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Columnコラム

飽きられないために

2025年9月10日

ピカソの模倣どのような仕事にもお客様がいます。
そしてお客様から選ばれなくては、仕事は成立しません

現在、私は様々な企業からお仕事をいただく立場です。選んでいただく立場です。
が、会社員時代は人事部にいて、様々な研修やセミナー、様々な社内イベントを企画し講師やファシリテーターを依頼する側の立場にいました。

今とは逆の立場です。

担当者にとって講師の選定は非常に重要事項です。

外部にお願いするのか内部の講師で行うのか、

外部にお願いするのであればどのような方が適任なのか、
プログラムのコンテンツも重要ですが、

どのような方に依頼するかには、非常に神経を使っていました。

 

経験やスキルがあれば良いというものではなく、

何より受講する社員たちとのケミストリー(相性)、
そしてそのプログラムの目的をきちんと理解し成果を出してくれるかという点が重要で、

それはどの企業の担当者も同じだと思います。

 

さらに、私はラグジュアリー業界にいたので、ラグジュアリーとはブランドとは何かを

理解できる人材であるか否か、

社員を採用する際と同様、取引を行う相手にも求められる要因で、その判断は経験の有無だけではなく、

その人となりから感じ取るニュアンスですから難しい。

こちらのブランドバッグを愛用してくれているから、必ずしもマッチするというわけではありません。

 

そして、どんなに良い成果を出してくれる講師やコーチに出会えたとしても、
何度も繰り返すうちに必ず依頼者側に「飽き」が来ます。
最初は感動レベルだったのに、段々と慣れてしまう。

 

勝手な話ですが、こちら側の目が肥えてきて、もっと、もっと、という思いで物足りなくなったり、
また他の方にお願いしたらどんな風になるだろう、

と思ったりするのは当然の流れです。

研修の成果が上がらない要因は講師だけにあるのではないのですが、どうしても講師を変えたくなる。

 

その人事部の担当者たちの気持ちが分かるからこそ、この仕事をするようになってから私は「いつかは飽きられる」といういわば覚悟をもって?臨んでいます。

変えたくなる気持ちは止められない。

ありがたいことに弊社も設立をして12年たちましたが、

「飽きた」とは言われず長くおつきあいいただいているお客様もあります。

また久しぶりに思い出してご依頼を下さるお客様もいます。

しかしながら、こちらは長くお付き合いいただければ当然、経験は増えて熟練もしていきますが、

お客様の現役社員とは年齢は離れて行きます。

 

いつか、「またあのおばさん先生ですか」と言われる日がくることも頭をよぎります。
結構心配しています(笑)

もしかしたら企業の中にも、同じようなことを心配しながら働いている方はいるかも知れません。

 

さて、百貨店の中のラグジュアリーブランドのお店が定期的に改装をするのは、新鮮な姿を見せて再びお客様に来ていただくためです。

私も常にスキルも知識もリニューアルすることを心がけています。

しかし、自分自身でやることには限度があります。

特に自分の成功体験は捨てられない。だから同じパターンになりがちです。

 

そこで、いったん自分自身を置いておいて、

お客様が必要とすることは何だろうと考えてみると、周囲にいるコーチ仲間が私にはない

解決の手段を持っていることに気が付きました。

そんなわけで、今年後半は、立て続けにコーチの仲間の協力を得ての新規プログラムを提案しています。
「禅」、「ストレングスファインダー」、「質問力」。

既に評価をいただいている企業もあります。

そもそも「オモテナシズム」の理念は、互いの思いを交差させて大きな世界観を作ること。
9月で13年目を迎えるオモテナシズムにご期待ください。

(YK)

禅式思考とストレングスファインダー

2025年7月18日

松島

私の周囲には(というとコーチングや人材育成関連の方々なのですが)「禅」を勉強し得度した人や「禅」を実践している人が多くいます。

 

デジタル社会に疲れた人たちに「必要な習慣」として「禅」や「マインドフルネス」がもうずいぶん前から注目されています。

 

 

多くのタスクやミッションに追われる人たちにとって「手放すこと」「執着を捨てること」を意識することが大切であり、禅式思考が効果的だと言われています。

手放せは新たなものが入ってくる。

特に日々、時間に追われて働いている女性には取り入れたい思考法かも知れません。

 

一方、「執着」することはマイナスなのだろうか、とも実はずっと考えています。

執着する気持ちがあるからこそ、生きる活力が生まれるのではないだろうか。

そもそも子供の頃教わったことは、簡単にあきらめないこと、継続すること、だったはずと思うのです。

一概に「昭和的」と言っていいのでしょうか。

 

もう少し単純な例でいくと、物を整理する断捨離が良いとする風潮。

確かに、すっきりした部屋でシンプルに暮らせば、面倒くさくないし心も軽くなりそうです。

でも、これも日本人は物を大切にするのが美徳、と言われていたのではないか。

捨てることを奨励するって、そしてそれを転売するって、その手間こそ私にとっては面倒です。

 

そんな折、知人のコーチからストレングスファインダーというギャロップ社の診断ツールを使ったコーチングを受けました。

この診断では、強味を34個に分類して示し、強味のトップ10を教えてくれます。

 

そしてそのTOP10の私の強みの一つに「収集心」があるのを知りました。

「好奇心を持ち、情報、アイデア、芸術品、人間関係も含めて収集し保管する」

確かに私は一度始めたことはやめない、あきらめない。

実を結ばなくても、使っていなくても、捨てるのが苦手です。

知人はコーチングのなかで

「様々な収集を行っているからこそ信頼性の高い情報に基づく判断を下したり

アウトプットをすることが出来る!」

収集することは私の強みだった!

コーチに認めてもらい心が楽になりました。

 

断捨離できず増え続ける書籍や印刷物、アルバムの数々、

腹をたてても縁を切らない人間関係、

私にとって捨てられないのは、それも含めて未来へつながるものだと気づいて腹落ちしました。

 

一方、ここ数年、私がやっていて気持ちの落ち着く時間が3つほどあります。

その一つが書道。

もう20年以上、字の上達が目的ではなく、また展覧会に出すことをするわけでもなく、

ただひたすら経文(般若心境だけではなく)や石碑に残された古人の隷書、草書、楷書などの写しをお手本に毎月数枚を仕上げています。

 

賞を目指すわけでもなく、誰かに見せるわけでもなく、それでも長く続いている理由、

それは、上手になりたいという「欲」がない、ただ書くことが楽しい、だから継続しているのだと最近気づきました。

まさにこれは禅的。

 

もしかすると企業のおいても、意味のないことを一生懸命やる時間、を取り入れるのも良いのかも知れません。

かつての日本の会社や学校では、掃除をする時間、がそれであったのかも知れません。

 

さて、私はさらに、茶道のお稽古、禅リトリートと全て気づけば禅的活動が増えています。

そしてそれらを手放すどころか活動を「収集」継続しています。

執着を捨てようとして始めたことに執着して、ますます忙しくなる、

しかし終わった後の爽快感は、スポーツにも似ています。

これも人間らしいことなのかなと納得しています。

 

禅の視点を取り入れたセミナーを開始します。是非一度、ご参加ください。

(YK)