、自分の行動の選択が簡単になります。

 

あなたの価値観は何でしょうか。

 価値観     女性が大切にしたいこと
1 貢献 貢献すること・手助けすること
2 成長 もっと知識を得たい・チャレンジがしたい
3 共感 共感できる相手との輪の中にいること
4 信頼 信頼されること
5 自由 自由にやり方を決めらえる・任されること
6 倫理観 ルールや常識を逸脱しない・善意で仕事をしたい
7 承認 努力や成果を認められること
8 完璧 間違えたくない・ベストを尽くしたい
9 自己愛 自分が大切にしていることを侵されたくない
10 金銭 金銭を得ること
11 安定 安心安全が保障されること
12 家庭 家庭・家族を大切にすること

ここに上げているのは12の例であって、人それぞれが持っているものはもっと他にもあるでしょう。例えば「健康」もここにはありませんが、もしかすると今、多くの世界の人の価値観の優先順位に置かれていることでしょう。

価値観は他人が良し悪しを決めることはできません。是非、自分の優先順位をつけてみてください。

マスクを作って寄付をしたいと考えている人は「貢献」が優先順位にあり自分の価値観を実践している人です。

やたらと不安に感じている人は「安定」が脅かされているからでしょう。

自分の不安の原因や気持ちを駆り立てるものが何かを考えると、自分の価値観が見えてきます。

そして、当たり前のことが当たり前でなくなったとき、取るべき行動を考えてみてください。

 

「風と共に去りぬ」にはもう一つ有名なシーンがあります。

全てを失ったスカーレットが「明日はまた明日」(Tomorrow is the another day)とつぶやくシーンです。現在、その明日が不安な世界ですが、明日を作るのは自分自身ですね。

トイレットペーパーをいくら買い占めても安心にはつながりませんよ。価値観まで感染させないようにしてくださいね。

(YK)

 

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反論が怖くて主張できない

2020年2月23日

1三省堂 (2)月に本を出版をすると、ありがたいことに色々な方が感想を聞かせてくれます。知人は悪いことは言いません。

しかし、知らない人が知らないところで自分のブログで書評を書いて下さっているのを見つけてドキドキで読みました。

本当にありがたいことで、全般に良い評価をしていただいているのですが、当然、反論もあります。

 

うーん、やっぱり反論されたか。もう書いてしまったことだけれど、そう感じている人他にも多いかなあ、もう少し解説しておいたほうが良かったかな、私の反芻が始まりました。ほらまたやっている女性の習慣です(笑)

そして、あらてめてフィードバックを受け止めることに臆病な自分に気づきました。

 

実は、日ごろから皆さんに「主張しなさい」と勧めながら私自身も主張が苦手です。セミナーや講演でもついつい断言できず「思います」「私の考えでは」とお茶を濁してしまいます。

私が主張しないのは、実は反論が怖いからなのです。反論されるのが怖いのは、自信がないからで、自信がないのは、自分の根拠が正しいか知識が十分でないか心配だからで、と次々と「女性の活躍を阻む12の習慣」が出てきます。

 

しかし、今回、本を書くにあたっては全て断言しました。というのは、本は私の意見の提示なのですから曖昧であっては誰も読んで納得はしないでしょう。

一つの意見として提示するのだから責任を持たなければならないと考えて、清水の舞台から飛び降りるほどの勇気を持って、あらゆるフレーズで断言しました。

 

その結果、断言して提示するとそれが一つの論理や説として、私の手から離れていくということに気づきました。

そして、当然、反論や異論も出てきます。

 

昔、フランス人の同僚に「異論を唱える人との話は面白い。日本人は何でも同意するから話がふくらまずつまらない」と言われたことがありました。

「その意見には賛成しない」と自分の意見に反論されると、フランス人は燃えるそうです(笑)異論をぶつけ合うから良いアイデアが生まれる。

ひとつの意見として提示されたものは、その人の元から離れて検討すべき課題やアイデアとして皆のものになります。

 

