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Columnコラム

共感力の効能~「いいね」は自分に返る~

2018年2月3日

SNSにあれだけ皆が夢中になれる理由、それは自分が興味を持ったことや感じたことに対して「いいね」と共感してもらえるからでしょう。

「アオシドリたちップした写真を良いと思ってもらえた」「気持ちをわかってもらえた」というような嬉しさや仲間意識です。

SNSをする人はたいてい自分の投稿に誰が「いいね」を押してくれたのか認識しています。そして自分に「いいね」をくれた人の投稿には「いいね」をお返ししています。

これは律儀な日本人に限ったことでもなくインスタグラムなどでも見知らぬ人に「いいね」を押すと「いいね」が返ってきます。

「いいね」と共感してくれた人には「いいね」のお返しがあるのです。

だから、たくさんの人をフォローしている人にはフォロワーも多くいます。

 

ここからわかることは「共感してもらうと誰もが借りが出来たような気持ちになる」ということです。

そして同時に自分に共感してくれた人は好きになるのです。自分と仲間だと感じるのかも知れません。

だから、人に好かれたいと思ったら、自分の良さを主張するのではなくまず相手に共感を示すことは得策ではないでしょうか。

一方的な人気者は芸能人でもない限りいないのです。

 

【共感力の効能】

①相手の味方だということを示す

②相手に心を開いてもらえる

③相手をいい気持ちにさせる

 

しかし、SNSとは異なり日常生活において「いいね」と共感してもらえることは、そんなに多くはありません。

簡単でもありません。「あなた素敵ですね」とはなかなか言いにくいですね。

SNSだけではなく、日常で「いいね」をどうしたら示せるのでしょうか。考えてみました。

 

 

【共感の示し方】

(1)相手の話をとことん聞く

傾聴のできる人は共感力が優れています。なぜなら、誰もが自分の話を聞いて欲しいものだからです。自分の話に反論もせずとことん聞いてもらえると「理解された」と感じることがのです。

そもそも誰もが自分のことが好きです。相手の話を聞くよりは自分の話をしたい。だからこそ自分の話を聞いてくれる人を好ましく思うのです。

自分はいつもしゃべりすぎると自覚している人は、意識して会話の30%しか話さない、あとは「聴くぞ!」と決めてください。

沈黙を恐れてはいけません。沈黙は相手が考えていることもあるので、良い話が聞ける前触れかも。じっと待つ忍耐も必要です。

 

(2)相手の言葉を繰り返す

人は自分の言葉を繰り返されると「聞いてもらっている」「理解してもらえた」と安心します。

単純なことですが、これが意外に難しい。反論しないで相手の言葉を繰り返す、というのは忍耐も必要となります。

親切な人ほどアドバイスもあげたくなって「聴いてあげるよ」と言いながら自分が話してばかりのこともありますね。

「会社辞めようかな」と言われたらどうでしょう。すぐに「辞めないほうがいいよ。まだ入社したばかりじゃないか」などとすぐに自分の意見を伝えていませんか。たいていの人が自分の考えを即座に伝えたくなるのです。

しかし話した相手はというと「ただ愚痴を言っただけなのに」「そんなことは分かっているけど」と反論したくなると同時にもう話を続けたくなくなります。ただ聴いて欲しかっただけなのに、かえって不愉快さが増したりするのではないでしょうか。

そこでこう言い換えてはいかがでしょう。「辞めたいと思っているんだ?」相手の感情を繰り返してみてください。

そう言われると、相手は気持ちを受け止めてもらえたと安心して心を開いてくれるでしょう。

 

(3)感情に共感する

誰かに何かを伝えるとき、人が期待するのはそれに寄り添う言葉です。

「今日お誕生日なんだ」と言ったとき「へー節分の日に生まれたんだ」だとか「いくつになったの?」と言われたらあまり楽しくありませんね。すぐに言って欲しい言葉はやはり「おめでとう!」の一言でしょう。

たとえば「今日、携帯なくしちゃって」と言われたらなんと返しますか。「すぐ届けたほうがいいよ」だとか「あ、あきらめたほうがいいね。出てこないから」と言っていませんか。不安のダメ押しをしていませんか。

