心地良い雑談とNGな雑談の違いって?
2017年12月14日
少し前ですが、海外でその国の某航空会社に翌日の帰国便の予約確認で電話をしたときのこと、PCで予約状況を調べていると思われる間に
「So did you enjoy staying here ? (それで滞在は楽しみましたか?)」と尋ねられました。
予約の回答が返るとばかり思っていたところで、違う問いかけがあったのでとっさにに意味がわからず「?」訊き返すと「ここは気に入りましたか?」と自然に尋ねてきます。
「もちろん楽しかったですよ」と慌てて返しながら、感じが良いオペレーターだなあ、なかなか良い国だなあと感じ、また航空会社の印象がアップしたことがありました。
また先日、あるチェーンのコーヒーショップでコーヒーが出来るのを待っていると、後ろに並んでいた外国人の順番が来ると注文をする前に
「こんにちは!今日は元気?」と尋ねる声が耳に入りました。
もしかするとその声かけも外国人にとっては習慣化されているもので、社交辞令なのかも知れませんが、それでも無言よりは楽しい雰囲気に変わることを感じました。
そう気にしだすと、日本人はあまりに日々、事務的な会話しかしていないことが気になります。
仕事柄、接客をする職業の人達には「挨拶をしましょう」「雑談をしましょう」と伝えていますが、私自身が接客をされる側に立つと相手に言葉をかけることはしていないようです。
コーヒー店では「カフェオレのトール一つ」だけ、コンビニではひどい時には無言なときもあります。
受け取るときには、「ありがとう」と返すことは心がけていますが、最初の挨拶や雑談はあまり意識していません。
接客する側にばかり求めていて、される側が無言で無表情だったら、接客する人のモーチベーションも下げてしまうかも知れません。
接客する側だけではなく客の側も雑談をしても良いのではないでしょうか。
そしてある時、自宅マンションのエレベーターで高齢の男性と乗り合わせたとき、ちょっとしたお天気の話題をするとその方があれこれお喋りを始めました。
そして降り際に「いや一人暮らしだから、一日話していないもんだから失礼しました」と照れながら一言。
何気ない会話が他人をいやすこともあるのです。
しかし、余計な雑談に腹が立つときもあります。
美容院で髪をスタイリングしてもらいながら「お正月休みはどう過ごされますか?」というような質問。
顔なじみではなく、たまたま髪を洗ってくれている若いスタッフであったりすると、「興味もないのに雑談をしなさいと言われているからしている質問だなあ」「あなたにプライベートなことを答えたくないわ」と心の中で思ってしまい面倒になります。
美容院で話かけれられるのが嫌いという人は多いですが、たいてい私のような理由ではないかと思います。
もちろん自分の話を聴いて欲しい客もいるでしょう。私はむしろスタッフに質問をするほうが好きでこちらのプライバシーには踏み込まず話題を提供をしてくれる人とは話が弾みます。
とは言え誰とでも良いというわけではなく、自分の話をするにしても相手がどんな話題が好きなのかを察知する力がないと、ただのお喋りでうるさい人になってしまいます。
さらに、いつもは話好きな人でも気分によっては静かな時間を好む時もあるでしょう。それも忖度の必要があります。
人を楽しませる雑談とは、なかなか難しい。
またタクシーの運転士さんは情報をたくさんくれる人もいますが、愚痴を聞かされてしまったり、具合が悪くて乗っているのに長々話をする人がいたり。愛想の悪い客と思われたくなくて、ついつい疲れてしまうこともあります。
では親しくない人に受け入れられる雑談のコツは何でしょうか。
まずは一般的なこと、お天気の話などが当たり障りなく相手の気持ちを読み取れます。
暑さも寒さも晴天も雨の日も平等に皆に起こることだから、誰も傷つけないからです。
さらに踏み込むときは、未来に向けた質問よりも過去や現在のことに向けた質問のほうが適しています。
「クリスマスはどう過ごしますか?」
と聞かれたら、予定がなければ寂しくなるし、素敵なイベントがあってもそれは他人と共有したくないかも知れません。
「クリスマスはどう過ごしましたか?」が良いのでしょうか。これでもまだ「余計なお世話」な質問です。
それでは、どう聞いたら良いのでしょう。
「クリスマスは楽しみましたか?」はいかがでしょう。
何故なら、楽しければ話したくなるかもしれないし、多くを語りたくなければ「ええお陰様で」で会話を締めくくることが出来ます。
5W1Hの質問ではなく、感情を聴く質問でさらりと流して様子を観察してください。
「楽しかった」だったら「良かったですね~」と共感を示して相手が話すのを待ちましょう。
そこで「どこか行かれたんですか?」と畳みかけないように。
一方、「別に・・・」と返って来たら沈黙するのも手です。
そう「沈黙」を恐れない心構えも必要です。
あー雑談って難しい!
でも雑談力を皆で磨くと楽しい社会になりそうな気がします。
(YK)