日本人は物事を曖昧に表現するのが得意です。

自分が意見を持っていても正面から「こうだ!」とは言わず

「・・・と思います」「・・・・かも知れません」とやんわり表現することが奥ゆかしく、大人と言われます。

そして、断言しない影には、「他人に好かれたくない」「相手に合わせたい」という協調が良い信じている社会や組織の風土もあるのかも知れません。

そして、何より異論されることで、傷つくのが怖い・・・

「川邊さんてあんな風に考えるんだ~」って思われないかしら、、嫌われないかしら、と心配でついついそう思っていなくても「そうそう」と相槌を打っていませんか。

 

 

私はよく、研修でポストイットを使ってそこにアイデアや意見を書いてもらって名前を書かずに貼りだします。そうすると、書かれたことは誰かの意見ではなく一つの意見なります。所有者不明になると、意見が人格を持たずに話しやすい。

あるセミナーに登壇したときのこと、一人の男性参加者から「僕はそうとは考えていませんでしたが、川邊さんのご経験から出されたご意見ですから、一理あるのでしょう。参考になりました」と言われたことがありました。非常にこちらへの敬意を感じました。

相手の意見をジャッジするのではなく、そういう考えもあると受け止める。見習いたい習慣です。

そして、自分も常にジャッジされていると思う必要はない。

 

主張が苦手な方、ジャッジをを恐れず、一つの意見として提示するという当たり前のことトライしてみてください。

分かっちゃいるけどできない、のは私も一緒です。ひとつひとつ克服していきましょう。

(YK)

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当事者意識とポリシーを持つ!

2020年1月23日

ジャンプする女性この年末年始には、世界の若い世代が地球温暖化に関して声をあげて活動していることが大きく取り上げられていました。

それも大切だけどお金を動かしていかなくてはならない、やるべきことがあるんだよ、となだめようとする大人がいても、若者を動かしているのは当事者意識です。

現実的であろうとして、目先のことしか考えていないのが大人です。

 

では、女性の活躍についてはいかがでしょうか。年末年始の3つの指標に私の目は留まりました。

 

世界男女平等指数。日本は153か国中121位。

2019年の年末の結果です。これだけ女性活躍推進が叫ばれているのに過去最低です。

中国、韓国、インドより遅れています。

 

日経新聞の女性の意識調査では、女性活躍推進が「進んだ」と感じている人は25%。

半数以上が「実感がない」という回答です。

 

最後に、こちらも1月の日経新聞による男女を対象とした世論調査。

「望ましい夫婦の形は?」という問いに対して53%が「主に夫の収入で生計を立て、妻は補助的に仕事をする」と答えています。

「夫婦ともフルタイムで働く」と答えたのは19%にしか過ぎません。

 

もちろん、調査は異なる人が答えているわけですが、活躍したいと思う一方、やっぱり夫が働いてくれたほうが楽、という女性もいるに違いありません。

そんな中で、揺れ動きながら毎日働いている女性もいるでしょうし、バリバリ働きたいという女性は足を引っ張られているかもしれません。

結局、日本の風土が変わらない限り、企業で皆さんが女性活躍推進を一生懸命勧めようとしていても、とても遅い速度でしか日本の女性の活躍は進まないでしょう。

そして、それは自分だけの問題だけではなく、娘たちに影響をおよぼすことになるのです。

アジアの国の中でも遅れている国のままでは、子供たちがかわいそうではありませんか。

 

私自身、ダイバーシティ推進をお手伝いする立場にありながら、ついつい、気が付くと男性の意見に追従していたり、飲み会ではサラダを取り分けていたりします(笑)

いや、矛盾しているなあと感じながら、とりあえずはうまくやっていくほうが大切だからと、発言と行動が一致していないと反省します。

こういう大人(年輩?)の女性が後輩の道を閉ざしているのかも知れませんね。

 

毎回言いますが、私のコラムを読んでくださっている女性は、既に活躍している方ばかりです。だからこそ、2020年はもう周囲の思惑で動くのではなく、自分が信じる正しい姿つまり自分のポリシー(信念)に忠実にどんどん我が道を行く勇気を持って欲しいと思います。

 

プラスチックが環境に悪ければエコバッグに変えるように、マインドも徹底しなくては、社会は変わりません。

だから、自分がどうありたいのか、2020年の年頭、自分のポリシーを確認して2月を迎えてくださいね。

(YK)

参考:男女平等指数 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53440060X11C19A2EAF000/

