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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

第二のキャリア ~70才になっても~

2016年9月30日

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50代のココ・シャネル byカール・ラガーフェルド

70才になった自分を想像できますか。

今、皆さんがいくつか分かりませんが

70才の自分を想定出来る人は

少ないのではないでしょうか。

しかし女性の平均年齢は確実に伸びていて

しかも日本は1,2位を常に争っています。

ほとんどの人が70才は難なく超えると想定しておいた方が良いでしょう。

 

さて、70才で大成功を収めた女性がいます。

しばしば私のコラムに登場するココ・シャネル。

皆さんがご存知のシャネルスーツを

パリコレで発表したのが70才。

そしてそれが大成功に繋がって

花開いたのは彼女が71才の時でした。

もちろん、彼女にはそれまでのデザイナーとしての

キャリアと名声に冨がありました。

でも、実は彼女は62才でビジネスから引退し

それまではスイスで隠遁生活を送っていたのです。

ちなみに彼女は50代が一番

輝き美しかったと言われていますが・・

 

では、何故、70歳で再デビューしたのか。

それは世間の流行の流れを見ているうちに

自分が大嫌いだった女性の体を締め付けるような

シルエットの服が流行り

彼女が築いた女性主体の着心地のよい服が

忘れられて行くことに我慢がならず

再度自分自身の想いを形にするため

パリへ戻ったのでした。

ココ・シャネルといえども70才過ぎた女性を相手には世間はしません。

でも結局その想いはアメリカのキャリアウーマンから火がついて

シャネルスーツとして開花したのです。

お金のためでもない、私利私欲でもない、自分の想うファッションを

世界中の女性に着せたいというビジョンがそうさせたのです。

「私のファッションがコピーされるのは良いこと。

それは世間が認めたということだから」

 

好き嫌いは別として、今話題の内外の女性政治家たち、

個性が強く、主張も強く、あまり好かれている人はいないようです。

でも共通するところは、もうある程度の年齢になって、

有る程度の経済的力はありそうですし

目立ちたいとか、名声を得たいと思うだけでは

わざわざ立ちあがりはしないのではないかなと思うのです。

たとえ賛同されなくても独りよがりであっても

自分の思う世界を実現したいという想いではないでしょうか。

そう考える女性の力は強いと思います。

失うものも怖いものもないですものね。

もしかすると一度、現在のキャリアが終わった時に

本当に実現したいことが見えてくるのかも知れません。

いくつになっても人生には挑戦がある。

自分自身に期待をしたいですね。

・・・・・・・・

この続きは、10月8日(土)開催のCOACHING CONVENTION2の無料講演で

お届けします。

女性のビジョン実現のためのリーダーシップについて、是非聞きに来てくださいね。

詳細はこのサイトのセミナーページがFBのイベントページへ。

https://www.facebook.com/events/133164743789508/

 

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女性にとってだますとは・・虫の好かない人と付き合う

2016年9月7日

CA「女性にとってだますとはただひとつ。

それは感覚をだますこと」 ココ・シャネル

 

自分の感じたことに対して

妥協をすることが出来ない、という女性は多いのではないでしょうか。

人に対して特にその傾向があるように思います。

女性対象のセミナーでも良く聞かれるのが

「どうしても好きでない上司や心の中で馬鹿にしている人に対しては、

助けてあげるどころか脚をひっぱりたくなる」

というせきららな?告白です。

 

こうした感情をどう整理したらよいのでしょうか。

先週、一人のビジネスウーマンと女性が組織で直面する課題について

話をする機会がありました。

彼女は、私のCAであった経験について興味を持ってくれて

どんな状況にあっても嫌な顔をしないしひどいクレームについても冷静でいられる態度、

訓練されているからでしょうか、という問いを投げかけてくれました。

確かに接客業についていると、客なんだから良くしてもらって当然と思っているお客様から

かなり理不尽な発言や要求を受けることがあります。

しかし、いちいち、そこで傷ついたり腹を立て個人的に受け取ることはありません。

そのように自然と訓練されて行きます。

なぜなら、どんな相手であれお客様であるという絶対的な立場と

未来永劫に続くわけではない、この数時間長くても13,4時間我慢すれば2度と会わないで済む相手だとやり過ごすことが出来るからです。

 

前後して、知人のセラピストの女性に会いました。

今流行の「マインドフルネス」について言葉が流行となる前から研究している人です。

「マインドフルネス」がもうひとつ理解出来ないという私に

心の平静を保つためには、まず目の前のありのままを事象として見る、

黙って受け止める、ということだと説明してくれました。

(マインドフルネスについてはまだ私が勉強不足なのでいつか取り上げます)

