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Columnコラム

禅式思考とストレングスファインダー

2025年7月18日

松島

私の周囲には(というとコーチングや人材育成関連の方々なのですが)「禅」を勉強し得度した人や「禅」を実践している人が多くいます。

 

デジタル社会に疲れた人たちに「必要な習慣」として「禅」や「マインドフルネス」がもうずいぶん前から注目されています。

 

 

多くのタスクやミッションに追われる人たちにとって「手放すこと」「執着を捨てること」を意識することが大切であり、禅式思考が効果的だと言われています。

手放せは新たなものが入ってくる。

特に日々、時間に追われて働いている女性には取り入れたい思考法かも知れません。

 

一方、「執着」することはマイナスなのだろうか、とも実はずっと考えています。

執着する気持ちがあるからこそ、生きる活力が生まれるのではないだろうか。

そもそも子供の頃教わったことは、簡単にあきらめないこと、継続すること、だったはずと思うのです。

一概に「昭和的」と言っていいのでしょうか。

 

もう少し単純な例でいくと、物を整理する断捨離が良いとする風潮。

確かに、すっきりした部屋でシンプルに暮らせば、面倒くさくないし心も軽くなりそうです。

でも、これも日本人は物を大切にするのが美徳、と言われていたのではないか。

捨てることを奨励するって、そしてそれを転売するって、その手間こそ私にとっては面倒です。

 

そんな折、知人のコーチからストレングスファインダーというギャロップ社の診断ツールを使ったコーチングを受けました。

この診断では、強味を34個に分類して示し、強味のトップ10を教えてくれます。

 

そしてそのTOP10の私の強みの一つに「収集心」があるのを知りました。

「好奇心を持ち、情報、アイデア、芸術品、人間関係も含めて収集し保管する」

確かに私は一度始めたことはやめない、あきらめない。

実を結ばなくても、使っていなくても、捨てるのが苦手です。

知人はコーチングのなかで

「様々な収集を行っているからこそ信頼性の高い情報に基づく判断を下したり

アウトプットをすることが出来る!」

収集することは私の強みだった!

コーチに認めてもらい心が楽になりました。

 

断捨離できず増え続ける書籍や印刷物、アルバムの数々、

腹をたてても縁を切らない人間関係、

私にとって捨てられないのは、それも含めて未来へつながるものだと気づいて腹落ちしました。

 

一方、ここ数年、私がやっていて気持ちの落ち着く時間が3つほどあります。

その一つが書道。

もう20年以上、字の上達が目的ではなく、また展覧会に出すことをするわけでもなく、

ただひたすら経文(般若心境だけではなく)や石碑に残された古人の隷書、草書、楷書などの写しをお手本に毎月数枚を仕上げています。

 

賞を目指すわけでもなく、誰かに見せるわけでもなく、それでも長く続いている理由、

それは、上手になりたいという「欲」がない、ただ書くことが楽しい、だから継続しているのだと最近気づきました。

まさにこれは禅的。

 

もしかすると企業のおいても、意味のないことを一生懸命やる時間、を取り入れるのも良いのかも知れません。

かつての日本の会社や学校では、掃除をする時間、がそれであったのかも知れません。

 

さて、私はさらに、茶道のお稽古、禅リトリートと全て気づけば禅的活動が増えています。

そしてそれらを手放すどころか活動を「収集」継続しています。

執着を捨てようとして始めたことに執着して、ますます忙しくなる、

しかし終わった後の爽快感は、スポーツにも似ています。

これも人間らしいことなのかなと納得しています。

 

禅の視点を取り入れたセミナーを開始します。是非一度、ご参加ください。

(YK)

 

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ドーハの空港から見えたこと

2025年3月16日

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先月カタールのドーハへ行く機会がありました。

成田空港からの便を利用したのですが早く着いてしまい、イスラムの国へ行く前にとんかつを食べようと思ったら空港のレストランはどこもインバウンド客で行列。

仕方なくセルフサービスのファミレスのようなところへ入りました。

 

