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Columnコラム

時は金なり~スピードとサービス~

2016年8月28日

20160828_185102 (1)香港人はせっかちです。

とにかく物事を進めるのに、雑だけど速い。

先日、香港で、ATMカードを紛失してしまい

再発行をするためお昼時の銀行へ行きました。

大した金額も入っていないので気にもとめず放置していたので

きっと手続きに時間かかりそう、と覚悟して行きました。

昼休みなので少し混んでいましたが

待つこと5分、その間2回も案内係が待たせてすみませんと

声をかけてくれました。

そして順番が来て、用件を伝え身分証明のIDカードを渡すと

窓口のテラーは

「じゃあ古いカード止めるからサインして」

とPCから私の記録が既に書かれた用紙をプリントし差し出します。

何も自分で記入する必要がありません。

しかし、ちょうど、システムが故障中だと言われ嫌な予感が・・・

ところがテラーは、

「カードが今、発行出来ないので近くの支店に行って頂くか、

明日、自宅に郵送しますがどちらがいいですか」

と即座に聞いて来ました。

「えっ?自宅って日本なんだけど?」

「日本でもいいですよ。住所はここですね」

とまたPC上の記録を読み上げます。

ということで、私はなんの記入もする必要がなく、

自宅へ送ってもらう手続きは5分足らず。

速い!

 

つい先日、別件で日本の銀行へ行った時のこと、

何かの手続きに自筆で住所を記入し、名前はともかく住所に振り仮名までふらされ、

印鑑の確認があり、時間がかかること!

信頼、信用、正確

が日本のサービスの価値観であるとすると

香港のサービスは

スピード、効率、柔軟性

に価値観を置いているのでしょうね。

そこには、国の背景や国民性が見えます。

様々な国から来た多様な文化と価値観の異なる人達が

狭い土地に密集している香港。

多少の間違いは織り込み済みで

とにかくスピ―ティに手際よく合理的に対処していくほうが

全員にとって良い結果を生むとしているのです。

そもそも香港は、最近はやや揺るぎがちではあるものの

世界の金融センターとして日本よりはるかに銀行の利便性は進んでいます。

平日は銀行は夕方まで開いているし、土曜日も15時までオープンしています。

企業でなく一般にも小切手が習慣化されているので送金も楽です。

 

一方、日本は銀行の待ち時間が長い。

何かと銀行口座の引き落としを勧められますが

引き落とし手続きにはまた、印鑑を押したり細かい書類を書いたり。

丁寧だけれど、こうした手続きに手間と時間がかかりすぎると思うのです。

ネットバンクだって、誰もがPCにすぐアクセスできるわけではありません。

先日も郵便局で住所を県から書けと言われて、

郵便番号は何のため?と思ってしまいました。

間違いないようにとの慎重さが

実は客側ではなく受け手側の手間を省くためのことも

多いのではないでしょうか。

住所の振り仮名なんて調べれば分かるでしょう。

客の時間を尊重する。

丁寧に間違えないもいいけれど、

日本のサービスに取り入れるべきポイントであるように

感じています。

(YK)

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フリーライダーにならない~宴のあとに~

2016年8月16日

パーティ

プライベートなパーティをするのが好きです。趣味かも・・・

若い頃から、狭いマンションの部屋や借りた会場で

テーマを決めて勉強会やパーティをたくさん行って来ました。

 

準備が大変だし

大勢で集まってもざわざわするだけで楽しめるの?

などと言われます。

幸いにも私の周囲には、料理やワインに詳しい人が多くいて

そして、もともとが私も含め接客の仕事をしている人も多くいるので

当日の段取りにはあまり心配がいりません。

もちろん、皆さん手伝ってくれるとはいえ

買い出しや食器をそろえたり会場を準備したり

終わった後のゴミ出しから片付けは大変です。

でもどんな場になるか

参加者の間で起こるシナジーを想像する準備はとっても楽しいし

余韻に浸る片付けも楽しい時間です。

苦にはなりません。

むしろそれが楽しい(笑)

 