 

この二人との会話は、異なることのようで実はとても通じています。

前述したような女性に起こりがちな好き嫌いの感情を取り扱うとき

いったん冷静にその人の存在を自分の感情は置いて受け止める、

という習慣は役に立つのではないでしょうか。

CAのトレーニングをしていた頃、

クレームや不機嫌なお客様に対しては笑顔を作りながら、

ジャガイモか何かの野菜だと思って新鮮なのかな、芽が出始めているのかな、

色はどうかなと眺めなさい、

と指導していたことがあります。

誤解があってはいけませんが、決して、お客様の怒りを受け流せと言っているのではなく、

個人的にとらず、機内と言う狭い空間の中起きた事として冷静に受け取れということです。

そうでないと心が疲れ切ってしまいます。

 

そう考えると、社内の気の合わない人に対しても同じことです。

「奥さんの顔が見てみたい」なんて思ったところで

自分が彼の奥さんになるわけではないのです。

また自分の気にそぐわないことをする人についても

あえて自分に嫌がらせをしている、なんて思い過ごしであることが

多いものです。

それよりは、その人のとった行動について

またその人の存在が自分にとって何を意味するのか

冷静に観察し受け止め、嫌な部分はやり過ごす、

あるいは、時には嫌な部分も

自分の目的のためには受け入れるこは

決して、妥協にはならないはずです。

 

そのためには、まずは自分の目的が何なのか

振り回されないために

明確にしておくことが必要です。

 

少し視点をあげて

戦略的になりましょう。

ただでさえ、ストレスの多い日々、

自分と異なる相手にこだわりすぎて

ストレスを増やす必要はありませんね。

言うは易し、ですけど・・・・(笑)

(YK)

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ビジョンとは~なりたい自分を思い浮かべることが出来ますか~

2016年8月6日

少し先のことを考えて目を閉じたときに

自分の将来の姿を思う浮かべることが出来ますか。

または10代の頃を思い出してみてください。

大人になった自分の姿をどのように描いていたでしょうか。

 

毎月、実施している公開セミナー「女性のための自己変革の技術」では

参加者に『ビジョン』を考えて頂くのですが

なかなかこれが難しい様子です。

 

『ビジョン』と言うと、何か難しい企業の5か年計画や

あるいは大志を抱いている人が持つことのように取られがちですが

もっと単純に、「心に思い描く自分の理想の姿」だと

考えていいのではないでしょうか。

それは、きっと誰でも子供の頃には描いていたはずだと思います。

ところが、年齢とともに現実的になり

段々と描くなっていくうちにその習慣がなくなってしまうのでは

ないでしょうか。

 

数年前に作家の林真理子氏が「野心のすすめ」という本を出しました。

その中で、著者が19才の時に、59才になった自分を想定し19才の自分への

手紙を書いていたというエピソードが書かれています。

強い劣等感を持っていた林氏は、将来自分は必ず幸せになっていると信じて、

将来の自分からその時の自分への励ましのメッセージを書いたそうです。

将来は幸せなんだと想像することで元気になるし

将来の自分の姿を思い描けば今、何をしなくてはならないかを考えられると林氏は言っています。

今に見ていろという思いで、やたらと空想にふける彼女ですが、

妄想力は目標達成のバネになると、林氏は確信しています。

 

妄想であれば女性は得意なのではないでしょうか。

男性の場合、もともとが目標に向かって突進する傾向が特性としてあるので(以前、この欄でご説明しました)

多くの男性が、定年を到着地点として会社の中での成功を『ビジョン』として

なんとなく描いている人が多いのではないでしょうか。

ビジネスパーソンの『ビジョン』としてはそれはは見当違いではありません。

一方、女性は、平均寿命は男性より長く、そして女性の興味や関わることに

定年はありません。(それに男女の違いはないはずなのですが、女性はそもそも企業の決めたレールを前提としていない人が多いので)

とすると、漠然として過ごしてしまうのではなく、長い目で見たときに自分はどんな人生を送りたいのか

時間軸も分野も広く考えることが出来るはずです。

何も誰もに尊敬されるような高尚な夢や未来像だけがビジョンではありません。

他人がどう思うかではなく、自分がこんなことが出来たら満足だ、幸せだと

思うことを妄想することからビジョンは生まれるのではないでしょうか。

 

