リーダーに必要なおもてなし力
2019年7月13日
最近、書店で「人望を集める人」だとか「リーダーの礼儀正しさ」というようなテーマの本がよく売れているようです。
私たちはオモテナシズム設立当初から、「おもてなし」とは他人に対する思いやりや配慮といった温かな心であると訴えてきました。そしてその温かな心を示すために、笑顔や相手を承認したり、共感したり、傾聴する、感じの良さ「おもてなし力」が必要であると考えています。
感じの良い人で構成されている組織であれば、誰もが安心して働くことができます。だから接客サービスに限らず、組織で働く全ての立場の人に「おもてなし力」は必要です。
そして、それを浸透させるにはまずリーダーが「おもてなし力」を磨かなければならないと考えています。
しかし、多くの企業では「おもてなし力」は営業社員や販売員、社会に出て間もない新入社員には必要であると考えいるのに、管理職にも必要だと感じている企業にはあまりお目にかかることがありません。
では、上に立つ人ができているかというと、これらの本が人気を博しているところを見ると、状況は明白です。
これまでリーダーシップの要素としての「おもてなし力」はあまり注目されていなかったのではないでしょうか。
さて、これらの本を読んでみると、以下に「失礼な人」が企業の損失を招いているかを述べた後で、笑顔の効果や、同僚や部下を名前で呼びましょう、というような多くの新入社員研修でマナー講師が教えているようなことばかりです。
今、上に立つ人たちでも、そこそこの大企業であれば新入社員時代にこうしたことはどこかで教わっているはず、ですよね。
今、上に立つようになって、できていないのは、忘れてしまったのか、身についていなかったのか、あるいは、自分たちが部下の時代にお手本となるリーダーたちが、笑顔や感じの良さを見せてくれていなかったからかも知れません。「部下を持つようになったら、笑顔でなくてよいのかも。むしろ強面のほうが権威がありそう」と感じても不思議はありません。
そうきっと「おもてなし力」のあるロールモデルがいないのですよね。
とはいえ、世間に知られている成功しているリーダーと呼ばれるひとたちの多くは、「おもてなし力」イコール「人間力」を備えていることは知られています。
「おもてなし力」は連鎖です。自分がもてなされなければ、他人をもてなさなくなります。
優しがが欠如する組織になり、それは今、国をあげて取り組んでいる働き方改革に逆行します。他人をおもいやることができなければ、制度があっても良い職場にはなりません。
先週、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川さんが亡くなりました。大勢いるスタッフを名前で呼ぼうとすると、間違えてしまったとき傷つけるから一貫して誰に対しても「You」と呼び掛けていたそうです。それも一つの手だと思いました。名前であれば理想的ではあるけれど「きみ」だとか「ちょっと」ではなく「You」というユニークな呼びかけにかえって一員であるというメッセージと愛情が感じられたのでしょう。
価値観の異なる人で構成されている時代、肩書だけで他人を動かすことはもはや難しくなります。
「感じの良さ」はビジネスに必要不可欠な武器となります。
ビジネスだけではなく、大切な人と良い関係を築いていくために欠かせないスキルです。
さて、「感じがいい人」になりたいビジネスパーソンの皆様、オモテナシズムは研修も個人コーチングもいたします。
今さら、笑顔の練習ですか、と言わないで感じの良さをいち早く磨いておくことをお勧めします。
キテますよ!
YK