店内は空いてはいたのですが、食べ終わった後の皿が置かれたままで、床も汚い。スタッフがいることにはいたのですが、外国人の若い男性と女性がモップ片手にお喋りに夢中。

人手不足が起こす結果をまさに表していました。

 

日本と言えば、かつては清潔で衛生的な国であったはず。成田空港のトイレでは、誰かが使ったティッシュペーパーがシンクの横に置かれたまま、清掃が行き届いているとは思えませんでした。

羽田空港は今でも世界一きれいな空港と言われているようですが、最近は香港ですら空港のトイレはかなりきれい。

そしてドーハの空港は新しいということもあるけれど、トイレは清潔に保たれ、入国審査前のカフェも頻繁にモップをかける従業員がいました。

 

そして飛行機。

最近、中東御三家と言われる、エミレーツ航空(ドバイ)、カタール航空(カタール)、そしてエティハド航空(アブダビ)が高い評価を得ています。

今回、私はカタール航空のエコノミークラスだったのですが、久しぶりに手抜きのないサービスを受け感心ました。

手抜きのないとは、いろいろあるのですが、例えばメニューであれば日本の航空会社だとメニューをお客様の前に突き出して指差しさせたり、外資系だと「チキン?ビーフ?」で済ますところを、「Chiken Ravioli with Sauted vegetables」 のようにメニューの名前をきちんと一人づつに伝えています。

これは、結構、CAを経験したものにとっては結構大変な手間だということは分かります。そしてパンも暖かく飲み物も待たされることがなく速やかに来ます。

 

そんなことは大したことではない、と思われるかも知れませんが、かつては日本の航空会社はもちろんのことアジアの航空会社が常にトップランキングに入っていました。

かつてはアジアの航空会社もフルコースでしていたサービスが、段々、手順が短くなっているのに対して、実に正統派のサービス。

ビジネスクラスやファーストならさらに素晴らしいのでしょう。

いつか乘りたい(笑)

今は中東御三家が注目されるわけを垣間見ることが出来ました。

 

そこで気づいたのは、やはりお金のあるところに人は集まる。

人が集まるからサービスも良くなる。

そこへ行く航空会社も潤うから発展する。

脱石油をかかげて世界の中継地点としてあらたな都市づくりに取り組んでいる中東が

世界の中心になりつつあることを肌で感じてしまいました。

日本はやはり極東、と意識した出張でした。

参考:「第三世界の主役「中東」」 石田和靖著 (ブックダム)

(YK)

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勝ちたがるクセありませんか?

2025年2月7日

椿相手に共感したり承認したりすることが大切であることは、多くの方が知っているでしょう。

でも、日々、皆さんの周囲にはこのような会話がありませんか。

 

「喉が痛いときには、ハチミツを舐めるといいみたいよ」と言われて

「ああ、知ってる。毎日舐めてる」と答えた。

 

別にそれだけの会話ですが、教えてくれた相手を少しがっかりさせたかも知れません。

何故なら、相手は知識をひけらかしたかったのではなく、心配して言ってくれているからです。

友人同士であればまだ良いけれど、仕事で部下や後輩からの提案にそう答えていたら

「もう二度と教えてあげない!」と相手は思うかも知れませんね。

 

「極度の負けず嫌い」

コーチングの権威マーシャル・ゴールドスミス博士は名付けています。

何を犠牲にしても、どんな状況でも、まったく重要でない場合でも勝ちたいと思う気持ち。

負けたくない。

この場合、ささいなアドバイスを知らない、さらに「知っているということを誇示したい。

些細なエゴです。

 

そこをぐっと押さえて会話の間に一言いれるとかなり異なった印象になるはずです。

「ありがとう。そうなのね」

自分が既に知っているかどうかは、言わなくてもいいのです。

何故ならこの会話で大切なのは、あなたが相手の心配してくれる気持ちを受け取ることのほうが大切だからです。

 

「今週末、トレッキングに行く予定なの」と言ったら

「ああ、私は興味ない」と答えられた。

 