今は低欲望社会と言われています。

適当に満ち足りていてムリをしてまで欲しい物はない、ムリするくらいなら現状維持を

望む人が多い時代です。

とはいえ、こういう風にありたい、という理想のライフスタイルや、

これが好きだからやり続けたい、という自分だから出来ることは男性より明確に

心に抱いているのではないでしょうか。

また、女性の場合、昔から欲望よりも「悔しさ」をバネとして

こうでない自分、社会を思い描いて実現した人も多いように思います。

女性にとっての成功とは、競争で勝って一番になったり、

パワーを持ったりすることではなく

自分らしく自分も周囲も幸せな人生を歩むことなのではないでしょうか。

逆にそのために競争に勝ち、パワーが必要なこともあるかも知れません。

 

書家の紫舟さんが少し前のTV番組で

「自分の書いた文字がハリウッド映画のタイトルで使われて、それを映画館で見てみたい」

そうすれば、彼女は世界の人に書を通して日本を発信出来たと実感できるだろうと

話していました。

まさしく『ビジョン』です。

紫舟氏のような世界の人を相手にるするような夢でなくても

「自分の作った健康に良いパンで、にこにこ微笑みながら喜んで食事をする子供を増やしたい」だとか

「定年後、年間の半分は海辺の家に住み、好きな本を読んでブログで想いを発信し続けたい」

などというような、人それぞれに夢はあるでしょう。

それは立派な『ビジョン』です。

直接的な仕事の目標でなくても良い、きわめて個人的な物かも知れません。

それを明確にして言葉にすれば『ビジョン』になるのです。

しかし、このなりたい姿を明確に描けなければ、それを実現するための手段である

キャリアは選べないはずです。

妄想だけでは現実にはなりません。

現状の目の前の仕事をこなしているだけでは、たどり着けないかも知れません。

今の自分がどうあるべきか、これは慎重に考えなければいけません。

自分のありたい人生を実現するために、どのような仕事をし生活の糧を得て行くのか

設計図をひくことが必要です。

そして、『ビジョン』を持っている人は魅力的なのです。

 

目をつぶって将来の自分はどんな姿をしていますか。

夏休みは、想いを馳せる絶好の機会かも知れません。

 

参考図書;

「野心のすすめ」 林真理子著 講談社現代新書

 

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~振り向いたらスカートを踏まれていた~

2016年7月7日

【女性のための自己変革の技術】

 

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少し前になりますが

「前へ出ろ前へ出ろ、と言われて前へ出ようとしたら脚が動かない。

振り向いたら、前へ出ろと言った男がスカートを踏んでいた」

と女性評論家が言っているのを聞いて

上手い表現に納得したことがありました。

今、東京都知事選を騒がせている小池百合子氏の様子を見て

この言葉を思い出しました。

私は小池氏の業績について詳しくもないし

また、これまで政治家としての彼女に共感することはなかったのですが

今回の様子には、デジャブのような共感を覚えました。

私だけかと思って、他の女性に確認すると

私と同感の人がいて意を強くしました。

 

女性は、リーダーになりたがらない、あるいは家庭を優先したがるからと

男性は女性のモーチベーションの低さを嘆きます。

しかし、ひとたび自信のある女性が手をあげたり要求を述べると

「女性のくせに大胆だ」

「組織のやり方にそぐわない」

あるいは

「(企業であれば)お客様が、あるいは、社員が、あなたでは納得しない」

と何故か、応援してくれず、代わりに男性を使おうとする、

私自身、そんな経験をしたり、見たりして来ました。

そして女性までもが

「ちょっと女性では頼りない」

「常識がない」

「やはり男性の経験者でないと」と

手を挙げた女性に対して、否定的な見方をする様子も目撃もして来ました。

もちろん、その見方には一理あります。

女性は女性特有の個人の価値観や正義感を基準に物事を見て決断し、

組織の暗黙のルールを時には無視してしまう、

それが非常に身勝手であると傍から見えるからです。

本人は信念に基づいていると思っていても

傍からはそうは見えていない、そのことにも気が付いていないこともあるのです。

 

何度もこれまで書いていますが、

組織というのは男性の作ったルールで動いていることが多いので

こうした女性の感性や感情的な判断は、

人々には、幼稚であり、未熟であり、違和感が感じられてしまうのです。

だから、ビジネスで認められようとするのであれば、女性はそれを理解し

組織の暗黙のルールに合わせて行く必要があります。

そして、それが上手に出来る人もいます。

それが出来る人は、組織での『おもてなし力』が高い人でしょう。

 