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主張する女性はかっこいい

2019年12月22日

サンタクロース最近、テレビのニュースキャスターのメインを女性がつとめているケースが増えています。

やはり女性のほうが華やかで、視聴率が取れるからかなと思っていたのですが、見ているうちにそれとは別のメリットに気が付きました。

女性がニュースを伝えるとき、男性キャスターより、より怒りや共感がストレートに表れていて好感が持てると感じるのは私だけでしょうか。

女性は、何かを伝える裏に自分の思いを込めずにいられません。その長所が効果的に発揮されていると私は感じています。

 

今年はこのコラムでは、女性の改善すべき癖を取り上げてきました。その中にも「自分の成果を主張できない」そして「感情的すぎる」という習慣がありました。

 

気持ちを率直に伝えることは相手を動かす力もあります。重要なのは、その主張が自分のためだけ勝手な自己主張ではなく、皆が知っておくべきこと、皆のために発言すべきことであるかどうかなのではないでしょうか。

では、自分の成果は?と思われるかも知れませんが、自分がやったことも他人に共有すべきことであることを忘れないでください。

 

相手にきちんと伝えるためには、感情的であってはいけないけれども、そもそも、すべての人間の行っている社会活動の裏には、腹が立ったり、悲しかったり、嬉しかったり、という何かしら、感情があるはずです。

仕事は、そもそも自分にとっても誰にとっても幸せに人生を生きていくための手段なのですから、感情は隠すべきものではなく大切にするものですよね。

それを相手が動くように冷静に伝えるということが必要なのです。

 

 

社会でも、今年は、多くの声をあげる女性を目にしました。

環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん、香港の民主運動リーダーのアグネス・チョウさん、性暴力被害の民事訴訟で勝訴したジャーナリストの伊藤詩織さん。

 

主張に賛同する人しない人がいるでしょうが、怒りや疑問を真摯に訴える彼女たちの言葉には心打たれます。耳を傾けようという気持ちになります。

彼女たちの発言はテレビの国会で目にするような男性たちの、曖昧でどうとでも取れるようなものではありません。自分の身を挺して、思いを伝えたいという姿勢が見えます。

 

それと比較すると、仕事場での発言は、注目を得るわけでもないし会社に大きな影響を与えるほどのことでもないかも知れません。しかし、働いている以上、自分が感じていること、考えていることを意見として出すことは義務であり責任です。

だから、遠慮なく、仕事で職場でも心に引っかかるものや、思いがあるのであれば発言していきましょう。

それが住みやすい職場や環境を作っていくのではないでしょうか。

来年はLet’s speak out !

(YK)

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どっちへ行っても同じこと?

2019年11月10日

どこへ行ったらいいの? 「どっちへ行きたいか分からなければ、どっちの道へ行ったって同じこと」

ルイス・キャロルの童話、不思議の国のアリスの中で、森に迷い込んだアリスに木の上から猫が冷たく言い放ちます。

百貨店で開催中の不思議の国のアリス展へ行って、この言葉を思い出しました。ルイス・キャロル、なかなか鋭い。

 

私はどうしてもコーチングの原則に従って、ビジョンや目標を明確にすることが大切だと人に勧めます。どちらへ行きたいか決めなければ、道はわからない。目標がなければやるべきことが分からないからです。

しかし、現実にはビジョンを持っている人、また目標を見つけてそれに向かって働いている人のほうが少ないと感じています。

 

女性にも働き蟻の法則が当てはまると感じています。

働き蟻の法則とは、2割が一生懸命働く蟻、6割がそこそこの蟻、2割が働かない蟻、という説です。女性も2割が目標に向かって努力している人で、その他大勢のほうが圧倒的に多いのではないかと思います。

そして、これを読んでくださっている方や私のセミナーに来てくださった方はそのトップの2割に入る方だと思います。自分に問題意識を持ってくださっているわけですから、自主的に働きたいという意思を持っている方だと思います。

 

ところで、この週末、ボランティアで横浜にする在日中国人の小学4年生の女の子の宿題を手伝いました。神奈川県の地図を等高線に沿って色を塗っていく作業です。色を塗りながら、おしゃべりをしたのですが、なんと彼女は来日してもう4年も経つのにどこにも行ったことがない。江の島も鎌倉も横浜からは近いのに知りません。唯一、行ったことがあるのは林間学校で行った宮ケ瀬ダムだけでした。