自分のうきうきした気持ちや楽しみをちょっと共有したかったのであって、相手を誘っているわけではないし、興味を聞いているわけでもなかったのに、この返答では白けてしまいます。

なんだか自分の楽しみをけなされた気がします。

 

「わあ、素敵ね。晴れるといいね」でもいいですし

「どこへ行くの」と興味を示してあげれば相手は、自分の気持ちに共感してくれたと満足なのです。

 

単純なことなのに、誰にでも「自分は知っている」「自分は相手に迎合したくない」というエゴがあります。

相手の言葉を素直に受け取らない、同意しない。

昨今、多様性は重んじるということが重要視されています。

自分とは異なる人の気持ちを承認する社会が多様性のある社会です。

自分は違う意見や考えを持っていても、まず相手の発言は受けとめることは大切です。

 

難しいと感じる方は、ただ相手の言葉を繰り返してみてください。

「はちみつがいいのね」

「トレッキングへ行くのね」

それだけで相手は聞いてもらえたことで安心します。

あなたが知っているかどうか、興味があるかどうかはここでは関係ないのです。

 

是非、相手のつぶやきに自分の良し悪しを押し付けないように、頭の片隅に置いておいてください。

(YK)

参考「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」 マーシャル・ゴールドスミス著(日経ビジネス人文庫)

 

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大切な人の話に耳を傾ける

2024年12月24日

また来てケロじゃ

また来てケロじゃ

コーチングのスキルの一つに「質問」があります。

目的は「考えさせるため」「気づきを促すため」です。

が、日常会話においては、自分の関心あることへ話をもっていくための「話題提供のための質問」というのもあります。

 

先日、出張先で空港からタクシーに乗ったときのこと。

運転手さんは乗るや否や「お客さん、どちらからですか」と聞いて来ました。

「横浜です」と答えると、運転手さんは我が意を得たり、というように嬉しそうに

「わあ、横浜ですか、うちの息子が今年の春から横浜で一人暮らしを始めて、、、」という話が目的地まで延々続きました。

息子の住む町から来た私にこの話が出来て嬉しかったのでしょう。

東京方面から着いた私の出身地を聞いたら、ズバリ「横浜」だったので話が止まらなくなったのだろうと、ほほえましくなりました。

 

翌日は隣の県へ移動。県庁所在地の町の大衆的な食堂で昼食を終えお勘定をしようとすると、隣の席にいた年配の男性が「どこから来たの?」と聞いてきました。

「横浜からです」と答えると、彼は最近、町内会の旅行で横浜へ行ったこと、港の見えるホテルに泊まり中華街へ行った時の感想を延々と語り始めました。

東京からと言えば、東京の話題になったのかも知れません(笑)

いずれにしても彼もまた、思い出話を共有したかったのでしょう。

 

石川啄木の短歌にある逆バージョン。

“ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく”

(ふるさとの訛りが懐かしくてふるさとからの人の集まる駅(上野駅)に行く)

自分の思う人のいる場所から来た人と話がしたかったのかも知れません。

私に興味があっての質問ではなく、自分の話へもっていくための質問でした。

 

全く私に関係のない話でしたが、ふむふむと聞いていると、運転手さんも食堂の隣席の男性もとても嬉しそうでした。

いいことをした気がしました。

 

あれ、こういう経験ってしたことある気がします。

子供の頃、お正月に久しぶりに会った親戚のおじさんがあれこれ聞いてきて、そしていつの間にか自分の話になっていて、いつ切り上げようかと面倒だったこと。

誰にでもありませんか。

忍耐強く話を聴けるとは、自分も成長したものだと思います。

 

相手の話したいことを傾聴するのは、忍耐がいるものです。

しかもそれが自分には興味のないことや、全くつまらない話であったらなおさらです。

上司や先輩やお客様だったら、仕事だから我慢できます。

でも一年に一度しか会わない人との、ほっこりした人間関係にも欠かせません。

人は誰でも他人の話を聴くよりも話すほうが好きです。

 

お正月、様々な方に会う機会、「ああその話知ってる」「私はこうだ」と反論したり自分の話に持っていかずに傾聴の練習だと思って、じっくり聴いてあげてください。

ほっこりしますよ。

きっと何よりのプレゼントになるはずです。

(YK)