その中で、一番、神経を使うのは誰を呼ぶか。

私が会いたい人や好きな人ではなく、誰と誰を会わせたら楽しくなりそうか

用意するテーマに合った話題や技を持っている人は誰か

知り合い全てを同じ時に声をかけてしまうのではなく

組み合わせを考えます。

そして私自身も、少人数で会いたいと思う友達や

こちらの人と同じ場所で会いたくない人など

自分のネットワークの構成も考えて

声をかけないで置こうを思う人達もいます。

ベストなメンバーとは、必ずしも仲良しや好きなメンバーだけではありません。

招かれるほうだって、大勢の人と集まるのは好きではないという方もいるし

そういう方はそっとしておきます。

 

さて、先週末もそんなパーティを行い、とても楽しい一夜となりました。

何故、こんなに盛り上がったのだろう、とつらつら考えてみると

参加した方達が、それそれ「絶対楽しもう!」という

強い期待と積極的な意思を持っているからなんですね。

「楽しもう!」と「楽しませてもらおう!」とは似ているようで違います。

「楽しもう!」には、迎え入れる側の「楽しませたい」という想いに呼応してくれる人なのです。

何を出されても(今回は参加者のご協力で実際、お料理とワインは絶品だったのですが)

嬉しそうに反応してくれて

そして手伝ってくれて

誰と話しても、相手に興味を持ち、表情が豊かです。

 

誰かが用意してくれた機会に乗っかっているだけ

というフリーライダー(ただ乗り)がいないのです。

そう、「オモテナシズム」とは、こういうことなのです。

新しい出会いを創ったり、皆さんが楽しそうに笑ったり、満足している顔を見ると、

それだけで幸せになってしまったのでした。

 

とかくビジネスパーソンが集まる機会というと

会社の宴会や接待、同窓会など

既に知り合い同志の集まりがほとんどですね。

そのせいか、日本人はパーティが苦手な方が多いようです。

パーティでのコミュニケーションは

まずはフリーライダーにならないこと。

楽しませなくても「楽しもう」という想いが重要。

今回の結論です。

パーティの後、ああすれば良かったこうも出来た、と反省をしつつも

それも含めて、楽しい余韻にふけるお盆休みです。

(YK)

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~コンディションを確認する~Are you ready for working?

2016年7月25日

Pilot check list今日は、内視鏡検査を受けに行きました。

調子が悪いことがあったので念のための検査でしたが異常なし。

麻酔を覚ますために簡易ベッドに

横たわっていると

様々な看護士と患者のやり取りが

聞こえてきて、ふと浮かんだことです。

 

病院で検査を受ける時、あらかじめその検査に適した体調であるかどうかを

確認するチェックリストがあり、必ず看護士さんに確認されます。

「過去に病気をしたことはありますか」

「アレルギーはありますか」

「飲んでいる薬がありますか」

「不安な点があればお書きください」

などなどその日の体調に質問があります。

万が一、どれか不適切な状態であると、検査は延期されます。

これは、通常の企業での仕事にはあてはめることが出来るのではないでしょうか。

 

仕事であれば、人は常に最高のパフォーマンスを出す状態で臨むことを求められています。

そしてそれが当然だと思って誰も確認はしません。

しかし、日々、人間ですから、調子の良い時も悪い時もあります。

例えば、パイロットであれば

「12時間内にお酒は飲んでいませんか」

という質問があります。

CAには「お客様が見て不愉快になるような肌の状態ではありませんか」

などというチェックがあり、適切でなければフライトをすることは許されません。

こうしたチェックは、会社員にはまずないでしょう。

しかし、例えば重要な取引先との契約会議に出る社員が

準備不足で、体調不良であったり、個人的な悩みを抱えているのに、

そのまま100%の力を出すと思い込んで、送りだすのは危険ではないでしょうか。

接客の仕事であれば

憂鬱な顔をした社員に「笑顔で頑張りましょう」と声をかけたところで

笑顔になれない事情が影にあるとすると、その日、彼・彼女から接客を受けた

お客様は「感じの悪い店」と思ってしまうかも知れません。

スポーツ選手だって、その日のコンディションで補欠に回ったりしますよね。

 

そう考えると

 

