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Columnコラム

人と接するのが好きだから・・だけでは

2016年6月25日

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接客・サービス業で

新人に研修生バッジを付けるべきか否か

ということが議論されることがあります。

研修生バッジを付けている人を

接客させるのはそもそもお客様に失礼ではないかと

主張する人もいれば、

一人前ではないということを

あらかじめ示しておいたほうが良いという人も

います。

 

皆さんはどう思いますか。

何事も経験してみないと分からない、

現実の職場では

どうしても研修期間は必要だし

プロフェッショナルに速やかになるためには

入社以前の学生時代の現場実習は

大切なプロセスです。

大学でも企業実習を単位に入れて

奨励しているところは多いようですね。

 

最近、1週間ほど入院をした時のこと。

4日ほど絶食し点滴治療を受け

快方に向かった5日目から

看護学校の実習生がサポートにつきました。

 

最初にまずお願いをされて、承諾すると

看護学校の先生が誓約書を持って

いらっしゃいました。

検温、血圧、脈拍の測定にその他、私の介助を

してくれるとのこと

その他にレポートでもあるのでしょうか

「お話を聞かせて下さい」と2,3度枕元に来ましたが

私のプライベートなことなど

10分ほど聞かれました。

 

好感の持てる学生さんでしたし、

人材育成を仕事にしている私ですから

もちろん歓迎です。

しかし、すこーしだけうっとおしい気分が・・・・
(ごめ・んなさい)

面倒くさい・・・

血圧測定に時間がかかっても

脈拍を間違えて何度も測っても

痛い思いをさせられない限り

問題はありません。

でも、会話はどうも違和感が・・・

プライベートをインタビューされているような

かと思うと、こちらがコーチングをしているような

楽しくない、邪魔をされているような気持ちになります。

 

注意してい見ていると

ベテランの看護士たちは

あまり余計な会話は患者さんとしません。

痛い、辛いに相槌を打ち、様子を聞いてくれるものの、世間話や患者の

プライベートには立ち入りません。

しかし、こちらの訴えには即座に親身に尽くしてくれます。

プロフェッショナルなのです。

 

その学生さんに何故、看護士を目指しているのかを訪ねました。

「人とコミュニケーションを取るのが好きだから」

そうそこなのです。

 

私もかつてそうでしたが、接客業を目指す若者は

「人と接するのが好き」

と言うのですが、突き詰めて行くと

「人と接している自分が好き」

が本当のところではないでしょうか。

楽しい会話が出来る人と思われたい、ではだめなのです。

独りよがりになってします。

その段階ではまだまだ人に接する仕事のプロとは言えないのです。

ただ若いとそれに気が付きません。

プラスしよう、何かしてあげよう、としてしまいます。

 

失敗をして罵声を浴びさせられて

世の中、色々な人がいることを知り、

その上で

「人の心に寄り添おう」

という気持ちに到達し、引くことも憶えてプロフェッショナルになるのかも知れません。

 

どんな仕事であれ実習生は

むしろそこでゴツンと頭をぶつけてくることが

一番の経験なのかも知れません。

とすると、ちょっと優しすぎたかも・・・(笑)

 

社会で人を育成する

ということは優しくするのではなく

本当の要求を伝えてあげることなのでしょうね。

 

退院時には彼女はちゃんと挨拶に来てくれました

たくさん辛い経験もして、良い看護士さんになって欲しいと思います。

(YK)

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Don’t speak in Japanese.

2016年6月5日

【グローバル】

 

今日の新聞に

人手不足が深刻度を増し

コンビニを始めとする小売り業も

外国人採用を積極的に開始していると

言う記事がありました。

 

外国人採用は人出不足だからというだけではなく

優秀な人材であれば国籍は関係なく

採用したいという企業も

多くなっているようです。

 

外国人社員の育成や指導について

ご相談も多く受けるようになりました。

 

先日も外国人新入社員のメンターになるという方々に

対して研修を行いました。

しかし開始前に揃った参加者の方々にお会いして

「なんて皆さん笑顔が少ないのでしょう」

と言うのが私の第一印象でした。

 

どなたもお話をしてみると

新しい仲間に対して関心も意欲もある方たちでしたが

表情が豊かではありません。

初めてお会いする私ですらとっつきにくさを感じるのに

異国から来た方であったらどうでしょうか。

日本人であれ外国人であれ

初対面で必要なのは、歓迎のサイン。

日本はおもてなしの国と言われながら

接客サービスを離れたところ、特にビジネスの場では

微笑みが少ない国のように感じます。

悪気はないのでしょうが、習慣なのでしょう。

そして周囲が皆そうであると

それが特に問題であるとは感じないものです。

 

表情は一つの例として

同一民族の中で暮らしている私達にとって

同じルールの下でいる人の気持ちは察することが出来ても

自分と異なる環境で育ち習慣の異なる人への

察しの能力は少し弱いような気がします。

 

私が初めて海外で海外の会社で働いた時に

ルールとして守るように厳しく言われたことは

仕事の場では

「Don’t speak Japanese!」でした。

日本人同士であってもです。

その理由は、他に日本語を分からない人がいたら

不愉快に感じるから。

最初は不自由を感じましたが直に習慣となり

今でも私の当時の同僚たちは、一人でも日本語の分からない人が

傍にいるとすぐに日本人同士でも英語に切り替える習慣がついています。

それは相手のためというよりは

自分自身が相手に対して居心地の悪さを感じるからです。

 

某企業が社内の言葉を英語にした時に

賛否両論がありました。

しかし、言語に対するセンシティヴィティを磨くことは

グローバル化そしてダイバーシティを実現するためには

非常に重要なことではないでしょうか。

 

そして言葉だけではなく

食事の習慣や宗教の習慣など

違いに敏感になり受け入れて行くと

自分自身が豊かになるような気がします。

 

外国人が職場に仲間として働く

そんな環境は自らを変える

素敵な機会です。

(YK)

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