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自信は自己評価

2024年11月1日

タヌキは化ける

狸は化ける

「私、(手術を)失敗しないので」

と言い切る女医を主人公としたドラマが流行りました。

なぜ人気が出たのか、なぜなら多くの人が「失敗しない」と

言い切る自信を持ちたいものの、なかなか持てないからではないでしょうか。

中々、自信を見せるのは勇気がいります。

失敗したらどうしよう、

図々しいと嫌われないだろうか、

自分の実力を信じないとなかなか言えない言葉です。

 

でも「自信がある」と見せるか見せないかでは、仕事に重要な影響を与えます。

「自信がある」と断言すると、自信過剰だと思われるかもしれない。

でも「自信がない」と言うと、他人は不安になります。

 

実は、自信は自己評価です。

自分が感じとっている状態です。

自信=実力ではありません。

自信があるからといって実力があるとは限らない。

 

でも、「自信がある」ように見える人は、他人からは実力があるように見えます。

実力があるのに「自信がない」という人は、実力がないように見えてしまいます。

 

そして「自信がある」人に人は仕事を任せたいのは明らかです。

しかし、実力があるのに「自信がない」というのは悪いことばかりではありません。

なぜなら、謙虚な人だと人間性を評価されるからです。

 

 

最近の日本の男女の意識はかなり小さくなったとはいえ、国連からあれこれ指摘されるレベルがいまだに続いています。

若い世代の意識に関わらず、かなりマッチョな組織文化がいまだに多くの日本の組織にあるのが現状です。

それが「自信」とどのような関係があるのかというと、「男性は強くあるべきだ」というバイアスが

男性に「自信がありません」と言いにくくさせてはないでしょうか。

一方、女性は「私、自信があります」とは言いにくい。

謙虚さが美徳の傾向がビジネスの上でも相変わらずあるからです。

 

結果、実力はなくても声の大きい男性が昇進し、実力があるのにいつまでもアシスタントの女性が出来てしまいます。

 

実力とは別の話で経験がないから「自信がない」という人もいます。

しかし、人生は日々初めてのことだらけです。

過去に経験したことを応用して生きていると言っても

過言ではない気がします。

自分の応用力を信じてもいいのではないでしょうか。

 

期待をかけられたら、自信があるふりをしてみてください。

チャンスが来ないなら、自信があると宣伝しましょう。

SNSで自己演出しているように、仕事でも「出来る私」を演出しましょう。

自信を持つと経験が増えてくる、経験すると実力がついてくる、はず。

そして本当に実力がついてくると、謙遜しても他人には分かるようになるものです。

 

「私、失敗しないので」

言い切ってくれる人を、人は求めているような気がします。

自信を持つことは自分のためだけではないのです。

(YK)

関連セミナー↓

https://www.businesscoach.co.jp/seminar/s230302.htm

参考図書 「自信がないという価値」トマス・チャモロ=プリミュージック著(河出書房新社)

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違和感を覚えるとき~オーセンティック~

2024年10月11日

虎に翼違和感を覚えるとき。

地球の環境は大切だと常日頃口にしている人が

自分でオーダーした食事を残したとき。

 

本物志向と言っている人が

ブランドのコピーのバッグを持っているのを目にしたとき。

 

多様性を目指す会社のダイバーシティ推進室が女性だけで構成されている

と知ったとき。

 

社員は人材ではなく人財だ、と言っている企業の社長さんが

「一般社員とミーティングする暇はない」と言うとき。

 

「はて?」

違和感を覚えます。

 

それぞれに事情はあります。

私もしばしばやってしまっています。

 

「ダイエット中なのにデザートを食べてしまった」

「今日から英語の勉強をしようと思ったのにやらなかった」

というのであれば、これは自戒を込めた笑い話になります。

が、日頃、口にしている価値観や、

HPにうたっている企業の理念やビジョンと異なる行動をしている

言行不一致。

本人が気が付かないでやっている様子を見たときの違和感は、信頼への致命傷になります。

 

この違和感を覚えたとき

企業であれば消費者はそっと離れていくかも知れません。

政治家は批判され、判断されます。

しかし、残念なことに、個人については他人は指摘してくれません。

そして本人はどこまでも気が付かない、、、

 

オーセンティックリーダーという言葉があります。

Authentic.

