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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

上司の信条

2021年1月31日

ボス猫以前の会社の部下からラインがありました。

彼女は今は別の会社に転職しています。その会社で社長から表彰をされたそうなのです。「川邊さんのご指導のおかげです」と報告してくれました。

彼女と働いたのはもう10年も前のこと、私の指導などではなく、彼女自身が頑張った成果だと思うのですが、報告してくれることはとても嬉しい。

転職の多い私ですが、どこの会社でも部下には恵まれ今も付き合いが続いています。

 

 

ところで、私はこの「部下」という表現はあまり好きではありません。部下とか後輩とか、普通の会話に上下関係を表す言葉を使うのは日本に独特です。

例えば、外国人の本社の人と仕事の話をしている時など「マリーがね、、」と話し始めるから「マリーって誰?」と聞くと「私のチームで庶務をやってくれている人よ」というように、仕事の役割で返ってきます。日本人なら「私の部下がね」と言うところでしょう。

日本人は入社、つまり組織に属するという感覚であるのに対し、外国人は就職、契約を結んで仕事をする、という感覚なので、小さなレベルでの順列はこだわりません。

コロナ禍でリモートワークを導入する企業も増え、またジョブ型雇用も一般的になるとこの、上司だとか先輩だとか順列にこだわることが希薄になっていくのではないでしょうか。よりフラットになって、仕事以外の気遣いや付き合いが不要になる、女性には働きやすい職場になることが期待できます。

 

とはいえ、この「部下を持つ」という経験が人を成長させてくれるのは事実です。

例えば子供を持つと親が成長するように、誰かに責任を持つという経験は人には貴重であると感じます。

背中を見せる。振り向くとついてくる人がいる。

 

優柔不断な私はダメ上司で(謙遜ではなく本当にそうなのです)、部下にフォローしてもらうことばかりでした。が、3つだけ決めていることがありました。

一つ目は、楽しく働ける職場であること。二つ目は、部下の長期のキャリアを考えて仕事を任せること、三つ目は部下を外から守ること、でした。私の上司としての信条です。

 

が、立派な心情を持っていても、組織にいれば、敵もいるし問題もある、自分自身が未熟でどうにもならない状況に追いやられることもあります。結果、部下を守り切れないこともあります。こちらが期待をかけていても、部下に分かってもらえないことも、裏切られることももちろん、あります。部下は上司のものではないのですから。

信条を貫くのは難しい。後悔も多い。

 

しかし、当事者であるうちには気づきませんでしたが、この信条に沿って経験した失敗や成功が、私を成長させてくれた一番の財産になっていることを感じています。

 

だから、昔の部下たちが利害関係がなくなった今も付き合ってくれているということは、私にとっては何よりの喜びです。「顔も見たくない」と言われないだけでもありがたい(笑)

それが私の過去の仕事の結果だと密に思っています。本当の評価をくれるのは、上司ではなく部下かも知れません。

 

もし管理職になるチャンスがあれば、是非、受けることをおススメする理由です。

(YK)