・十分、睡眠を取っていますか

・体調に不備はないですか

・仕事の準備は万端ですか

・今日の仕事(取引先)には慣れていますか

・自分のチームや部下に不安な点はありますか

・何か気になることがありますか

 

のような単純なコンディションチェックを毎朝、上司が行うのは、

今日も頑張りましょう、と声をかけることより

余程現実的で仕事の成果を確認することに繋がるのではないでしょうか。

もちろん、補欠選手がいないのが会社というものですが

それでも状態を確認しておくというのは問題回避には繋がります。

 

新人のための心得のようですが

当たり前のことほど出来ないのが人の常です。

それくらい社会人の常識だ、と済ませてしまいがちですが

本当はとても重要なことではないでしょうか。

難しい仕事の手順やスキルは、自分で管理できるものです。

体調や感情は、自分でも管理が難しい。

であれば、個人の自己管理に任せるのではなく

上司が仕組みを作って、確認するというのも手ではないかと

内視鏡検査で考えたことでした。

(YK)

旅館のタオル

2016年7月10日

 

bathroom-1281614_1920少し前に友人が泊まりに来た時のこと

バスタオルとフェイスタオルを用意していたら

「洗濯が増えるからフェイスタオルだけでいいわよ」

と言われて、びっくり。

「旅館だったらフェイスタオル一枚で間に合わせちゃうでしょう」

と言うのです。

彼女は環境フレンドリーを意識している人ですが

私の手間も考えてくれているのでしょう。

 

確かに、最近はバスタオルも用意されている旅館がほとんどですが

それほど高級でないところは確かに薄いタオル一枚だったりして、

そしてそれならそれで、文句言わず私たちは済ませてしまったりします。

何故、あの薄さなんだろう・・・

と思って調べてみると色々説がありますが

薄いから乾きやすい、確かにすぐ乾きます。

それに、頭にかぶっても良いし、背中を一人で洗うにもちょうどいいし・・・

などなど使い勝手は良いようです。

西洋風の厚い柔らかなタオルでは、こうはいきません。

タオルひとつにも文化があり

国民性があるのですね。

 

さて、別の知人と日本人の特性について話をしたときのこと

彼は、日本人は物を大切に扱い丁寧扱い無駄をしない、

「もったいない」と思うこの日本人の精神性が、日本を輝かせると考えています。

私は、そうは言っても、消費が上がることで成りたつ経済社会である以上

何でも「もったいない」の精神だけでは日本はしぼんでしまうと反論しました。

 

タオルの話にもどります。

では、ホテルでは、ふかふかの高価なタオルを用意するけれど、

毎回クリーニングして繰り返し他の客にも出しています。

旅館の薄いタオルは、客は滞在中使い切って、

最後には家に持ち帰り雑巾になったりするけれど

旅館からすると、毎回、客の数だけ準備しなくてはなりません。

でも旅館名を入れて持ち帰ってもらえたら宣伝効果はありますね。

経済効果はどちら。

どちらが環境フレンドリー?

 

どうでもいいような、でもこんなところからも

国民性、価値観って見えて来ますね。

テルマエローマ、じゃないけれど。

(YK)

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人と接するのが好きだから・・だけでは

2016年6月25日

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接客・サービス業で

新人に研修生バッジを付けるべきか否か

ということが議論されることがあります。

研修生バッジを付けている人を

接客させるのはそもそもお客様に失礼ではないかと

主張する人もいれば、

一人前ではないということを

あらかじめ示しておいたほうが良いという人も

います。

 

皆さんはどう思いますか。

何事も経験してみないと分からない、

現実の職場では

どうしても研修期間は必要だし

プロフェッショナルに速やかになるためには

入社以前の学生時代の現場実習は

大切なプロセスです。

大学でも企業実習を単位に入れて

奨励しているところは多いようですね。

 

最近、1週間ほど入院をした時のこと。

4日ほど絶食し点滴治療を受け

快方に向かった5日目から

看護学校の実習生がサポートにつきました。

 

最初にまずお願いをされて、承諾すると

看護学校の先生が誓約書を持って

いらっしゃいました。

検温、血圧、脈拍の測定にその他、私の介助を

してくれるとのこと

その他にレポートでもあるのでしょうか

「お話を聞かせて下さい」と2,3度枕元に来ましたが

私のプライベートなことなど

10分ほど聞かれました。

 