さて、今回の小池氏もかなり非常識とされています。

しかし、女性活躍推進だウーマノミクスだと、女性リーダーの数を増やすことを

日本は今、政策として企業に求めているのに、

政治の世界でも女性大臣や首長は多くはありません。

小池氏は自分の実績から、他人がどう思うかは別として

自分はやれる、あるいは自分が適任だと思っているでしょう。

ましては政府が女性活躍推進を唄っているのですから、

やりたいと言って手をあげている女性の私を

押してくれてもいいではないか、

私以外に適任はいない、

推薦してくれるのが当然だと、私が小池氏なら思うでしょう。

しかし、手続きが正式ではないとか、顔をつぶしたというような議論をして、

中々決定がされません。

もちろん、女性であるということ以前に、

彼女自身に候補者としての課題があるかも知れませんが

(それは分かりません)その場合は本人は気が付いていません。

だって、男性だって相当おかしな人が主張したり、ルール違反を意図的にすることがあるのを

見ていますから。

男性がやると戦略で、女性がやると「したたか」となる。

そしてボーイズネットワーク(男性の付き合いの関係性)で次のポストが決められて行く。

あるいは仕事の配分も決まって行く・・・・・

もうひとつ

女性はいつまでたっても過去の経歴で判断されがちと

思うのは少しうがった見方でしょうか。

キャスター出身だから・・・

華やかな職業を良い時には絶賛し

都合が悪いとそれがマイナスの要因と判断されてしまいます。

CA出身だから・・・とか。

もちろんそれを売りにすることもあるのですが。

 

そろそろ、そうしたことを卒業しないと

優秀な女性は国外に逃亡しますよ、

と思っていたところに小池の乱(笑)

うーん、彼女は結局、立候補を決定しました。

待てなかったのではなく、待っていても役は回らないと知っていたのでしょう。

 

女性が組織で成功するためには

組織内のルールを認識し、立場を認識し、

ステークホルダーに恥をかかせないように行動し

自らの立身出世の道を開いて行く、

豊臣秀吉のような「おもてなし力」は

非常に大切です。

同時に、時には、慣習を突き破り、非常識もする覚悟と気概がないと

ガラスの天井は突き破れないのかも知れません。

 

米国のヒラリー・クリントン氏も

上へ上へと叫べば叫ぶほど嫌われ

しかも、嫌われる理由は性格であったり、間違い探しであったり。

キャリアがあっても、男性であればたいして言われないことも

言われているように思います。

 

私は都民ではないし

アメリカの選挙権もないし

どちらを応援するわけでもないけれど

女性の生きにくさに共感する政治の世界です。(YK)

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働きやすさと働きがい

2016年5月31日

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【女性のための自己変革の技術】

働きやすい会社と働きがいのある会社

皆さんはどちらの会社で

働きたいと思いますか。

 

今の会社を選んだ理由は

どちらにありましたか。

 

採用面接の時には

学生は熱く志望動機を語ります。

しかし数年立つと熱かった志は冷めてしまうか

恋愛をしたり結婚をし状況は一変し

その現実の生活を支えるために働いているのだと

目的はすり替わって行くことは

自然なことなのかも知れません。

 

また、女性は子供を産み育てることを想定すれば

ビジョンのためであれ、生活のためであれ

自身の環境の変化に関わらず安定して働き続けることが出来る

支援や体制のある会社を求めることでしょう。

また子育てには限らず

さらなる勉強をしたいと考えたり

看護や介護の課題に直面することもある

その状況下でも安定して働ける会社は魅力的です。

 

だから、働きやすい会社=女性が活躍できる会社

と世間も女性たちも考えるのは当然です。

政府も企業に対して女性の支援に対して

大きな負荷を求めています。

 

しかし、実際は少し違うのかも知れません。

制度が整えば整うほど

誰でもそれを享受したいと思うでしょう。

産休が3年取れるのであれば

最大限利用し子育てに専念したい。

しかしそれによってキャリアに遅れが出たり

本筋の仕事から離れらざるを得ない、

それをやむなしとしているうちに

仕事の楽しみや情熱は薄れ、ただ生活の糧のために

働くということに慣れてしまっても

責めることは出来ません。

 

そうした女性が増えた状況で

では、管理職比率を増やそうとしても

マインドもスキルも準備が出来ている人は

多くはいないのが現実です。

産休を取らずにいる女性は

逆にその負荷がかかり他に人生の目的を見つけてしまえば

去って行くでしょう。

 