本物であること。

オーセンティックリーダーとは、

自分を偽らない、どこまでも自分のままであるリーダー。

 

「自分らしくある」というのは

「素の自分」「飾らない自分」「自分が心地よい自分」を通すことではありません。

「どこまでも、どんなときでも自分の価値観に忠実である発言と行動をする」

リーダーです。

 

このオーセンティックリーダーというリーダーシップについて

最近の政治家たちの動きを見て、ようやく理解することができました。

あくまでも自分の信念に忠実な言動と行動を守ることは、組織の諸事情のなかで

生きている私たちには大変難しいことです。

が、そういうリーダーについていきたい、と人は思うのですね。

 

冒頭にあげた例も、本当に心からその人がそう考えているのであれば

方法はいくらでもあるはずです。

他人はそこを見ています。

価値観を守るということは、自分に厳しいことに他ならないと感じています。

(YK)

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質問を変えて意見を引き出す!

2024年9月13日

香港夜景批判されるのを怖がり発言をしない、会議では黙っている人が多い

という話は今も昔もよく組織の問題点として耳にします。

最近に始まったことでもなく、企業差ももちろんあるのですが、

傷つくことが怖い、自己中心と思われたくないというある意味「他人への配慮」が

その傾向を加速している要因でもあるようです。

 

先月、久しぶりに香港で外国人ばかりのミーティングに参加しました。

ヨーロッパの人たちと香港、台湾、中国のひとたちにまじって日本人は私一人。

久しぶりの完全アウェイで2日間を過ごしました。

日本語で話すときと、英語で話すときとでは、自然に被る仮面を変えています。

ちょっと日頃の日本人の自分を捨てないと、英語の世界ではうまくいかない。

この違いが非常に脳みそをリフレッシュしてくれました。

 

さび付いた英語ですが、英語になると意志が全面に押し出されるので不思議です。

もともと意見ははっきり言う方ですが、それでも周囲の空気を読んでいます。(これでも)

 

長い経験で、外国人の間で発言をしないと「意見を持たない人」「出来ない人」として見られることを

痛いほどわかっているので、スイッチが変われば私も発言します。

日本語とは違って頭の中でシナリオを考える前に「I think,,,」と気が付くと話し出している図々しい自分に気づきます。

言葉が詰まっても一生懸命に聴く姿勢を見せるのもまた、外国人の特徴です。

だから、とりあえずは懸命に私見を述べることが出来ます。

 

そして彼らはほめてくれる!

最初に発言すれば「口火を切ってくれてありがとう」とねぎらいの言葉。

もちろん、コーチの集まりなのでコミュニケーション力は高い人達なのですが、それでも誰もが意見を話すことで貢献するのだ、という意識が徹底されています。

「英語上手ですね」は日本人が外国人が少しでも英語を話すと「日本語上手ですね」というのと同じレベルに関わらず社交辞令ではなく、ほんとに感心してくれているのだと今回気づきました(笑)

つまりそれだけ日本人は英語を話す人が少ないということですね。

 

さて、今回のミーティングで私がたまたま「How do you feel  about it」(それについてどう感じますか)という表現で意見を求めたとき、

スイス人のファシリテーターから、「Feelを使うのは会話を発展させるいい質問だね」と誉められました。

私の頭のなかでは「どう思いますか」のニュアンスだったのですが、意識せずFeelと感情を尋ねていたようです。

 

試しにChatGPTで「どう思いますか」の英訳を可能な限り多くあげてもらいました。

  1. What do you think?   ど思いますか?
  2. How do you feel about it? これについてどう感じますか?
  3. What’s your opinion?   あなたの意見は?
  4. What are your thoughts?  あなたの考えは?
  5. How do you see it?     どう見ていますか?
  6. What do you make of it?   どう理解しますか?
  7. How do you perceive this?  どう受けとめますか?