困ったなあ、と思っているとき相手から欲しい言葉は「それは大変だね!」という共感でしょう。

 

「共感」はちょっと意識して訓練すれば、すぐに反応が返せるようになりますよ。

今日から、現実の世界でも「いいね」をたくさん返しましょう。

(YK)

 

好奇心を見抜く方法

2017年7月9日

Happy hour接客に従事する人材の採用に長く携わっていましたが、現場で本当に良いサービスをするためにはどれだけ多くの経験を積んでいるかということが重要な要素だと考えて来ました。

それを知りたくて面接では、学生時代の部活やアルバイトの経験を聞くのですがそれだけでは十分ではない、年齢を経なければという部分があると、自分が年齢を重ねるに連れてますます感じるようになりました。

つまりオバサンは若い人のサービスでは満足できないところもある(笑)

でも、誰にとっても年齢は先取りできない。

ではどうするのか。好奇心が必要だと思うのです。若いアルバイトであっても母親のようなオバサンたちに好奇心を持てるか。

ここが接客では重要ではないでしょうか。

 

先日、女性の友人3人で早い時間にタパスバーへ行ったときのこと。

17時からのハッピーアワーを知っていたのでその店に行ったのですが、入ったのは16時45分。学生アルバイト風なウェイトレスがメニューを持って来ました。

ハッピーアワーはまだですか、と聞くと「17時からです」と不機嫌そうに答えます。その表情におもてなしも何も感じなかった私たちは「じゃあ、17時まで待つわ」とぴしゃりと言いました。そして17時になってからオーダーをしました。

なぜひとこと笑顔で「17時からですが、お待ちになりますか?冷たいビール先にいかがですか」と言えないのでしょう。

そうすれば、きっと私たちは待ちきれずにビールを頼んだに違いないのです。

 

こういう経験はきっと多くの方がしていますよね。

友人と何故こういう態度になるのだろうという話になりました。彼女はこの店のオーナーではなく、私たちがハッピーアワーだろうが通常の料金だろうがそれほど自分に影響はないはずです。

ではなぜ不機嫌なのかというと彼女の仕事が一度で終わらなかったから(注文を聞きに来たのにもう一度下がらなくてはならないし、自分の仕事が終わらない)、ハッピーアワー目当ての安い客だと少し下に見たから、でしょうか。

私たちの結論は、きっと彼女はこういう客の楽しさを知らないからだということになりました。つまり、共感力が足りないのです。

でも、母親くらいのおばさんに共感しろと言っても無理な話かも知れません。

オバサン3人が17時前なんて中途半端な時間ににぎやかに嬉しそうに入って来た。あーきっとお喋りしたいんだろうなあ、家に帰る前にハッピーアワーだから飲んじゃえ、というような気持ちかな楽しそう。

と、思うと返答も異なると思うのですが、まだ学生の彼女に、仕事も家庭もちょっと離れて女友達と思い切りお喋りが出来るというときの解放感と嬉しさは想像できないかも知れません。共感しろと言っても無理。

うーん、では彼女は、朝から有名パンケーキの店に並ぶ人の気持ちなら分かるのかしら。それも疑問です。そして誰もが全てを経験できるわけではありませんよね。

 

だとしたらやっぱり好奇心ではないでしょうか。

このオバサンたち、嬉しそうに来たけど何をしたいのだろう、何が好きなのだろう、お目当ては何、などと好奇心を持つ。そういう人にはきっと「察しの心」が生まれ、能動的なサービスも提供できるのです。

そして、会話も生まれるからさらに良いサービスが実行できるのです。

好奇心。

これを面接で見抜くのは、さらに難しいかも知れません。

どんな方法があるか考えて見ました。

こちらへの答えで見抜くのではなく、こちらへどのような問いかけをするのか、それを判断材料に出来るのではないでしょうか。

相手の質問から、相手の好奇心がどこにあるのかをはかることが出来るように思います。

面接官はとかく自分で話しすぎです。そして相手の答えで判断をしがちです。

しかし相手の答えは既に準備して来たこと。

相手に質問させてみると好奇心が見えて来るかも知れません。

年齢、外国人、ダイバーシティが進む社会では共感力が必要。

そのためにも好奇心必要です。

(YK)