本当に女性が活躍する土壌を作ることは

制度だマインドだトレーニングだと言っても

一筋縄では行きません。

 

昨年末、資生堂ショックという言葉がメディアで聞かれました。

女性に優しいと思われた資生堂が

時間短縮勤務(時短)をとっている子育て中の女性にも

遅番や休日の勤務を平等に命じる策を取ったからです。

この背景には、女性が時短を取り早番にばかり勤務することで

仕事の面白さを見失ったり経験に差が出たり、

また他の社員と不公平感が生まれないようにとの

ことを考えての施策のようです。

「働きやすさ」ではなく「働きがい」のある会社へ

そして「働きがい」のために、女性が会社ではなく家族や周囲に協力を求め

育児に取り組む体制を整えて欲しいというメッセージあったようです。

 

(これに関しては、政府は企業にばかり努力を求めず

もっと女性の家事支援や子育て支援に対して規制緩和を行い

施策を練って欲しいと思うのですが・・)

 

何度もこのコラムで話していますが

外資系にいる女性は「働きやすさ」より

「働きがい」を求める女性が多いように感じます。

それは留守にしていると、他の人に変わられてしまうという

危機感が強いからのようにも感じます。

 

日本は就職ではなく

就社という意識で、入ったら守られることが当然と

思っているようだと言ったら言い過ぎでしょうか。

私が上司であった時、部下に対して

「そのままでは雑用係のおばさんになってしまいますよ。

雑用係にはお給料の高いおばさんではなく、若い女性で十分と

会社が思っても責められないでしょう」

とお尻をたたいたことがありました。

パワハラととられかねない発言ですが

彼女のために本気で伝えたつもりです。

 

「女性のための自己変革の技術」と言うセミナーでは

女性に価値観を考えてもらいます。

多くの女性が、「家族」を一番の優先すべき価値に選びます。

価値観は個人のことですからそれはそれで良いのですが

働く女性として、何が働きがいなのか、

毎日8時間以上を過ごす会社であれば

明確に他人に伝えられるようであって欲しいと思います。

(YK)

参考図書; 資生堂インパクト 石塚由紀夫著 日本経済出版社

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ダブルバインド~女性らしさと自己主張~

2016年4月28日

【女性のための自己変革の技術】

 

「女性はダブルバインドの状況におかれています。

一方には「賢くあれ、自分を主張しろ」という要求があり、

もう一方には

『無難であれ、衝突するな、自己主張の強い女は嫌われるぞ』

といいうメッセージがあるのです」

ヒラリー・クリントン

 

 

ヒラリークリントンがある雑誌の対談で言っている言葉です。

ダブルバインドとは、二つの矛盾する命令に

縛られている状態を言います。

女性の社会進出が進み

自己主張が強いと思っていたいたアメリカで

しかも大統領候補のヒラリー・クリントンすら

常にこのジレンマを感じていたとは

共感すると同時に驚きます。

 

だとしたら、調和を美徳とする日本では

さらに女性のジレンマは大きいはずです。

 

「川邊さんは、本社の人達と英語で話す時には、しっかりとした主張をするのに

国内の会議では何を言いたいのか分からない」

私自身、外資系に勤務している時代に

こう社長に言われたことがありました。

彼はむしろ自分の意見を明確に述べることを私には求めていたのでしょう。

しかし、日本の組織の中で温和に物事を進めていくには

強い主張は嫌われます。

私もジレンマを抱え、自分自身使い分けをしていたようです。

 

というのも、初めて海外で働くようになったときに

まずは自分の意見を言わないと

「考えていない、頭が悪い」と思われることを知ったからでしょう。

 

しかし、日本に帰国し働いてみると

同調すること、物を言わないことのほうが美徳と取られ

得であることにも気が付きました。

特に他人の耳に不快なことについては自分が言わないほうが良いと・・・

言いすぎれば嫌われるし、

何より周囲の女性は何も意見を言おうとしないのです。

 

一方、男女に関らず

リーダーシップのセミナーや本によれば

強いリーダーはメッセージをはっきり発信し相手の話を聞くと同時に

自己主張はしっかりしましょう、となっています。

 

かと思うとキャリアを築くには

空気を呼んで、人との調和が何よりと説く人もいます。

 

ある知人男性からは

「社内で自分と異なる意見の上司がいた場合は

波風が立たないようにじっと身をひそめ

自分の時が来るのを待ちなさい」

とアドバイスされたこともありました。

 