 

まだまだこの後も続いて、こんなに表現があるのだと気づきました。

「あなたの意見は」「どう考えますか」という質問は意見を求めていますが、「どう感じますか」であれば、聞かれた相手は感じることを話せばいいので、良し悪しを判断される心配なく好きに話せます。

意見を引き出そうとする質問は、とかく相手が考えを持っていない場合には沈黙になってしまう。

感じたことや感想を尋ねれば、感じたことを発言すればよいので、前準備入りません。

 

あたり前の質問を英語で考えてみて、それをまた日本語に戻すとバリエーションが出来そうです。

ChatGPTを活用して自分の質問のバリエーション増やしてはいかがでしょう。

 

そして拙い意見でも誠意を込めて最後まで訊く姿勢、発言した事実に感謝を示すことを忘れないでください。

(YK)

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人生を逆算して考える~今年の新人の傾向~

2024年4月16日

ベイブリッジへの道自分の未来は自分で築く!「セレクト上手な新NISAタイプ」

産労総合研究所による今年の新人の傾向だそうです。

タイパ(時間効率)を重視し正解や最適解を求めて、目標を定めると集中をする傾向。

 

自分なりのキャリアビジョンを定めていて、選ぶ会社も「どのような社会貢献をすることができるのか」という点から

見ている、こだわりを持って会社を選んだ学生が多いそうです。

だからこそ、見切りをつけるのも速い傾向があるそうです。

 

そういえば皇室の愛子さまも今年の新入社員のひとりです。

早くから「困難にある人を助けたい」という思いを強く持ち日本赤十字社で働くことを選ばれたと報じられています。

海外留学よりもビジョン達成への道を踏み出した愛子さまは、2024年の新人らしいのかも知れません。

 

もちろん、2024年入社だからといって一人ひとりを見れば異なる人格があり、

タイプでひとくくりに表すとそれがバイアスになって決めつけてしまう危険性もあります。

 

が、今年私があった新入社員を観察していると、なるほどと思う点が多々ありました。

 

例えばキャリアビジョンについて新入社員たちに考えてもらったときのこと。

「ビジョンがあれば逆算して今やるべきことが明確になる。便利ですね」

という発言が飛び出しました。

便利なツールとしてビジョンをとらえてしまうことにびっくりしました。

が、それはまさにある意味正解です。

 

というのは、毎回、ご紹介するコーチングの神様、マーシャル・ゴールドスミス博士は

「ビジョンは達成できなくても良い。それに向かっていくことで日々が充実する。幸せはビジョンに向かう過程にある」

と言っています。

ビジョンがあれば、行動が決まり日々が充実するからです。

 

一方、今年の経営陣はと言えば、4月1日の日経新聞の一面には「社長が夢を語り始めた」という記事が載っていました。

・・・引用・・・

バブル崩壊にリーマン・ショック、東日本大震災。相次ぎ危機に直面した経営者はリスクを避け、成長に向けた投資よりもコスト削減による利益の確保が習い性になった。冒険しないことが是とされ、夢を描けなかった。それが今、稼ぐ力や株価が上がり、未来を見据えて夢を語り始めた。

・・・・・

 

この6,7年、企業研修や公開セミナーで価値観を尋ねると、

「何か新しいことにチャレンジするより自分や家族が平和で幸せであれば良い」

という人達が年々増えていました。

いわゆる内向き。

 

何もかもが不安な時代、家族や自分を一番に考えることは悪いことではないとも思うけれど、

社会の平和や所属する組織の繁栄なしに自分の幸せも保障はされないのに、個人最優先では組織も経済も縮んでいってしまうのでは。

どちらか一方ではなく「ともに」あることが大切なのではないでしょうか。

 

経営者たちが夢を語り始めたことで、社員たちも夢を持ち始めることができるでしょうか。

円安物価高と不安はつきないものの、賃上げや金利政策解除で再び肉食系若者は生まれるのでしょうか。

夢を持って前へ進まないと会社も日本もますます後退してしまう。

仕事に夢が持てるようにという思いで、新入社員研修に臨んでいます。

 

