リーダーの教養
2016年5月15日
若冲展が大変な人気です。
先日、定年退職をされてビジネスコーチとして
活躍なさっている男性の知人が
最近、東京で行われている美術展に
ワクワクしているとおっしゃった後で
「経営者は、もっとこうした文化を理解する
勉強が必要だと思いませんか」
との問いかけを受けました。
同感です。
実際、美術や文化、音楽に積極的な興味を示す
ビジネスパーソンが増えているように感じます。
禅も流行っていますが
同じような流れで、皆が右脳を働かせることや
精神的なよりどころを求めている時代なのかも知れません。
とはいえ、会社の中である程度の地位を得るまでは
女性も男性も付き合いや子育てと公私ともに忙しく
そうした時間を持てない方が多いのではないでしょうか。
調べて見ると
歴史ドラマを見ても分かりますが、
武士の時代には、教養を身に付けることは
ビジネススキルであったようです。
禅を精神的背景として持つ茶道・香道は、
武士が日常の生活の中で自分を磨き、
交流の手段として行うには、適切な趣味であったそうです。
当然、そうした文化と共に美術品を鑑賞する力も
必要でしたでしょうし
書道はPCのない時代、その人となりを表したわけですし
能や狂言も武士の芸能として発展したようです。
今も昔も重要な決定事項は
正式な会議の場ではなく、「おもてなし」の席で行われます。
お茶をさしあげる、お香を炊くなど
相手と対峙しての緊張感はリーダーとしての
度胸もつけたかも知れません。
美術品に対する審美眼もなければ
相手に見好かれてしまいます。
「おもてなし」は勝負なのです。
秀吉の「おもてなし」は有名ですよね。
日本のビジネスパーソンたちが
再び文化や美術や芸術に興味を持ち始め
右脳を磨いていくと
日本の国力はあがるのではないかと
最近の若冲ブームに兆しを見ています。
(YK)
参考; 武士に好まれた三大芸能 http://samurai-no-kokoro.jp/traditionalt-gei.htm