好感の持てる学生さんでしたし、

人材育成を仕事にしている私ですから

もちろん歓迎です。

しかし、すこーしだけうっとおしい気分が・・・・
(ごめ・んなさい)

面倒くさい・・・

血圧測定に時間がかかっても

脈拍を間違えて何度も測っても

痛い思いをさせられない限り

問題はありません。

でも、会話はどうも違和感が・・・

プライベートをインタビューされているような

かと思うと、こちらがコーチングをしているような

楽しくない、邪魔をされているような気持ちになります。

 

注意してい見ていると

ベテランの看護士たちは

あまり余計な会話は患者さんとしません。

痛い、辛いに相槌を打ち、様子を聞いてくれるものの、世間話や患者の

プライベートには立ち入りません。

しかし、こちらの訴えには即座に親身に尽くしてくれます。

プロフェッショナルなのです。

 

その学生さんに何故、看護士を目指しているのかを訪ねました。

「人とコミュニケーションを取るのが好きだから」

そうそこなのです。

 

私もかつてそうでしたが、接客業を目指す若者は

「人と接するのが好き」

と言うのですが、突き詰めて行くと

「人と接している自分が好き」

が本当のところではないでしょうか。

楽しい会話が出来る人と思われたい、ではだめなのです。

独りよがりになってします。

その段階ではまだまだ人に接する仕事のプロとは言えないのです。

ただ若いとそれに気が付きません。

プラスしよう、何かしてあげよう、としてしまいます。

 

失敗をして罵声を浴びさせられて

世の中、色々な人がいることを知り、

その上で

「人の心に寄り添おう」

という気持ちに到達し、引くことも憶えてプロフェッショナルになるのかも知れません。

 

どんな仕事であれ実習生は

むしろそこでゴツンと頭をぶつけてくることが

一番の経験なのかも知れません。

とすると、ちょっと優しすぎたかも・・・(笑)

 

社会で人を育成する

ということは優しくするのではなく

本当の要求を伝えてあげることなのでしょうね。

 

退院時には彼女はちゃんと挨拶に来てくれました

たくさん辛い経験もして、良い看護士さんになって欲しいと思います。

(YK)

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Don’t speak in Japanese.

2016年6月5日

【グローバル】

 

今日の新聞に

人手不足が深刻度を増し

コンビニを始めとする小売り業も

外国人採用を積極的に開始していると

言う記事がありました。

 

外国人採用は人出不足だからというだけではなく

優秀な人材であれば国籍は関係なく

採用したいという企業も

多くなっているようです。

 

外国人社員の育成や指導について

ご相談も多く受けるようになりました。

 

先日も外国人新入社員のメンターになるという方々に

対して研修を行いました。

しかし開始前に揃った参加者の方々にお会いして

「なんて皆さん笑顔が少ないのでしょう」

と言うのが私の第一印象でした。

 

どなたもお話をしてみると

新しい仲間に対して関心も意欲もある方たちでしたが

表情が豊かではありません。

初めてお会いする私ですらとっつきにくさを感じるのに

異国から来た方であったらどうでしょうか。

日本人であれ外国人であれ

初対面で必要なのは、歓迎のサイン。

日本はおもてなしの国と言われながら

接客サービスを離れたところ、特にビジネスの場では

微笑みが少ない国のように感じます。

悪気はないのでしょうが、習慣なのでしょう。

そして周囲が皆そうであると

それが特に問題であるとは感じないものです。

 

表情は一つの例として

同一民族の中で暮らしている私達にとって

同じルールの下でいる人の気持ちは察することが出来ても

自分と異なる環境で育ち習慣の異なる人への

察しの能力は少し弱いような気がします。

 

私が初めて海外で海外の会社で働いた時に

ルールとして守るように厳しく言われたことは

仕事の場では

「Don’t speak Japanese!」でした。

日本人同士であってもです。

その理由は、他に日本語を分からない人がいたら

不愉快に感じるから。

最初は不自由を感じましたが直に習慣となり

今でも私の当時の同僚たちは、一人でも日本語の分からない人が

傍にいるとすぐに日本人同士でも英語に切り替える習慣がついています。

それは相手のためというよりは

自分自身が相手に対して居心地の悪さを感じるからです。

 

