logo

Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

働きやすさと働きがい

2016年5月31日

business-idea-1240827_1920 - コピー

【女性のための自己変革の技術】

働きやすい会社と働きがいのある会社

皆さんはどちらの会社で

働きたいと思いますか。

 

今の会社を選んだ理由は

どちらにありましたか。

 

採用面接の時には

学生は熱く志望動機を語ります。

しかし数年立つと熱かった志は冷めてしまうか

恋愛をしたり結婚をし状況は一変し

その現実の生活を支えるために働いているのだと

目的はすり替わって行くことは

自然なことなのかも知れません。

 

また、女性は子供を産み育てることを想定すれば

ビジョンのためであれ、生活のためであれ

自身の環境の変化に関わらず安定して働き続けることが出来る

支援や体制のある会社を求めることでしょう。

また子育てには限らず

さらなる勉強をしたいと考えたり

看護や介護の課題に直面することもある

その状況下でも安定して働ける会社は魅力的です。

 

だから、働きやすい会社=女性が活躍できる会社

と世間も女性たちも考えるのは当然です。

政府も企業に対して女性の支援に対して

大きな負荷を求めています。

 

しかし、実際は少し違うのかも知れません。

制度が整えば整うほど

誰でもそれを享受したいと思うでしょう。

産休が3年取れるのであれば

最大限利用し子育てに専念したい。

しかしそれによってキャリアに遅れが出たり

本筋の仕事から離れらざるを得ない、

それをやむなしとしているうちに

仕事の楽しみや情熱は薄れ、ただ生活の糧のために

働くということに慣れてしまっても

責めることは出来ません。

 

そうした女性が増えた状況で

では、管理職比率を増やそうとしても

マインドもスキルも準備が出来ている人は

多くはいないのが現実です。

産休を取らずにいる女性は

逆にその負荷がかかり他に人生の目的を見つけてしまえば

去って行くでしょう。

 

本当に女性が活躍する土壌を作ることは

制度だマインドだトレーニングだと言っても

一筋縄では行きません。

 

昨年末、資生堂ショックという言葉がメディアで聞かれました。

女性に優しいと思われた資生堂が

時間短縮勤務(時短)をとっている子育て中の女性にも

遅番や休日の勤務を平等に命じる策を取ったからです。

この背景には、女性が時短を取り早番にばかり勤務することで

仕事の面白さを見失ったり経験に差が出たり、

また他の社員と不公平感が生まれないようにとの

ことを考えての施策のようです。

「働きやすさ」ではなく「働きがい」のある会社へ

そして「働きがい」のために、女性が会社ではなく家族や周囲に協力を求め

育児に取り組む体制を整えて欲しいというメッセージあったようです。

 

(これに関しては、政府は企業にばかり努力を求めず

もっと女性の家事支援や子育て支援に対して規制緩和を行い

施策を練って欲しいと思うのですが・・)

 

何度もこのコラムで話していますが

外資系にいる女性は「働きやすさ」より

「働きがい」を求める女性が多いように感じます。

それは留守にしていると、他の人に変わられてしまうという

危機感が強いからのようにも感じます。

 

日本は就職ではなく

就社という意識で、入ったら守られることが当然と

思っているようだと言ったら言い過ぎでしょうか。

私が上司であった時、部下に対して

「そのままでは雑用係のおばさんになってしまいますよ。

雑用係にはお給料の高いおばさんではなく、若い女性で十分と

会社が思っても責められないでしょう」

とお尻をたたいたことがありました。

パワハラととられかねない発言ですが

彼女のために本気で伝えたつもりです。

 

「女性のための自己変革の技術」と言うセミナーでは

女性に価値観を考えてもらいます。

多くの女性が、「家族」を一番の優先すべき価値に選びます。

価値観は個人のことですからそれはそれで良いのですが

働く女性として、何が働きがいなのか、

毎日8時間以上を過ごす会社であれば

明確に他人に伝えられるようであって欲しいと思います。

(YK)

