勝ちたがるクセありませんか?
2025年2月7日
相手に共感したり承認したりすることが大切であることは、多くの方が知っているでしょう。
でも、日々、皆さんの周囲にはこのような会話がありませんか。
「喉が痛いときには、ハチミツを舐めるといいみたいよ」と言われて
「ああ、知ってる。毎日舐めてる」と答えた。
別にそれだけの会話ですが、教えてくれた相手を少しがっかりさせたかも知れません。
何故なら、相手は知識をひけらかしたかったのではなく、心配して言ってくれているからです。
友人同士であればまだ良いけれど、仕事で部下や後輩からの提案にそう答えていたら
「もう二度と教えてあげない!」と相手は思うかも知れませんね。
「極度の負けず嫌い」
コーチングの権威マーシャル・ゴールドスミス博士は名付けています。
何を犠牲にしても、どんな状況でも、まったく重要でない場合でも勝ちたいと思う気持ち。
負けたくない。
この場合、ささいなアドバイスを知らない、さらに「知っているということを誇示したい。
些細なエゴです。
そこをぐっと押さえて会話の間に一言いれるとかなり異なった印象になるはずです。
「ありがとう。そうなのね」
自分が既に知っているかどうかは、言わなくてもいいのです。
何故ならこの会話で大切なのは、あなたが相手の心配してくれる気持ちを受け取ることのほうが大切だからです。
「今週末、トレッキングに行く予定なの」と言ったら
「ああ、私は興味ない」と答えられた。
自分のうきうきした気持ちや楽しみをちょっと共有したかったのであって、相手を誘っているわけではないし、興味を聞いているわけでもなかったのに、この返答では白けてしまいます。
なんだか自分の楽しみをけなされた気がします。
「わあ、素敵ね。晴れるといいね」でもいいですし
「どこへ行くの」と興味を示してあげれば相手は、自分の気持ちに共感してくれたと満足なのです。
単純なことなのに、誰にでも「自分は知っている」「自分は相手に迎合したくない」というエゴがあります。
相手の言葉を素直に受け取らない、同意しない。
昨今、多様性は重んじるということが重要視されています。
自分とは異なる人の気持ちを承認する社会が多様性のある社会です。
自分は違う意見や考えを持っていても、まず相手の発言は受けとめることは大切です。
難しいと感じる方は、ただ相手の言葉を繰り返してみてください。
「はちみつがいいのね」
「トレッキングへ行くのね」
それだけで相手は聞いてもらえたことで安心します。
あなたが知っているかどうか、興味があるかどうかはここでは関係ないのです。
是非、相手のつぶやきに自分の良し悪しを押し付けないように、頭の片隅に置いておいてください。
(YK)
参考「コーチングの神様が教える「できる人」の法則」 マーシャル・ゴールドスミス著(日経ビジネス人文庫)