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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

ジコチューと自己主張

2024年6月7日

ハスの花ジコチュー(自己中心)という言葉をとてもよく耳にします。

先週、某女子大のキャリア開発の講義に今年もゲストとして呼ばれて「ああはなりたくない大人」についてアンケートを取りました。

 

何故「ああはなりたくない大人」を尋ねるかというと、ビジョンや理想を聞いても答えが返らない人がほとんどだからです。

ビジョンを描く時代でもない、とも言われます。

だったら、逆を考えてもらおうというわけです。

多くの回答が集まりましたが、回答に多いのが、

・自分のことしか考えられない人

・全て自分中心の人

・協調性のない人

ジコチューな人

全体的に「ジコチュー」を始めとする他人に迷惑をかけない、他人に嫌われる人にはなりたくないと思っているようです。

それは当然で良いことです。

 

女子大生に限らず、日本人は昔から「世間体」を気にします。他人の評価が道徳基準になりがちです。

皆に好かれたい、嫌な人と思われたくない。

大切なことです。

しかし、最近、モラハラだとかカスハラだとか日々耳にするにつれて、自分が加害者になってはしまわないかと、さらに発言に慎重になってしまう人も多いでしょう。

 

女性の多くがどのような働き方をしたいかと尋ねると「自分らしくいきいきと働きたい」という答えが多いことは毎回お伝えしています。

しかし、自分らしく、と思いながら他人の評価を気にしている、

となると自己矛盾してしまいます。

他人の思惑が気になって、意見が言えない、自己主張出来ない、生きにくい世の中です。

特に女性にその傾向が多いのは何故なのでしょう。

 

様々な脳科学の本を読んで調べてみました。

ローアン・ブリゼンディーン博士*によると、最初は同じ脳を持っている胎児が、受胎後8週目にテストステロン(男性ホルモン)を浴びることで男性と女性を分けるそうです。

テストステロンは勝利をすることや自信、攻撃性や筋肉をつけるのに対し、それを浴びていない女性は情動をつかさどる脳を発達させて、共感力やコミュニケーションを発達させていくそうです。

情動の発達している女性は、周囲が気になり共感力を磨いていきます。

 

だから、周囲が気になるのは女性の共感力がなせる業、特性なのです。

ではどうしたら、それを乗り越えて自己主張できるようになるのでしょうか。

今回私は、女子大生たちに「健全なジコチューを目指しましょう」と伝えました。

 

自分の都合や好み、自分に有利に事を運ぶための主張だったら確かにジコチューです。

しかし、組織のために貢献するためのアイデアだったり、自分の信念に基づいた主張だったり、誰かのための発言であったりしたら

その主張をジコチューとは言えないでしょう。

自分が正しいと思うこと、やりたいことは主張しなければ他人任せの人生になってしまいます。

 

逆に言えば、自分は同意できないと思っていながら他人に嫌われることを恐れて沈黙していたら、もっと良いアイデアを持っているのに提案しなかったら、それはジコチューです。

会議で、責任を取りたくないから発言しないのは、ジコチューです。

実はこの手のジコチューもかなり組織にははびこっていますね。

 

ジコチューを検索していたら、乃木坂46の「ジコチューで行こう!」という曲を見つけました。

皆に合わせるあけじゃ

生きている意味も価値もないだろう

やりたいことをやれ

ジコチューで行こう!

 

こんな曲があるというのは、皆分かっているのですね(笑)

(YK)

参考資料 「女性能の特性と行動」~真相心理のメカニズム~ ローアン・プリゼンディーン著*

主張する女性はかっこいい

2019年12月22日

サンタクロース最近、テレビのニュースキャスターのメインを女性がつとめているケースが増えています。

やはり女性のほうが華やかで、視聴率が取れるからかなと思っていたのですが、見ているうちにそれとは別のメリットに気が付きました。

女性がニュースを伝えるとき、男性キャスターより、より怒りや共感がストレートに表れていて好感が持てると感じるのは私だけでしょうか。

女性は、何かを伝える裏に自分の思いを込めずにいられません。その長所が効果的に発揮されていると私は感じています。

 

今年はこのコラムでは、女性の改善すべき癖を取り上げてきました。その中にも「自分の成果を主張できない」そして「感情的すぎる」という習慣がありました。

 

気持ちを率直に伝えることは相手を動かす力もあります。重要なのは、その主張が自分のためだけ勝手な自己主張ではなく、皆が知っておくべきこと、皆のために発言すべきことであるかどうかなのではないでしょうか。

では、自分の成果は?と思われるかも知れませんが、自分がやったことも他人に共有すべきことであることを忘れないでください。

 

相手にきちんと伝えるためには、感情的であってはいけないけれども、そもそも、すべての人間の行っている社会活動の裏には、腹が立ったり、悲しかったり、嬉しかったり、という何かしら、感情があるはずです。

仕事は、そもそも自分にとっても誰にとっても幸せに人生を生きていくための手段なのですから、感情は隠すべきものではなく大切にするものですよね。

それを相手が動くように冷静に伝えるということが必要なのです。

 

 

社会でも、今年は、多くの声をあげる女性を目にしました。

環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん、香港の民主運動リーダーのアグネス・チョウさん、性暴力被害の民事訴訟で勝訴したジャーナリストの伊藤詩織さん。

 

主張に賛同する人しない人がいるでしょうが、怒りや疑問を真摯に訴える彼女たちの言葉には心打たれます。耳を傾けようという気持ちになります。

彼女たちの発言はテレビの国会で目にするような男性たちの、曖昧でどうとでも取れるようなものではありません。自分の身を挺して、思いを伝えたいという姿勢が見えます。

 

それと比較すると、仕事場での発言は、注目を得るわけでもないし会社に大きな影響を与えるほどのことでもないかも知れません。しかし、働いている以上、自分が感じていること、考えていることを意見として出すことは義務であり責任です。

だから、遠慮なく、仕事で職場でも心に引っかかるものや、思いがあるのであれば発言していきましょう。

それが住みやすい職場や環境を作っていくのではないでしょうか。

来年はLet’s speak out !

(YK)