姿勢を正す理由とは
2025年8月19日
暑すぎる夏でも仕事や勉強は待ってくれない。
集中力を高めたいと思いませんか。
弊社のある取引先の企業では、会議や研修のはじめに
「姿勢を正してください」
と担当の社員が号令をかけます。
それを合図に社員全員が「はい!」と背筋を伸ばして返事、
「宜しくお願いします」と大きな声で挨拶をしています。
この企業では、全国どの支店に行ってもこの習慣が徹底されています。
当初、私は号令をかけてする挨拶になじめず、挨拶は強制するものではない、などと違和感を感じていました。
しかし、伺うことが長くなって、最近では私も「姿勢を正してください」という号令がないと物足りない。
「号令をお願いします」と催促している自分を発見しています。
なぜでしょう。
背筋をピンと伸ばすと、私も気持ちのモードが切り替わります。
「宜しくお願いします」とあいさつをされると、私は「講師」参加者は「教わる人」になり緊張が生まれます。
反対に、休憩でその境界がなくなるとざっくばらんな関係性が生まれます。
そういえば「無礼講」というのは、立場を取り払って人と人になった状態ですよね。
考えてみれば、日本の習い事や芸事も武道も、皆、挨拶に始まり挨拶に終わります。
茶道のお稽古でもお稽古の始まりと終わりに、扇子で境界を示し背筋を伸ばして挨拶をします。
日常でもご飯を食べるときは「いただきます」。食事が終わったら「ご馳走様」
日本人はひとつひとつの行動に境界を設けているようです。
さて、この姿勢を正す姿勢が、実は、集中を高めるには効果的だそうです。
例えば、かるた取りの名人の粂原圭太郎氏によるとかるたの競技では
「姿勢を正すことで、視線・手元・思考のベクトルが一致し、今やるべきことに集中できるようになる」そうです。
姿勢を正す習慣そのものが脳のトレーニングになり。意志力と集中力を同時に底上げしてくれるようです。
ではその集中力を切らさないたいめにはどうしたらよいのでしょう。
かるた名人はどうしてもさまざまな感情や雑念や生まれてしまうので、いかに素早く自分を取り戻すか、
そのために休憩時間は呼吸に集中し体を動かし深呼吸をする、そうです。
彼は、日頃から瞑想をしているので試合の休憩時にもすぐに自分を取り戻せるそうです。
棋士の羽生善治氏も、長い対局の中で集中力を発揮するためには「頭の中に空白の時間を作る」そうです。
頭のなかに空いたスペースがないと集中ができない。
だから、タイトル戦の前などはいったんそこから離れてぼーっとした時間を持つ、そうすると脳にスペースが生まれて集中力が高まるそうです。
ここぞというときには、きちんと姿勢を正す、そして時には手を止めて深呼吸する、ぼーっと遠くを眺める。
結構簡単な取り入れやすい習慣です。
やってみる価値はありそうです。
(YK)
参考図書:『ちはやぶる』と学ぶかるた名人の集中力 粂原圭太郎著
『決断力』 羽生善治著
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