某企業が社内の言葉を英語にした時に

賛否両論がありました。

しかし、言語に対するセンシティヴィティを磨くことは

グローバル化そしてダイバーシティを実現するためには

非常に重要なことではないでしょうか。

 

そして言葉だけではなく

食事の習慣や宗教の習慣など

違いに敏感になり受け入れて行くと

自分自身が豊かになるような気がします。

 

外国人が職場に仲間として働く

そんな環境は自らを変える

素敵な機会です。

(YK)

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リーダーの教養

2016年5月15日

若冲

 

若冲展が大変な人気です。

先日、定年退職をされてビジネスコーチとして

活躍なさっている男性の知人が

最近、東京で行われている美術展に

ワクワクしているとおっしゃった後で

「経営者は、もっとこうした文化を理解する

勉強が必要だと思いませんか」

との問いかけを受けました。

同感です。

 

実際、美術や文化、音楽に積極的な興味を示す

ビジネスパーソンが増えているように感じます。

 

 

禅も流行っていますが

同じような流れで、皆が右脳を働かせることや

精神的なよりどころを求めている時代なのかも知れません。

 

とはいえ、会社の中である程度の地位を得るまでは

女性も男性も付き合いや子育てと公私ともに忙しく

そうした時間を持てない方が多いのではないでしょうか。

 

調べて見ると

歴史ドラマを見ても分かりますが、

武士の時代には、教養を身に付けることは

ビジネススキルであったようです。

禅を精神的背景として持つ茶道・香道は、

武士が日常の生活の中で自分を磨き、

交流の手段として行うには、適切な趣味であったそうです。

 

当然、そうした文化と共に美術品を鑑賞する力も

必要でしたでしょうし

書道はPCのない時代、その人となりを表したわけですし

能や狂言も武士の芸能として発展したようです。

 

今も昔も重要な決定事項は

正式な会議の場ではなく、「おもてなし」の席で行われます。

お茶をさしあげる、お香を炊くなど

相手と対峙しての緊張感はリーダーとしての

度胸もつけたかも知れません。

美術品に対する審美眼もなければ

相手に見好かれてしまいます。

「おもてなし」は勝負なのです。

秀吉の「おもてなし」は有名ですよね。

 

日本のビジネスパーソンたちが

再び文化や美術や芸術に興味を持ち始め

右脳を磨いていくと

日本の国力はあがるのではないかと

最近の若冲ブームに兆しを見ています。

(YK)

 

参考; 武士に好まれた三大芸能 http://samurai-no-kokoro.jp/traditionalt-gei.htm

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トップは自己点検せよ!

2016年5月7日

Virgin Way

 

この ゴールデンウィーク、

英国のヴァージン航空を始めとするヴァージングループの総帥

リチャード・ブランソン氏の「ヴァージン・ウェイ」を読みました。

その中で、自社のサービスを確認したかったら

外部の調査会社に頼らずにまずは自分で試せ

「自己点検せよ」

それがヴァージンウェイだとブランソン氏は言っています。

 

この言葉で私自身の二つの経験を思い出しました。

ひとつは、かつて外資の航空会社に勤務していた時のエピソード。

当時のCEOは

空港ですれ違うと

「元気でやっている?」

と声をかけてくれるし、

研修センターにも時折顔を出し

いきなり教室のドアをあけては

にっこりと笑顔で覗いてくれる

外見も中身もスマートな英国人でした。

 

ある日、私の担当する

ファーストクラスに搭乗したCEOは

チーズとフルーツのサービスの際

私がチーズを薄く切り分けると

「Ms.Kawabe、君はケチだね」

と言うではないですか。

彼は少しからかったつもりだったでしょう。

でもそれが満席のお客様に切り分けられる精一杯の大きさ

私はカチンと来て

「申し訳ありません。でもこれが最大限の大きさなんです」

と答えると

彼のハンサムな顔がバツが悪そうな表情に変わりました。

それからチーズの搭載量が増えたかどうかは、憶えていませんが

少なくとも私達がお客様にサービスする上で

時には分量のコントロールに苦労していることは

分かってくれただろうと思い

少し会社の顧客満足に貢献した気分になりました。

 

