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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

第4の自分を定義する!

2021年6月27日

20210617_152127「ドラゴン桜」というTVドラマが人気です。落ちこぼれだったっり家庭の事情を抱えたりしていた高校生たちが熱血先生に指導を受けて、東大を目指すという話です。

単に根性物かと思いきや、見ているうちにこれは、アイデンティティーの再構築の話なんだ、と気づきました。そして東大は、自分の目標の象徴で「灯台」なのだと思いました。

アイデンティティーとは「自分はこういう人である」という自分の定義です。

ドラマの中の高校生は「自分なんかダメだ」「自分が東大へ行けるわけがない」「私はこういう人だから」と自分自身を決めつけています。しかし、その自分への思い込みを丁寧に懸命に力強く主人公の先生は壊して行きます。

 

 

コーチングの神様、マーシャル・ゴールドスミス博士はアイデンティティーには4つあるといいます。

①記憶されたアイデンティティ

誰でも強烈に覚えている過去の自分があります。

子供の頃は成績がよくて神童と言われていた。スポーツだけは得意だった。勉強は嫌いだし出来なかった。

もう随分昔のことであるのに、記憶に残っている自分を本当の自分の姿だと思い込んでしまいます。

社会人になってからも成功体験や失敗体験が強烈に記憶されると、それが自分であると思いがちです。

②反映されたアイデンティティ

過去の自分と他人からの評価で出来上がった自分自身です。

優秀なのにいつも肝心なところで失敗する。スポーツが得意だから当然アスリートになるだろう。ラーメン屋の息子だから勉強は出来ないだろう。

過去の自分に対する他人の評価をいつの間にか自分に対する正しい判断だとすり替えてしまうのです。

③刷り込まれたアイデンティティ

親や先生に刷り込まれた自分の姿です。

家族が成績優秀だから自分も優秀で当然だ。オリンピックに行くことが人生の成功だ。ラーメン屋の息子が大学へ行く必要はない。

影響力のある人に言われ続けていると、それが自分のあるべき姿だと勘違いしてしまうのです。

④作り上げるアイデンティティ

そして、最後に第4の自分です。過去や他人に左右されない自分で作り上げるアイデンティティーです。

ドラマの高校生たちは、「東大へ行ってスポーツ医学を学びアスリートを支えたい」「ビジネスを学んでラーメン屋の経営をよくしたい」と親や周囲の思惑ではなく、自分自身で目的をみつけることで、自分という人間を再定義しました。

 

例えば、子供の頃、運動神経が良くなく自転車に乗るのも苦手だった。そして友達が「あなたが車の運転できるわけがない」と言う、親にも「絶対に運転免許を取ってはダメ」と言われていた。私の話です(笑)。だから私は今まで免許は取らずにきました。取りたいとも思わない、最初から無理、と思っていたからです。そうこうするうちに、自分で言い訳を作っています。「私は車には興味がないから」

が、時々、本当にそうだろうか、と疑うことがあります。やってみないだけで、出来ないことではないのではないか。もしかすると好きかも知れない。私は決めつけたアイデンティティーで可能性をひとつ失っているのかも知れません。

誰にも、多かれ少なかれ、自分自身で触らないと決めつけている領域や行動はあります。そして、その自分自身のアンタッチャブルに可能性はあるかも知れません。

そもそも、出来なかった苦手だった経験は、何年前の話ですか? 子供の頃からと言うなら、ひょっとして何十年前の話では? 数十年前の短い間の経験では、今の自分とは違っているのではないですか?

 

前回、ビジョンの話をしましたが、夢物語のように誰もがなりたい自分、やりたいことをやれる自分になれるほど人生は簡単なものではありません。ドラマの高校生も全員が東大に受かったわけではありません。

しかし、もし自分自身がほんの少しでも「やりたい」「やってみたい」と思っていることを、過去の自分や他人の評価でためらっているとすれば、もったいないことですね。

 

ビジョンが描けないという人は、是非、自分自身のアイデンティティを再構築する作業してみてください。第4の自分を見つけてください。

目指すものがある人生はきっと楽しいと私は思っています。

(YK)

参考図書

「コーチングの神様が教える『前向き思考』の見つけ方」

マーシャル・ゴールドスミス著 日本経済新聞出版社刊