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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

男性も進化する

2020年6月30日

アジサイ水色小花仕事が終わると皆さんは何を思い浮かべますか。

先日、セミナーに参加して下さった大手企業の30代の営業マンのAさん。最近シングルファザーになったそうで、自分が子育てをするようになって一番変わったことは、仕事が終わる17時半になると冷蔵庫の中身を思い浮かべるようになったことだと話してくれました。

 

「何があったかな。何を食べさせようか」と小さい子供にご飯を食べさせることは、一日のもっとも重要な仕事だと感じているそうです。それまでは、そんなことは思ったこともなく、営業マンとしてバリバリと仕事ばかりしてきた自分の変化に驚いているようでした。

 

「子供に飯を食わせなきゃいけいない」それは彼にとっては経済的なことだけではなく、実際に自分が世話を焼かなければ子供は飢えてしまうという強い責任感を感じるようになったことは、自分でも好ましいことととらえていて、リモートワークは彼にとってはさらに良い機会となったとか。

 

きっとAさんは、それまでは家事をパートナーに頼っていたのでしょうね。新たな価値観を発見し、きっと女性の気持ちが分かるようになったのではないでしょうか。

 

とはいえ、女性だからと言って夕方になると家族のことを思い描く人ばかりではないでしょう。大切なものは人それぞれ異なります。女性だからきっと家族を優先するだろう、というのも思い込みです。人はそれぞれ異なる事情を抱えて、異なる思考や欲求を持ち、それが抱く感情の違いになります。

 

私たちの祖先は生き残るために感情を身に着けてきたそうです。女性の共感力が高い傾向にあるのは、狩猟採集時代に男性の留守中、子育てのために周囲の人とうまくやっていかなければならなかった結果とも言えるそうです。自分自身をあるべき行動に持っていくために、感情は後から身に着いた。ちょっと逆なようですが、コミュニケーションの専門家の説です。

 

Aさんも子供を育てるために、これまで使っていなかった想像力や共感力が芽生え始めてきたのかも知れません。

Aさんだけではなく、様々な家族の形態や仕事の仕方が変化し、また違いがなくなることによって、男女の特性にも差はなくなっていくのかも知れません。

 

ところで、Aさんは5人の女性の部下を抱えていて、その5人がそれぞれあまりに異なり、一人一人が自分を見て欲しいと要求しているように感じて、対処の仕方が分からないという悩みをお持ちでした。部下は、特に女性は、自分をちゃんと一人として見て欲しい、そのことにAさんは気が付いたようでした。

 

私は、Aさんが私に気持ちを正直に打ち明けてくれたように、自分を開示することを勧めました。きっと今の彼なら女性に共感することができそうだからです。しかし、彼はとても素直なのにまだ男性としての鎧を部下の前では身に着けているように見えました。男性の鎧も重そうです。

 

環境変化が著しい今、自分はどんな変化を遂げるのか、楽しみに観察をしたいものですね。

 

参考:「人は感情によって進化した 人類を生き残らせた心の仕組み」石川幹人著 ディスカバー・トウェンティワン刊

(YK)

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