参考図書; 資生堂インパクト 石塚由紀夫著 日本経済出版社

ダブルバインド~女性らしさと自己主張~

2016年4月28日

【女性のための自己変革の技術】

 

「女性はダブルバインドの状況におかれています。

一方には「賢くあれ、自分を主張しろ」という要求があり、

もう一方には

『無難であれ、衝突するな、自己主張の強い女は嫌われるぞ』

といいうメッセージがあるのです」

ヒラリー・クリントン

 

 

ヒラリークリントンがある雑誌の対談で言っている言葉です。

ダブルバインドとは、二つの矛盾する命令に

縛られている状態を言います。

女性の社会進出が進み

自己主張が強いと思っていたいたアメリカで

しかも大統領候補のヒラリー・クリントンすら

常にこのジレンマを感じていたとは

共感すると同時に驚きます。

 

だとしたら、調和を美徳とする日本では

さらに女性のジレンマは大きいはずです。

 

「川邊さんは、本社の人達と英語で話す時には、しっかりとした主張をするのに

国内の会議では何を言いたいのか分からない」

私自身、外資系に勤務している時代に

こう社長に言われたことがありました。

彼はむしろ自分の意見を明確に述べることを私には求めていたのでしょう。

しかし、日本の組織の中で温和に物事を進めていくには

強い主張は嫌われます。

私もジレンマを抱え、自分自身使い分けをしていたようです。

 

というのも、初めて海外で働くようになったときに

まずは自分の意見を言わないと

「考えていない、頭が悪い」と思われることを知ったからでしょう。

 

しかし、日本に帰国し働いてみると

同調すること、物を言わないことのほうが美徳と取られ

得であることにも気が付きました。

特に他人の耳に不快なことについては自分が言わないほうが良いと・・・

言いすぎれば嫌われるし、

何より周囲の女性は何も意見を言おうとしないのです。

 

一方、男女に関らず

リーダーシップのセミナーや本によれば

強いリーダーはメッセージをはっきり発信し相手の話を聞くと同時に

自己主張はしっかりしましょう、となっています。

 

かと思うとキャリアを築くには

空気を呼んで、人との調和が何よりと説く人もいます。

 

ある知人男性からは

「社内で自分と異なる意見の上司がいた場合は

波風が立たないようにじっと身をひそめ

自分の時が来るのを待ちなさい」

とアドバイスされたこともありました。

 

ではどうすれば良いのか。

今、企業を離れて考えてみると

ネックとなっていたのは、前述した『意見を言わない同僚たち』の

暗黙のプレッシャーや

先輩男性の『波風は立てるな』と言う上からではない

周囲の空気であったような気がします。

 

こう考えると、ダブルバインドは

女性だけの課題ではないのかも知れません。

そして企業の革新を阻むものであることに

気づきます。

 

女性の働き易い組織は

つまり男女に限らず個人の意見が尊重される組織ではないでしょうか。

 

そして女性らしさ、男性らしさに

束縛されない自分自身を

育てて行く努力が必要だと考えています。

 

参考;ヒラリー・クリントンの言葉 ライザ・ロガック著 かんき出版

(YK)

女性活躍推進の目的は?

2016年1月4日

【女性のための自己変革の技術】image2

2016年も女性の活躍推進が企業の大きなテーマとなりそうですね。
女性にフォーカスがあたることは嬉しいことです。

さてアメリカでは、大統領選挙の攻防真っただ中、
ヒラリー・クリントン氏は
「父親が娘に『女性だって大統領になれる』と教えられる国を築こう」
と言っていますが、アメリカでも!?と驚きます。

1990年代、アメリカでも
リーダーとしての女性への期待は高まっていました。
女性自身、ビジネススクールへ殺到し、
研究では、経営層に女性がいる企業の業績が高いことを示して
社会全体が女性のリーダーを育てようとしていました。
しかし、アメリカでは取締役比率は2015年でも19.2%。
ノルウェーは35%でついでフィンランド29.9%、スウェーデン28.8%と北欧諸国が上位を占めています。

