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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

決める力

2021年12月26日

クリスマス花「自分で決めることが出来ない」

女性の活躍を阻む12の習慣についてはここで何度もご紹介していますが、今年一年、女性を観察して追加したいと思う項目です。

これには12の習慣と同様に女性の特性が禍となって、他人の思惑を気にしたり謙虚であったり、他人への気遣いで決められなかったり、自信がなかったり、というようなことが要因と考えられます。決められない人は他人の思惑を尊重する優しい人なのかも知れません。が、こうした「決められない」ことが、仕事が進まない原因や評価されない要因になっている場面を多く見ます。

 

どんな人でも毎日たくさんの決断をしていると聞いたことがあります。

朝目がが覚めると、朝食は何を食べようか、どの服を着ていこうか、電車はどの車両に乗ろうか、ランチはどの店で取ろうか、などなど平均3万5000回だそうです。

決断疲れをしている人も多く、スティーブジョブズ氏が黒のTシャツと決めていたのは決断疲れを避けるためとも聞きました。

 

決断することは労力を要します。疲れます。そして怖い。

それでもプライベートな小さなことであれば、なんとか決めている人たちでも、仕事となると小さなこともコンセンサスを取ろうとする、上司の許可を得ようとする。大きな方向性であれば仕方ないとしても細かいことまで決められないとなると、仕事はストップしてしまいます。

 

もちろん、決断できない裏には、上司のマイクロマネジメント(細かい点まで指示を出す)や上司に勝手にやったと注意を受けたという苦い経験もあるのかも知れません。

 

「決断力」はリーダーに求められる要件のひとつです。様々な状況にあってリーダーは常に決定していく責任を背負います。リーダーになりたくない、と言う女性の多くがあげる理由の一つでもあります。

 

しかし、さらに私が課題だと思うのは、自分の人生について決められない人達です。家族が、環境が、背景が、と考えて決めないのは配慮ではなく、自分への言い訳になっていないでしょうか。

コーチングの場面で「10年後何をしていたいか」と尋ねて「今の会社にいられるならずっとこのままは働いていたい」と答える人のなんと多いことでしょう。それは状態であって、「何をしたいか」という問いの答えにはなっていません。

結局、意思がなければ決断する必要もないでしょう。何をしたいのか考えて、そのために決断する、2022年はそんな年にしたいものです。

 

人生の決断はハードル高いと言う方は、まずは練習してみてください。日々の自分の行動から目的を持って決めていきましょう。

例えば、今年はスリムになりたいのであれば「朝の筋トレ10分実行」と決めるのです。そんなことはやったことがあると思われるかも知れませんが、「やろう」ではなく「決める!」と強い意志で決めることがポイントです。決めたことは実行する、これは自分との約束です。コミットメントです。

 

決断して実行し、結果が出たときの喜びは癖になります。

2022年良い年になりますように!

(YK)

 

男性も進化する

2020年6月30日

アジサイ水色小花仕事が終わると皆さんは何を思い浮かべますか。

先日、セミナーに参加して下さった大手企業の30代の営業マンのAさん。最近シングルファザーになったそうで、自分が子育てをするようになって一番変わったことは、仕事が終わる17時半になると冷蔵庫の中身を思い浮かべるようになったことだと話してくれました。

 

「何があったかな。何を食べさせようか」と小さい子供にご飯を食べさせることは、一日のもっとも重要な仕事だと感じているそうです。それまでは、そんなことは思ったこともなく、営業マンとしてバリバリと仕事ばかりしてきた自分の変化に驚いているようでした。

 

「子供に飯を食わせなきゃいけいない」それは彼にとっては経済的なことだけではなく、実際に自分が世話を焼かなければ子供は飢えてしまうという強い責任感を感じるようになったことは、自分でも好ましいことととらえていて、リモートワークは彼にとってはさらに良い機会となったとか。

 

きっとAさんは、それまでは家事をパートナーに頼っていたのでしょうね。新たな価値観を発見し、きっと女性の気持ちが分かるようになったのではないでしょうか。

 

とはいえ、女性だからと言って夕方になると家族のことを思い描く人ばかりではないでしょう。大切なものは人それぞれ異なります。女性だからきっと家族を優先するだろう、というのも思い込みです。人はそれぞれ異なる事情を抱えて、異なる思考や欲求を持ち、それが抱く感情の違いになります。

 

私たちの祖先は生き残るために感情を身に着けてきたそうです。女性の共感力が高い傾向にあるのは、狩猟採集時代に男性の留守中、子育てのために周囲の人とうまくやっていかなければならなかった結果とも言えるそうです。自分自身をあるべき行動に持っていくために、感情は後から身に着いた。ちょっと逆なようですが、コミュニケーションの専門家の説です。

 

Aさんも子供を育てるために、これまで使っていなかった想像力や共感力が芽生え始めてきたのかも知れません。

Aさんだけではなく、様々な家族の形態や仕事の仕方が変化し、また違いがなくなることによって、男女の特性にも差はなくなっていくのかも知れません。

 

ところで、Aさんは5人の女性の部下を抱えていて、その5人がそれぞれあまりに異なり、一人一人が自分を見て欲しいと要求しているように感じて、対処の仕方が分からないという悩みをお持ちでした。部下は、特に女性は、自分をちゃんと一人として見て欲しい、そのことにAさんは気が付いたようでした。

 

私は、Aさんが私に気持ちを正直に打ち明けてくれたように、自分を開示することを勧めました。きっと今の彼なら女性に共感することができそうだからです。しかし、彼はとても素直なのにまだ男性としての鎧を部下の前では身に着けているように見えました。男性の鎧も重そうです。

 

環境変化が著しい今、自分はどんな変化を遂げるのか、楽しみに観察をしたいものですね。

 

参考:「人は感情によって進化した 人類を生き残らせた心の仕組み」石川幹人著 ディスカバー・トウェンティワン刊

(YK)