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Columnコラム

好奇心を見抜く方法

2017年7月9日

Happy hour接客に従事する人材の採用に長く携わっていましたが、現場で本当に良いサービスをするためにはどれだけ多くの経験を積んでいるかということが重要な要素だと考えて来ました。

それを知りたくて面接では、学生時代の部活やアルバイトの経験を聞くのですがそれだけでは十分ではない、年齢を経なければという部分があると、自分が年齢を重ねるに連れてますます感じるようになりました。

つまりオバサンは若い人のサービスでは満足できないところもある(笑)

でも、誰にとっても年齢は先取りできない。

ではどうするのか。好奇心が必要だと思うのです。若いアルバイトであっても母親のようなオバサンたちに好奇心を持てるか。

ここが接客では重要ではないでしょうか。

 

先日、女性の友人3人で早い時間にタパスバーへ行ったときのこと。

17時からのハッピーアワーを知っていたのでその店に行ったのですが、入ったのは16時45分。学生アルバイト風なウェイトレスがメニューを持って来ました。

ハッピーアワーはまだですか、と聞くと「17時からです」と不機嫌そうに答えます。その表情におもてなしも何も感じなかった私たちは「じゃあ、17時まで待つわ」とぴしゃりと言いました。そして17時になってからオーダーをしました。

なぜひとこと笑顔で「17時からですが、お待ちになりますか?冷たいビール先にいかがですか」と言えないのでしょう。

そうすれば、きっと私たちは待ちきれずにビールを頼んだに違いないのです。

 

こういう経験はきっと多くの方がしていますよね。

友人と何故こういう態度になるのだろうという話になりました。彼女はこの店のオーナーではなく、私たちがハッピーアワーだろうが通常の料金だろうがそれほど自分に影響はないはずです。

ではなぜ不機嫌なのかというと彼女の仕事が一度で終わらなかったから(注文を聞きに来たのにもう一度下がらなくてはならないし、自分の仕事が終わらない)、ハッピーアワー目当ての安い客だと少し下に見たから、でしょうか。

私たちの結論は、きっと彼女はこういう客の楽しさを知らないからだということになりました。つまり、共感力が足りないのです。

でも、母親くらいのおばさんに共感しろと言っても無理な話かも知れません。

オバサン3人が17時前なんて中途半端な時間ににぎやかに嬉しそうに入って来た。あーきっとお喋りしたいんだろうなあ、家に帰る前にハッピーアワーだから飲んじゃえ、というような気持ちかな楽しそう。

と、思うと返答も異なると思うのですが、まだ学生の彼女に、仕事も家庭もちょっと離れて女友達と思い切りお喋りが出来るというときの解放感と嬉しさは想像できないかも知れません。共感しろと言っても無理。

うーん、では彼女は、朝から有名パンケーキの店に並ぶ人の気持ちなら分かるのかしら。それも疑問です。そして誰もが全てを経験できるわけではありませんよね。

 

だとしたらやっぱり好奇心ではないでしょうか。

このオバサンたち、嬉しそうに来たけど何をしたいのだろう、何が好きなのだろう、お目当ては何、などと好奇心を持つ。そういう人にはきっと「察しの心」が生まれ、能動的なサービスも提供できるのです。

そして、会話も生まれるからさらに良いサービスが実行できるのです。

好奇心。

これを面接で見抜くのは、さらに難しいかも知れません。

どんな方法があるか考えて見ました。

こちらへの答えで見抜くのではなく、こちらへどのような問いかけをするのか、それを判断材料に出来るのではないでしょうか。

相手の質問から、相手の好奇心がどこにあるのかをはかることが出来るように思います。

面接官はとかく自分で話しすぎです。そして相手の答えで判断をしがちです。

しかし相手の答えは既に準備して来たこと。

相手に質問させてみると好奇心が見えて来るかも知れません。

年齢、外国人、ダイバーシティが進む社会では共感力が必要。

そのためにも好奇心必要です。

(YK)