タイパコスパを重要視する若者に「タイパが悪いから付き合わない」と言われないように、自分の夢を語り一緒に冒険が出来る大人でありたいと思います。

(YK)

参考:産労総合研究所「新入社員情報局」より

日本経済新聞4月1日記事より

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リマインダーの効果

2023年12月26日

遅刻できない朝、私たちは目覚まし時計やスマホのアラームをセットします。Alice

誰もがもっとも頻繁に使う「リマインダー」ではないでしょうか。

リマインダーとは忘れてはいけないことを思い出させる機能や装置です。

他人との約束や仕事の納期についても、手帳やスマホのカレンダーになんらかのリマインダーを設定する方は多いでしょう。

しかし、自分自身との約束にリマインダーを設定する人は多くはいないのではないでしょうか。

 

さて、ちょうど今日、昨年の12月26日から365日間、私はフランスと中国語を連続、毎日継続学習することが出来ました。

毎日、必ず短い日で3分程度、長い日は30分くらいの学習ですが、継続できた!

これは私にとっては快挙です。おかげで中国語の語彙が増えて達成感を味わっています。

 

何故継続できたのか。

その理由は、外国語学習アプリのリマインダー機能にあります。

毎日、何度もしつこいくらい、スマホにアプリのマスコットが「ねえねえ、時間ないの?」「今日はまだ勉強していないよ」とメッセージが送られてくるので、無視することが出来ません。

仕事が山積みの日も、時差のある旅行中も、楽しい飲み会の最中でもリマインドされるので「あ、やらなければ」と学習してしまいます。

リマインドされると、案外、隙間時間があることに気づき、SNSや意味のないネットサーフィンに費やす時間も激減しました。

 

コーチングの神様マーシャルゴールドスミス博士は、何かを実現しようと思ったらリマインドしてくれる人を持つことが必要だと言います。

語学に限らず、ダイエットにしても自分がやりたいと思っていることを継続するためにリマインダーは不可欠です。

 

年末年始、新年への決意を新たにするとき、年頭の決意とともに是非、リマインダーを設定してはいかがでしょうか。

私がやっている方法は、毎月の決意を書いた美術館や旅先で集めた絵葉書をPCの横に置くこと。

その月の「やるべきこと」に関連づけた絵葉書を選ぶことで、絵葉書を目にすると自動的にリマインドされます。

実行できなくても、思い出すだけで「やらなくては」と背中を押してくれる効果があります。

そして目標は、筆ペンで書いています。ある意味儀式です。

このプロセスが自分へ決意を植え付ける効果があるようです。

皆さんも是非、自分なりの簡単だけれど確実なリマインダーの方法を見つけてください。

 

そして、もしあなたが組織のリーダーで自分の思いをチームに浸透させたかったら、年頭の挨拶だけでは十分ではありません。

朝に夕に、言い続けること。毎週のミーティングだけでは人は忘れます。

リーダーの言葉がチームへのリマインダーになります。

 

忙しい現代人は、すぐ、本当にやるべきことを忘れてしまいます。

リマインダーを設定しても、出来ない日も忘れる日もありますが、ネバーマインド!

目指すものがあること自体が幸せ。

その実現に向かい努力するプロセスが生きがいではないでしょうか。

もし、目標に向かい続けることが出来そうにないと不安だったら、伴走してくれるコーチを付けるのも一つの手です。

必要な方は、私も喜んでリマインダーになりますよ。

(YK)

