頭の中の臥薪嘗胆
2023年7月12日
誰でも人は、多かれ少なかれ、頭の中で自分自身と無言の会話をしています。
「こうすれば良かった」「今度はああしよう」
それは自分を振り返ったり判断をしたりするときには、役に立つ必要な対話です。
しかし時によっては、それが「内なる批判者」となって自分自身をせめてしまうことがあるようです。
私がよく自分の頭の中でつぶやく言葉がいくつかありますが、それはどれも子供の頃に何かのきっかけで他人に言われたり、
自分が強く影響を受けたりした言葉です。
例えば私の場合、「臥薪嘗胆」という四文字熟語です。
「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」とは将来の成功を期して苦労に耐えること。
高校時代、王貞治元監督似の漢文の先生が、目を見開きすごい熱弁で「中国の時代の武将が薪の上に寝て苦い胆をなめながら再起を誓ったのですよ!」と説明をしてくれた言葉でした。
薪の上に寝たら痛いし、胆を舐めるってどんな味がするんだろう、と私の心に強烈な印象を残して、それ以来、難しいことに出会うと「臥薪嘗胆、臥薪嘗胆」と頭の中で繰り返しています。
漢文の先生には感謝で、この言葉のお陰で私は負けず嫌いになったところもあるのですが、同時に強いプレッシャーになることもあるのは事実です。
あきらめてはいけない、という想いが逆に自分を責めてしまい物事を手放すことが苦手です。
他にも私の頭の中で繰り返す言葉はいろいろありますが、どれもどこかのタイミングで誰かに言われてインプットされた言葉や価値観です。
また誰もが心の中でブレインストーミング(アイデアを出す)をすることはあるでしょう。
自分一人でああでもないこうでもない、ああなったらこうしよう、と仮説を考えて自分と対話することはプラスです。
言葉を持っているからこそできることです。
が、それが「こうなったらどうしよう」「そうなるはずがない」とネガティブな思考を繰り返すとマイナスになります。
こうして考えてみると、心の中の対話は自分自身の自信を獲得するために、上手く使う必要がありそうです。
そして大人になった今、過去に与えられた言葉の扱いとともに、私たちは他人(特に子供や部下に対して)に対して言葉で影響を与えていることに敏感でありたいと思います。
自分も他人もポジティブな言葉で認める。
前向きな言葉をプレゼンとする。
習慣にしていきましょう。
(YK)
参考図書:『Chattaer「頭の中のひとりごと」をコントロールし最良の行動を導くための26の方法』 イーサン・クロス著 東洋経済新報社
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