ではどうすれば良いのか。

今、企業を離れて考えてみると

ネックとなっていたのは、前述した『意見を言わない同僚たち』の

暗黙のプレッシャーや

先輩男性の『波風は立てるな』と言う上からではない

周囲の空気であったような気がします。

 

こう考えると、ダブルバインドは

女性だけの課題ではないのかも知れません。

そして企業の革新を阻むものであることに

気づきます。

 

女性の働き易い組織は

つまり男女に限らず個人の意見が尊重される組織ではないでしょうか。

 

そして女性らしさ、男性らしさに

束縛されない自分自身を

育てて行く努力が必要だと考えています。

 

参考;ヒラリー・クリントンの言葉 ライザ・ロガック著 かんき出版

(YK)

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 不愉快を伝える勇気

2016年3月10日

【女性のためのオモテナシズム】

 

「日本死ね」

という強烈な表現で国を批判した女性のおかげで

幼稚園の問題が大きく世間に取り上げられた

3月でした。

 

今はSNSによって個人の意見が言いやすい環境にはなりましたが

それでも中々、行政や目の前にいる相手に言うことは難しいですね。

声をあげるには勇気がいります。

 

さて、先週、某所でビジネスミーティングをしたときのこと

相手の男性は、パワハラセクハラな発言を

ずっと繰り返しています。

いつものことなのであまり気に留めず、

ああこの人は気がつかずにまた言っている

と受け流しました。

悪気はないのだから見逃してしまおう

それで波風は立ちません。

 

しかし、気がついていないのであれば

言ってあげなければいけないのかも・・・・・

微力であれ日本のオモテナシズムを推進させようとしている私が

「日本人の男性はグローバルなマナーを身につけましょう」

と言いながら、目の前の人には何も言わない。

もしかすると、日本人の男性のマナーの悪さは

こうした自分の態度にも責任があるのかも知れません。

 

さて話を冒頭の「日本死ね」に戻すと

女性活躍推進を女性の意識や企業の取り組みばかり押し付けるのではなく

それをバックアップする制度が整わなければ

女性は悲鳴をあげてしまいます。

 

私も介護に関して

実際自分が経験してみると

メディアでは取り上げられない問題が多くあることを感じ

日々、政府に対して行政に対して、強い言葉でののしりたくなる気持ちにかられています。

 

そんな折、横浜市の男女共同参画推進課が主催するオープンフォーラムに

誘われ参加しました。

まず第4次行動計画が配布されたのですが

その中の重点施策は私の一番の課題を解決してくれそうな

項目はありません。

当たり前のメニューばかりで

もちろんその当たり前が出来ていないのが現状なのでしょうが

がっかりしてしまいました。

テレワークの推進?

家で働けばそれは家事も出来るけど

女性は24時間フル活動になってしまう。

実際、ITの進化によって

仕事が家庭にどんどん侵食して来ています。

ITはむしろ行政がもっと市民との連携に

利用すべきだと私は考えています。

 

一言言ってやろうという思いで、

行政と企業と市民との対話の場であるフォーラムに期待しました。

フォーラムは私のコーチングの仲間がファシリテーションをしていたのですが

彼女はそこで発言に一つのルールを設けました。

「何が出来ていない」というような他人のせいではなく

「自分が何をするのかという」スタンスで感じていることを言い

相手の話を聞くこと。

つまり対話です。

私のグループには、横浜市の職員の方が4名もいるのだから

こうして欲しい、ああすれば良いのに

とヒントをたくさんあげたいのに・・・

職業がコーチであるけれど、

今日は私の現状を訴えたいのに、もどかしい。

 

しかし、対話が進むにつれて、

行動するのは自分であるとして考えるうちに

自分の課題が社会の課題であり、社会の課題は自分の課題になっていくことを感じました。

そう自分の課題は他の人も感じているに違いない課題

声にしなくては取り上げられない。

現状は変わらない。

立場の異なるメンバーであるにもかかわらず

一つの方向性を見出すことが出来ました。

 

セクハラ男性、行政そして自分の勤める会社に対しても

自分が声を出すことが

他の人を救うことになる

そして、声を出した人が責められることのない社会であること

ダイバーシティはそこからだと考えた年度末でした。

(YK)

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悪癖を認めない~女性の自己認識~

2016年2月26日

【女性のための自己変革の技術】

 

 

 

悪癖

 

毎月行っているセミナー『女性のための自己変革の技術』では「女性リーダーの20の悪癖」というリストを参加者の方に自分でチェックして頂きます。

男性の参加するセミナーでも

同様の『20の悪癖』をチェックして頂いていますが男性と女性とでは異なる項目は6つのみです。

 