毎日、夜遅くまで働いているママとパパの帰りを横浜のマンションでお手伝いしながら待っているので、学校と家の往復だけで自分の住む町から出たことがないのです!だから、塗り絵も色を塗るだけで、興味がわきません。

そんな状況でどうしたら勉強するモーチベーションを上げられるのでしょう。経験や体験が限られているのですから、将来への夢は描きにくいでしょう。

 

さらに、中三の受験を控えた在日外国人の子供たちも、日本語が覚束ないが故に先生はチョイスも与えず誰でも合格できる「定時制」を勧めるそうです。もちろん、塾へ通える余裕があれば解決する問題です。彼らは言葉に関係のない数学は得意なのですが・・・

「身の丈にあった」場所、を強制されてしまう悲しさ。残酷だなあと思いました。

そう思うと、将来の夢が描けない、なりたいものがわからない、などと言っていること自体、贅沢な気がします。むしろ恵まれているから、欲しいものが分からなくなるのかも知れません。

 

私たちは強制労働をさせられているわけでもないのに、自分で自分に限界を設けてしまいがちです。

自分次第で主体的に道を選ぶ自由と権利があることをもう一度思い出しましょう。自分が来年実現したいことを考えるにはそろそろ良い時季です。

(YK)塗り絵神奈川県 (2)

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嵐の後に~バウンスバック~

2019年9月18日

ハイビスカス

台風の翌日排水溝で咲いていたハイビスカス

働いていれば誰でも悔しい思いを経験することはあるでしょう。

この夏、仕事で腹立たしい出来事がありました。今考えれば「自分が想定していたとおりに物事が進まなかった」というだけの話でよくあることです。が、その直後には私はかなり憤慨していました。

 

私の頭の中で何が起こったかというと、ぐるぐると、このコラムで自ら紹介している女性にありがちな思考の癖が回り始めたのです。

「私の努力を見ていてくれると思っていたのに」「やっぱり男同士のコネクションは強い」と相手を責めたと思えば「私はやっぱり実力が足りないんだ」「もっと主張しておけば良かった」などなど、「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と「たら・れば」を考えて眠れない夜を過ごすことに。

 

他人に言うのも悲しくなるほど悔しくて、それでも翌日、たまたま親友と電話をする機会があり、ちょっと触りを話しているうちに、「あれ、これ私が女性の皆さんに常日頃やめましょうと言っている悪癖じゃない?」と訴えている自分が恥ずかしくなり、電話を切るころには冷静さを取り戻しました。

そもそも私が勝手に傷ついたり腹を立てているだけであって、他の関係者は今ごろぐっすり眠っているに違いないのです(笑)

 

さて、では、こういう時はどうすれば良いのでしょう?

深呼吸をしてみる。これは最近の一番効き目のある方法です。脳に空気を送り冷やすとよいようです。

そして、とりあえず、「放置!」と決めて振り返りをやめます。この決める、ということがポイントです。自分と自分が指切りするイメージを私は浮かべます。

そして目の前のことに専念してみる。アイロンをかける。プラントを植え替えてみる。

普段やらない無駄なことをする。ちょっと贅沢なお弁当をデパ地下で買ってお料理はしない。バラエティ番組を見て「アハハ」と声を出して笑ってみる。

皆さんも通常の気晴らしの方法はお持ちだと思います。

 

しかし、腹立たしいことや悔しい思いを抱えているときに、気分を変えることは、言うは安し、行うは難し。他人にコーチングを行いセミナーでお伝えしている私でもなかなかできることではなく、自分で方法論を見つけるしかありません。

 

とりあえず、ひととおりバカバカしいことをやったうえで、そんなことばかりやってはいられないので、PCに向かって仕事を始めると、現実に戻っている自分に気が付きます。

嵐のような怒りを乗り切ると、静けさは必ず訪れます。しかし、せっかちな私はかつては嵐の中にいち早く乗り越えようとして何度も転覆してきました。台風の夜は、船出はしない、川のそばには近寄らない。原則です。

 

