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Columnコラム

お医者様のおもてなし力

2016年3月15日

久しぶりに扁桃腺が腫れて発熱し

近所のかかりつけのクリニックへ行きました。

 

このクリニックはまだ出来て4年くらいでしょうか、

神経外科と内科を40代の先生がご夫婦でなさっているのですが

近所では大人気でいつも混雑しています。

 

というのも先生がお二人とも大変感じが良いのです。

目と鼻の先にある昔からある医院は

経験豊かな先生なのですが

いつの間にか閑古鳥になっているようです。

 

さて、私の扁桃腺は数日たっても抗生物質が効かないので

点滴をすることになりました。

ベッドに横たわっていると他の患者さんと女性の先生との会話が聞こえてきます。

「美人先生に会うと本当に元気になるんだよね~」

と高齢の男性の大きい声。

女医さんもセクハラがあるんだなあと思いながら

でも、そいえば、私の母も先生に面と向かって

「先生、かわいい!」と言っていたことを思い出しました。

 

この先生、美人というより、(いえきれいな方ですが)

いつも笑顔で、話し方がなんとも優しいのです。

そして何か診察の動作をするたびに

こちらにまず許可を求めます。

「背中でいいので音を聞いてもいいですか」

「血圧を図らせていただけますか」

そして、恐らくプロの先生にはいらぬ情報を話しても

「あら、そうですか」とじっくり聴いてくれるのです。

アメリカの病院へ留学経験がある方なので

きっとコーチングを勉強しているのではないか、

と憶測しています。

この丁寧な会話の結果、診察時間は長く、待つことも多いのですが・・

 

今日もその患者さんに

「ポリープはなかったのですよ~良かったですね」

と共感を示し

「その他の結果は5日後に来ていただけますか」と伝えて

「お待ちしています!ありがとうございました」

とにこやかな声で送り出す、まるでブティックかどこかの会話のようなのです。

 

最近は検査結果やレントゲンばかり眺めて

こちらの顔をまともに見てくれない先生も多いですが

病院にこそ優しい会話は必要だと思うのです。

深刻な顔に深刻な表情で返されたら心配になりますね。

好き好んで病院に行く人はそうそういないはずですから

緊張を解いて欲しいですよね。

 

町の病院であればなおのこと

患者さんが会いに来てくれるからこそ

成り立つ商売なのですから。

 

地域医療に政府が力を入れようとしている今、

患者さんと医者の信頼関係を築くには

お医者様のおもてなしマインド重要ではないでしょうか。

 

で、私の扁桃腺は快方に向かっています。

(YK)