・自分がいかに期待されているかを周囲に話す

・議論で感情的になる

・全てに関与したがる

・間違いや勘違いを体調のせいにする

・その日の気分によって態度や判断が変わる

・部下に思い通りの行動をとらせようとする

その他は男女共通です。

 

しかし、このセミナーを2年続けていて、

最近気が付いた7つ目の女性に特有な悪癖がありました。

 

~自分の悪癖を認めない~

 

この悪癖チェックを行うと

男性の参加者はたいてい、7,8個から10個以上にチェックを付けます。

一回のセミナーで、たいてい1人くらいの正直な方は、14,5個つける方がいます。

 

ところが、女性はというと、毎回、

5個以上、自分に悪癖があるとチェックを付ける参加者はほとんどいません。

どんなに探しても自分にはあてはまらない、と言って

やっと1つ2つにチェックを付ける方も数名います。

 

私自身は、自慢ではありませんが、10個以上思い当る節があるので

毎回、本当に皆さんは悪癖をお持ちではないのですか?

と尋ねていたのですが、

あれ、これって女性の認識の甘さではないかと

思い始めました。

 

男性の方が往々にして悪癖が多いのではなく

男性は、自分の悪癖だと認識していてそれが直せない、

女性は認識すらしていないのではないかも知れません。

 

働く女性は、仕事場ではとにかく常に全力投球、直球で攻めています。

だから悪気はないし

働き方にも「自分らしい」とか「個性的」と言う言葉を使って表現するのを

好みます。

しかし、「自分らしい」という言葉の裏には

自分のやり方をまげない頑固さがあるようにも思います。

さらにそのやり方が正しい、と信じている。

 

悪気がないから信じた道まっしぐら、

それが部下から見て、朝礼暮改の指示に見えたり

感情的に写っていても

そのつもりが自分ではないから、やっかいなのです。

 

頑固さはリーダーとしては必要です。

しかし信念とか達成への意思であるときには良いけれど

それが方法論であった場合には

もしかすると周囲にはただの自分のこだわりでしか映らず

部下にとっては押しつけであるかも知れません。

 

私自身の経験ですが

かつて部下をどうにも取りまとめられず途方に暮れたとき

このチェックリストを眺め、自分が部下にどう見えているのか

かなり悲観的にチェックをした経験があります。

 

私はえこひいきをしているつもりはない、

でも私の部下への時間配分は公平ではないから

そう取られているかも知れない、、、など部下目線でチェックをすると

15,6個の×印が付きました。

全ては単純な、しかし相手にしてみると深刻な悪癖です。

 

これは、自分を変える大きなきっかけとなりました。

 

女性の誠実さが、真剣に向き合う姿勢が

時に他人には矢となっていることも

あるのではないでしょうか。

 

なくて七癖。

悪癖チェックを部下の視点から

一度してみると自分を変えるヒントがあるかも知れません。

YK

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管理職になりたい理由

2016年1月27日

【女性のための自己変革の技術】

 

企業の女性活躍推進の担当者から

どうしたら、女性が管理職になりたいと

自ら思ってくれるのでしょうか、

という相談を受けます。

 

日本の大手企業に共通する課題のようです。

 

正直なところ、実はその女性の心理は

私はあまり理解が出来ません。

 

というのも、私がいた外資のラグジュアリーブランド業界では

どこも多くの女性が管理職を目指して

戦々恐々としていたからです。

自動的に昇進はないので、

その希望をあからさまに出す出さないは別として

常に他の人の後釜を狙っている、

またはポジションを上げるために転職のチャンスを

狙っている女性がほとんどでした。

 

私もその一人で、常にどうしたら上に行けるのか

戦略を常に練っていました。

 

何故、私の周囲にいた外資企業の女性たちは

昇進を好むのでしょう。

理由を考えてみました。

 

まず、最初から男性優位であろう企業体質が嫌で、

日本企業ではなく外資に入社している女性たちであり

アシスタント業務からのスタートではないので、当然、昇進もしたいという思いの人が多いから。

次に外資の場合、

社内移動は少なく専門性のある仕事に長くいるので、

本人たちもその道のプロフェッショナル=その部門のトップになり、次の転職を有利にしたいと考えるから。

三つ目の理由は

管理職になると給与や待遇があからさまに良くなるから。

例えば、マネージャーになった途端にビジネスクラスに乗れるというような目に見えての待遇が良くなるし

管理出来る予算も大きくなる。

そして四つ目の理由。

管理職になると本社からは<カウンターパートナー>と呼ばれて担当部門と直接、意思疎通が図れる。

仕事がやりやすく自分の意思も伝わりやすくなり、自分の想いを伝えることが出来る。

最後に

本社への出張の機会が与えられ、グローバルな場面で活躍するチャンスが出来るから。

そして、それはかっこいいから。

 