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察する前に尋ねましょう

2023年11月19日

airfranceアメリカ人と仕事を一緒にする機会がありました。

そのアメリカ人に指摘されたのは、日本人の表現は否定的だということ。

仕事中に少し皆が疲れを感じてくる頃に私が「がんばりましょう」と声をかけると、ほらそれは否定的な表現だと指摘されました。

「頑張る」は今が辛いのを前提としている、そうではなく「楽しくやりましょう(Let’s enjoy) 」のほうが肯定的だというのです。

褒められたときに「まだまだです」というのは否定的。「ありがとうございます」のほうが肯定的。

「御迷惑おかけしますが」よりは「良いチームにしましょう(We are going to be a good team)」

「お疲れさまでした」よりも「ありがとうございました」

確かに私が外資系航空会社で働いていた時代、「Let’ enjoy flying  !」とフライト前に声をかけていました。

日本人は疲れる前から「お疲れ様です」が挨拶言葉になっていますよね。

 

しかし日本人との会話ではついついいつもの言葉を使う私に、そのアメリカ人が「ほらまた日本人の癖」と指摘してくると段々反発する気持ちが生まれて来ました。

確かに英語のコミュニケーションではそうだけれど、日本人の謙虚な文化はそれほど悪いのだろうか、日本が否定されているようで不愉快になって来ました。

自分を下げて相手を上げる。謙譲語を使いなれている私たちの文化であって、それが日本人には心地よい、まさに「日本の文化」だと思うのです。

いくら多様性と言っても築いてきた文化を変える必要はないのではないか。

大切なのは、英語のコミュニケーションと日本語のコミュニケーションではマインドセットが異なるということを知っておくことだと思います。

 

 

もう一つ、日本人の特技であり外国人に不可解なのは「察しの文化」です。

察してもらえることを前提として主張しない。訊かないで察しようとするコミュニケーションの形です。

これも謙虚さから生まれる行動であり、お互い、察する側も察してもらう側も、相手の考えがあるのに先に主張してしまっては申し訳がないという相手への思いやりから発達した文化です。

お茶会で、お互いを察して物事を進めていくことから生まれた文化です。

主張をする以前に相手はこちらのことを考えてくれている、という美しい前提にたっています。

 

 

しかし、多様な時代、これは外国人だけではなく日本人同士であっても成り立たなくなってきました。

価値観の異なるもの同士、言わなくては通じない、訊かなくては分かりません。。

 

先日、フランスを訪ねて気づいたことがありました。

フランス人はこちらが何か言おうとすると非常に辛抱強く待つ、ということです。

私がにぎわっている店でチーズをお土産に買おうとして、数多くのなかから何を選ぶか、どのように包装してもらおうか、長い時間商品ケースの前で悩んで言葉を詰まらせていたのですが、気がつくと店員はじっと待ってくれているのです。

ホテルのフロントでも同じようなことがありました。

こちらの言葉を尊重しようとする。そして意味が通じないと質問をする。途中で想定して勝手にことを進めたりあきらめたりしない。ちゃんと向き合ってもらえたという心地よさを感じました。

尊重されている、と感じました。

相手へのレスペクト。

私たち日本人はすぐ「察しよう」とします。

むしろ外国人に対しては言葉が通じない相手には、この人何が欲しいんだろう、何を言いたいんだろう、察して動こうとしてしまいますがそれが必ずしも正解とは限りません。

個人主義のフランス、言葉を大切にする国だけあって「聴く」と「尋ねる」ことで相手の意図を尊重することが習慣化されていることを感じました。

 

肯定的な表現を使うこと、自分の意見を言うこと、これは公平で活発なコミュニケーションの鍵となります。

実は、自分を肯定すること、意見を言うこと、この二つは企業で働く女性に苦手な人が多いのも事実です。

なぜなら、自分に自信がないとこの二つはなかなかできない。

そもそも自分の意志や意見が自分自身で整理できていなければ主張できない。

日本人に限ったことではないようですが、女性の多くの課題が自信がないことだからです。

 

皆さんの周囲では活発なコミュニケーションが行われていますか。意見が出て来ますか。

是非、周囲の人から意見が出てこないのであれば「尋ねる」習慣を取り入れましょう。

「あなたはどうお考えですか」「何が必要ですか」とこちらから尋ねる。

そして辛抱強く待ちましょう。

勝手に察しようとするのはやめましょう。

相手の気持ちを引き出す双方向の良い会話ができるはずです。

(YK)

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