ここが重要なのです。

一社員がCEOにメッセージが伝わったと感じることが

日々、お客様の要望を一番感じ取ることが出来るのは現場の社員です。

たまにCEOが出たところで彼には分からないことはたくさんあるでしょう。

でも、社員にはCEOに見られている

あるいは伝える機会がある

と感じることが風通しを良くするし

社員のモーチベーションを上げるのです。

 

二つ目は、ブランソン氏は不満をかかえた顧客になりすまして

自社の担当部署に電話をしてみるそうですが

私もホテルに勤務していた頃、同じことをした経験があります。

社員の英語のレベルが分からないという話題になり

当時の私の上司が私に命じた事は

私が客の振りをして英語で電話をすることでした。

これは、ブランソン氏も賢明な社員に見破られ失敗したようですが

私も下手な英語でばれてしまいました。

しかし、それでも社員はちゃんと相手をしてくれて

英語力の確認については目的を達成することが出来ました。

このポイントは

お金をかけずに、時間を待たずに、

管理職は、疑問を感じたら他人に頼まず

自ら確認してみる習慣ではないでしょうか。

それから社員には、知る努力をしているんだ、と伝わります。

 

管理職は、バックヤードでデスクに座っていると現場は遠ざかり

電話ひとつですら気楽にかけなくなって行きます。

そしていつの間にか

一番大切なお客様のいる現場は遠くなって行く・・・・

注意すらも出来なくなって行きます。

 

ブランソン氏は社員に用があるときは

社長室に呼ばずに話したい相手のいる場所へ出向くそうです。

校長室に呼ばれたような緊張は味わせたくないのがその理由です。

まさにオモテナシズムを実践しているCEOですね。

また機会を見つけて、ヴァージン・ウェイについてはお伝えしたいと思います。

(YK)

参考;ヴァージン・ウェイ  R・ブランソンのリーダーシップを磨く教室 リチャード・ブランソン著 日経BP社

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競合と同じビジネスマナーで良いのでしょうか?

2016年4月5日

この時季、どこの会社も

そしてたいていの研修会社も

新人研修で忙しいのではないでしょうか。

 

入社が4月に集中する日本ならではの現象のひとつです。

私は転職を7回していますが

最初の企業でしっかりした新人研修を受けたことが

人生で非常に役立ちました。

 

人生一度の社会人スタートにあたっての大切な研修で

その中に必ずメニューにあるビジネスマナーですが

このビジネスマナー、考えてみれば

毎年毎年変わらない、旧態依然であることに少し驚きます。

 

身嗜みや挨拶から始まり

言葉遣い、名刺交換、報連相、電話応対

とやるべきメニューは20年も30年も

変わっていないようです。

もちろん、その年の新人の傾向はあるので

強弱つけるポイントは異なるのでしょうが

ご担当者の要望は

「しっかり厳しく教えて欲しい」

そしてこの要望は

驚くことに外国人従業員に対しても同じです。

 

一方、恐ろしい勢いでビジネス環境や社会の状況は

変化しています。

もちろん、マナーですから基本は変わらないのですが

本当に日本のビジネスマナーは去年と同じで良いのでしょうか。

 

例えば、前回のブログの話題にもした名刺交換は日本だけの習慣です。

将来、あなたの会社のお客様はずっと日本人だけなのでしょうか。

今、全く海外は関係ないとしても

この先、外国人と余儀なく付き合わなければいけないということはないのでしょうか。

あるいは、外国人社長がやって来る、

外資にM&Aされるということがないのでしょうか。

 

この社会のスピードと予測不可能なグローバリゼーションを

考えるとそれを教える側に立っていながら、ふと

ビジネスマナーは化石になるのではないだろうか

という気がして来ました。

もちろん、今、目の前にいるお客様や同僚と良好な関係を築くために

またこれまで引き継がれた日本の美しいマナーを残すために

基本のマナーを知ることは必要ですが

プラスしてもっと世界基準のビジネスマナーを

教えてもいいのではないかと思うのです。

 