もちろん個人差はあると思いますが、

おおかたこんなところではないでしょうか。

 

パワーを手にして仕事に個人の想いを繁栄させる。

一言で言えばそういうことでしょうか。

 

そして、上記を実現させて

楽しそうに働いている女性たちが目の前にいるのです。

「あの人に出来るのだから私にも出来ます」

上司としてそんな訴えを聞いたことも

何度もありました。

 

とはいえ、私のいたような中規模の外資は

世界に知られたラグジュアリーブランド企業とはいえ

女性の働く環境は日本企業のようには、至れりつくせりではありません。

長期の海外出張もあれば、部署によっては深夜まで及ぶ仕事もあり

家庭との両立は容易ではありません。

そして、管理職は、常に職務を全うする事を求められるので言い訳は出来ません。

しかし、アシスタントのままであっては、華やかな舞台は回らないし、

またアシスタントのままではいつか派遣社員にとって変わられてしまいます。

だからこそ、昇進してパワーを手にしたいのです。

パワーを持つことの価値に気づいているのです。

 

皆さんの会社ではイキイキと働く管理職がどのくらい、いらっしゃいますか。

名前だけ上司、名ばかり管理職では価値は伝わりません。

 

ロールモデルとは、

必ずしも仕事と家庭の両立をしている女性

ではないのかも知れません。

 

本当の意味で、管理職としてのパワーをきちんと使える人こそ

追従者を作るのではないか、

今年はそこを考えて行きたいと思います。

(YK)

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女性活躍推進の目的は?

2016年1月4日

【女性のための自己変革の技術】image2

2016年も女性の活躍推進が企業の大きなテーマとなりそうですね。
女性にフォーカスがあたることは嬉しいことです。

さてアメリカでは、大統領選挙の攻防真っただ中、
ヒラリー・クリントン氏は
「父親が娘に『女性だって大統領になれる』と教えられる国を築こう」
と言っていますが、アメリカでも!?と驚きます。

1990年代、アメリカでも
リーダーとしての女性への期待は高まっていました。
女性自身、ビジネススクールへ殺到し、
研究では、経営層に女性がいる企業の業績が高いことを示して
社会全体が女性のリーダーを育てようとしていました。
しかし、アメリカでは取締役比率は2015年でも19.2%。
ノルウェーは35%でついでフィンランド29.9%、スウェーデン28.8%と北欧諸国が上位を占めています。

当然アメリカの企業もフレックスタイムや、在宅勤務、託児所、
そしてリーダー研修へ送り込むなど
あらゆる努力をして来たようです。
しかし、大企業では、依然としてキャリアの途中で男性よりも高い比率で
女性が辞めて行き、次期上級管理職候補のリストは少ないと言います。
一方、会計事務所や法律事務所では女性パートナーの数は
3倍に増えていったと言います。
考えればヒラリーさんもオバマ大統領のミシェル夫人も
弁護士ですね。
日本でも古くから女医さんは多く存在しています。
ナレッジ型の職業では女性の進出は問題がないようです。

何故なのでしょう。
アメリカの例に戻ると、女性管理職推進部門の人達は
目標を「女性の管理職を増やし、昇進させ定着させること」
に置いていたようです。
単に人事施策であり、経営戦略に結びついてはいない
ところが多かったようです。

しかし本来、企業にとって大切なのは、
前号までお話したような女性の視点や考え方、
女性だけではなく全社員の能力とスキルを有効に活用し
企業に革新を起こし価値を高めて行くことでではないでしょうか。
単に頭数の労働力としての女性を増やすことが
目的ではないですね。

そのためには、やはり組織の風土が変わることが必要でしょう。
前回、男性には密かにOJTが行われているというお話をしました。
組織が知らないうちに個々の能力を発揮する機会や意欲を
失わせていることが、あなたの組織にはありませんか。

年末、ある共働きの男性が
実は専業主婦が奥さんの男性とは話が合わない、と
教えてくれました。
男女ともに、固定概念を外して個人の価値観を尊重していくことが
女性の活躍推進にもつながるのだと感じています。

2016年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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