日本人の影響力
2022年12月13日
日本人の評価が上がっています。
サッカーのワールドカップのお掃除が有名になって他の国へも影響を与えていることは話題になりました。ウィルスの感染は好ましくないけれど、こうした良い習慣も伝染するとしたらとても良いことです。
そして、先日、所用で香港へ行ったときのこと。
銀行でカウンター内の行員女性たちがひそひそと「日本人よね」と広東語でささやいています。「日本人だけど何か?」と尋ねると私たち来月日本へ行くのよ、と嬉しそうです。
ヌードルショップに入ると、店員の女性が私に対して満面の笑みで接客、私に接客するのが嬉しそうなのはなぜかと思っていると最後に「ありがとうございました」と待っていたかのように日本語で見送ってくれました。
こうした経験を香港領事館関係の方に話すと、ここ急速に日本人の評価が高まっているとのこと。香港の人口の半数近い人たちが毎年日本へ旅行に行くようになり、しかもリピーターが増えて日本への理解と共感度が増しているとのことです。かつては愛想のなかった香港人が、私が日本人であるというだけで満面の笑みで接客してくれるとしたらそれは素敵な伝染です。
現地の知人たちも口々に「入国制限が解けて日本へ行くのをほんとに心待ちにしているのよ」と熱意をもって語ります。
そして彼らの動機は決して円安によるものだけではなく、美しい景色、美味しい食事、心地良いサービスです。
私が住んでいた20年以上前も日本人の評価は悪くはありませんでしたが、それは日本や日本人を直接知っている人のことであって、中には戦争時代のイメージを上の世代から植え付けられている人たちや、特に理由もなく日本人嫌いも同僚の中にはいました。日本人であるというだけでハラスメントを受けた経験もあります。また、かつては豊かな日本人は絶好の商売相手ですから片言の日本語を話す人も多くいました。
日本人の私はというと、強い経済力と技術力を持つ日本出身であることが誇りであった気がします。
今、香港名物のヴィクトリアハーバーのイルミネーションは、かつてはソニー、日立、セイコーと日本企業が一等地を占めていたのに、今ではほとんど韓国や中国の企業に代わってしまいました。
また、片言の日本語で話しかけられることは少なくなりました。もはや日本人はお土産や偽物の時計を買ってくれる人ではなくなったので、日本語を話すモチベーションもなくなったのでしょう。
一方、円安は続き、香港でもこれまでにない貧しい気持ちにさせられました。安くておいしかった飲茶は高価なランチになってしまいました。
また多様な人々への対応力は、アジアの国々の中では日本は後進国と海外へ出るたびに感じます。例えば香港ではIDカードの申請のような役所は20時まで開いています。様々な立場や職業の人に対応する体制が整っています。困難を経験している香港ではあるけれど、コロナを含めそれを克服して進化する様子を見ると、日本にいて香港の行く末を心配している場合ではないと感じます。
時代や立場は変わり、多くの外国人が実際に来日し良い体験をして、そして日本を好きになり、彼らの行動に良い影響を与えたとしたらそれは、世界に対する素晴らしい歓迎すべき影響力ではないでしょうか。
インバウンド=金儲け、というかつてアジアの人たちが日本人を見ていた図式を私たちが取るのではなく、日本の持つ素晴らしいソフトスキルを広めること、心地よい社会を作るリーダーシップを執ることは2023年の日本の目標として意義があり、そしてビジネスチャンスと捉えるとわくわくしませんか。(YK)