人が会社を作る。

人はブランドを作ります。

オモテナシズムでは強調しているのですが

おもてなしの3原則

「しつらい」「ふるまい」「よそおい」

は企業イメージを作る、

「おもてなし」の徹底をすることは、言い換えればブランディングなのです。

 

あなたの会社の経営陣は

新人研修を人事にだけ任せていませんか。

またビジネスマナーはCA出身の人に任せれば良い

他企業との合同研修に送ればとりあえず安心していませんか。

だとすると心配です。

 

競合企業と同じメニューのビジネスマナーを教えていたのでは

差別化は出来ないかも知れません。

社員の所作一つ言葉ひとつそしてマインドそのものが

企業を作っていくのです。

皆さんが好きな報連相だって

ビジネスの根幹を作っていくと考えれば

その企業なりの方法があるでしょう。

 

もうそろそろ当たり前のメニューではなく

将来を見据えたオリジナルなグローバルな

ビジネスマナーを考える企業があっても良いのでは

ないでしょうか。

 

新しいビジネスのスタイルを指導するプログラム

早速考えて見たいと

帰り道、桜の道を歩きながら考えました。

 

オモテナシズムと一緒にあなたの会社のオリジナルな

ビジネスマナーを考えませんか?←これは宣伝です(笑)

(YK)

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名刺交換のマナーに自信がありますか?

2016年3月25日

名刺交換をあなたは正しく出来ますか?

 

ホテルのロビーや

ビジネスマンの多い会合などでは

頻繁に見かける名刺交換のシーンですが

案外正しい方法を知りたい

という方は多いようです。

 

たとえば頂いた名刺の扱い方。

頂いた名刺はすぐにしまうのか?

あるいはデスクの上に並べるのか?

並べる順番は?

などなど困っている方も多いようです。

 

この写真のように、複数枚頂いたら、

一番上位の方の名刺は、自分の名刺入れをクッションにして置いて

その他の方は下か横に席順で見やすいように

並べておくのが良いようです。

 

この名刺交換の様子は外国人には、面白く写るようです。

確かに名刺を見ながらお辞儀を何度もし合っている様子は

傍から見ると少し滑稽な場合もあります。

 

外国人の場合、初対面でいきなり名刺を出すと驚かれるし、

「いやー、僕持っていたかな、あ、あった!」と

ポケットから染みの付いたような名刺を出されることもあります。

通常は、挨拶をして最後に念のため、と言って出してくるケースが

多いようです。

もちろん、外国人でも日本に長く住んでいる方や予備知識のある方は

しっかり名刺交換の方法をマスターしている方もいますが

通常はそれほどこだわりはありません。

 

だから、私自身、名刺交換のルールについて指導しながらも

これってとっても日本的だなあと、ちょっと客観的になることも・・・

「名刺はその方の顔ですから胸から下に下げて持たないようにしましょう」

などと言いながら、

紙一枚を相手と思えと言って通じるのは日本人だからだですよね。

置き場所が上だ下だなんて、本人じゃないんだからそこまでこだわるのは日本的だなあ

心の中でつぶやいていたりしています(笑)

 

だからと言って、グローバルビジネスパーソンにはどっちでもいいんじゃないですか

とは言えないのがこの名刺交換です。

やっぱり日本のビジネスパーソンにとっては重要な儀式

のようなものだからです。

 

相手の肩書や立場を確認できる名刺交換は

敬語の使い方や座る位置まで変わる日本の文化では

最初になければ困るセレモニーなのかも知れません。

 

名刺交換のマナーを心得ているかいないかで

私自身、その人の会社の教育なり常識を見てしまっているところがあります。

まさに、たかが名刺交換されど名刺交換

日本とグローバルと文化の違いにはっとして

そして自分が日本人だと気付かされますね。

 

結論は

誰と会うか、どこ国の人と会うかで

やっぱり臨機応変に何でも心得ておきたいですね。

 

是非、オモテナシズムの動画サイトで確認してくださいね。

(YK)

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