さて、今回、私にはこのタイミングでとっても嬉しいニュースが舞い込みました。

腹を立てていたことよりもずっと、私にとっては価値のある嬉しい知らせが届いたのです。

さっきまで世界が私を全否定していたような気持ちでいたのに、今度はファンファーレが頭の中で鳴り響きました。落とされた分、さらに舞い上がります。

何があったのかはお伝え出来ないのですが、他人には価値がないことでも自分にとって価値のあることって誰にでもありますよね。

どんなに小さくても大きくても、自分にとって嬉しいことをきちんと認識して受け止められることは、どん底からの立ち上がりを速くする重要なコツでしょう。

 

数日後、その顛末を友人に打ち明けました。

と、友人曰く「それってバウンスバックっていうのよ!」。

バウンスバックとは、ゴルフでボギーかそれより悪い成績をたたいた直後のホールで、バーディかそれ以上のスコアを出すことを言うそうです。

今、人気のゴルファーの渋野日向子が得意とするところだそうで、どんな悪いスコアでもスマイルを忘れない彼女ですが、実は心の中は悔しさが充満しているとか。にっこり笑って「取り返してやる!」とリベンジして成功する。

友人は説明してくれるとにっこり笑って「まさにそれね!川邊さんすごい!」と褒めてくれました。

なるほど、何かにぶちあたったとき、悪癖が登場しそうになったらにっこり笑って封印し、力に変える!

こんなときに的確なコメントをくれる友人に心から感謝です。

 

女性の悪癖は、壁にぶつかったときに登場しやすい。改善法はいろいろありますが、まずは認識することから。

そして、ぼやく相手、自分を持ち上げてくれる友人を持つことも、ぜひリストに加わえましょう。

(YK)

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男女の役割

2019年8月9日

天使になった私今、小泉進次郎議員とフリーアナウンサーの滝川クリステルさんの結婚でマスコミが大騒ぎをしています。

そんな中で気になるのが、「これでやっと彼も一人前になれた」だとか「子供が出来て家庭が出来ると国民の気持ちがよりわかるようになるだろう」とか言う世間の発言です。政治家だけではなく街頭インタビューでもそのようなコメントが聞かれます。

自分が経験しなければ他の人の気持ちが分からないようでは政治家にはそもそも向いていないだろう、プロフェッショナルではないだろう、と突っ込みたくなります。

 

女性に対しても「代議士の妻として適任」というコメントや逆に「代議士の妻ということではない生き方をして欲しい」というコメントが行き交っています。

「〇〇の妻」という時代はまだ続いて、そこからは結婚と同時に担う女性の役割が想像されます。

滝川クリステルさんくらい有名人なんだから「フリーアナウンサーの夫」としてどうなんだ?というコメントは聞かれても良さそうなのに、聞こえてきません。フリーアナウンサーが特定の政党の人と結婚をすると制限される活動も発言もあるかと思うのですが、そんな心配をする人はいないようです。

もっともこの二人は世間の思惑で動くような人たちではなさそうですが。

 

女性の特性、男性の特性について、私はこのコラムでも取り上げているわけですが、「特性」であって「役割」ではありません。

仕事においてはもちろん、家庭においても役割はそれぞれが決めればよいことですよね。このカップルだけでなく、職場のカップルに対しても放っておいてあげたいと思います。

悪気はないけれど「妻が家庭を守る」という知らず知らず本人すら無意識で持っている上司や周囲の固定観念が、男性の育休を阻んでしまったり、もっと働きたいと考えている女性のやる気を後退させる要因にもなりえます。

職場の空気を作ってしまっているかも知れません。

 

そして自分自身がその固定観念に縛られている場合もあります。

もしこのコラムを読んでいる女性が「妻だから、母だから〇〇すべき」という想いをほんの少しでも持っているとしたら、パートナーやお子さんに尋ねてみてください。「自分に期待している役割はなんですか?」と。

自分が固定観念に縛られていませんか。

 

ところで、私はボランティアで外国人の子供に勉強を教えています。先日、中国人の小学生の女の子が「先生の若い頃の絵を書いてあげる」と言ってウェディングドレス姿の天使の絵を書いてくれました。そして「先生、だんなさんはどんな人?」と聞かれ「先生にはだんなさん、いないのよ~」と答えると悲しそうな顔で返答につまり、「寂しくないの?」と言われました。

子供にとっても当然だと思っていること、世間のハードルは結構高い(笑)

(YK)

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