当然アメリカの企業もフレックスタイムや、在宅勤務、託児所、
そしてリーダー研修へ送り込むなど
あらゆる努力をして来たようです。
しかし、大企業では、依然としてキャリアの途中で男性よりも高い比率で
女性が辞めて行き、次期上級管理職候補のリストは少ないと言います。
一方、会計事務所や法律事務所では女性パートナーの数は
3倍に増えていったと言います。
考えればヒラリーさんもオバマ大統領のミシェル夫人も
弁護士ですね。
日本でも古くから女医さんは多く存在しています。
ナレッジ型の職業では女性の進出は問題がないようです。

何故なのでしょう。
アメリカの例に戻ると、女性管理職推進部門の人達は
目標を「女性の管理職を増やし、昇進させ定着させること」
に置いていたようです。
単に人事施策であり、経営戦略に結びついてはいない
ところが多かったようです。

しかし本来、企業にとって大切なのは、
前号までお話したような女性の視点や考え方、
女性だけではなく全社員の能力とスキルを有効に活用し
企業に革新を起こし価値を高めて行くことでではないでしょうか。
単に頭数の労働力としての女性を増やすことが
目的ではないですね。

そのためには、やはり組織の風土が変わることが必要でしょう。
前回、男性には密かにOJTが行われているというお話をしました。
組織が知らないうちに個々の能力を発揮する機会や意欲を
失わせていることが、あなたの組織にはありませんか。

年末、ある共働きの男性が
実は専業主婦が奥さんの男性とは話が合わない、と
教えてくれました。
男女ともに、固定概念を外して個人の価値観を尊重していくことが
女性の活躍推進にもつながるのだと感じています。

2016年もどうぞ宜しくお願いいたします。

女性の眼に映るもの その2

2015年10月26日

【女性のための自己変革の技術】

会議の席でこんな経験はありませんか。

 

例えば、上司が今月の営業成績が悪い

何か施策はないのかと

青筋を立てて話しているような時です。

女性の皆さんの眼には何が映っているでしょうか。

私は周囲の人の反応が気になったものです。

昨夜も、全員が遅くまで残業しているのに

今朝またこんなに言われたのでは

ほら、皆だってうんざりした顔している・・・

またチームの雰囲気が悪くなりそう。

あの人は神妙な顔して聞いているけど

そもそも彼がしっかりしないから

こうなっているんじゃない。

というようなことが頭を駆け巡ります。

 

一方、多くの男性はどうこの事態に対処しようか

すぐに作戦を考え始めます。

施策も言い訳もファクトに基づいて

どう説明しようか

どう次の一手を取ったらいいのか

自分のことに集中しています。

 

男性が一点集中型と前回お伝えしましたが

そもそも男性は子供の頃からゲームに勝つことや

競争で一番になることを褒められて育ちます。

女性はと言えば、周囲と仲良くし皆に好かれることを

奨励されます。

もちろん、親の教育によってそうである家庭ばかりでは

ありませんが、一般的にその傾向が強いでしょう。

そのように伸ばされた特徴の違いは、どちらが正しいとか優れている

ということではないのです。

どちらも長所であり強みとなりえます。

ただ、これまで男性型の目標達成を目指している組織においては

男性の見方が正しい、とされてしまいがちであったかも知れません。

 

しかし、現在のように革新が求められる組織にあっては

女性の広い視点、そして全体の空気を読み取る力は

大変重要な力ではないでしょうか。

急速に変化していかなければならない企業において、

何かが変であるという兆しを読み取る視点を持っていること

そしてそれを声に出して伝えられる組織であることは

大変重要です。

 

女性の管理職を増やすことは

労働力やダイバーシティの観点に加えて

リスクマネジメントの点からも必要なのです。