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Columnコラム

人との出会いは真剣勝負

2017年6月1日

茶の湯

東京国立博物館特別展「茶の湯」

先日、週末に知人女性が主催をして女性ばかりのワークショップを行いました。

週末なるべく多くの女性に集まって頂きたいと価格は抑えめ。

それでもお茶とお菓子を用意したいと主催者の女性は準備に余念がありませんでした。

前日に彼女から打ち合わせの電話がありました。

「コーヒーカップが足りないけれどあるかしら?紙コップではね?」

私は、人数も多いしいつも他のセミナーでは紙コップはおろか、お茶も出ないところが多いので

「いいのではないでしょうか」と答えたら彼女からの返答はこうでした。

「だってオモテナシズムだし。テーマはココ・シャネルに学ぶ、だし。紙コップはないでしょう」

 

 

さすが、グローバルな数々のおもてなしを経験している先輩女性です。

私は電話のこちらでたちまち赤面。

おっしゃるとおり。

それはいつも自分が言っていること。

グラスひとつであってもブランディングには重要なのです。

おもてなしは細部に宿ります。

「ラグジュアリーは裏も表も美しい」とはココ・シャネルの言葉です。

結局、全て陶器の食器を準備していただきました。

毎回、セミナーをする時には「一期一会の気持ちで、お互いにベストを尽くしましょう」と言いながら、ついつい細部を見逃していた私。

もし、ここに皇室の雅子様が出席するとしたらどうでしょう。

いくら私でも当然気が付いて準備していたに違いありません。

でも、私の話を聴きに来て下さる方はどなたであっても、たとえ無料の時でもお客様です。

雅子様以上に大切にお迎えしなくてはいけないはずです。

それがオモテナシズム流のはず。

それなのに、自分が出来ていませんでした。

 

 

紙コップに気もちがこめられないわけではありません。

ただ、大切な人に美味しいお茶を飲んで頂くためには、少し手間であっても使い捨てではない食器を用意しその準備と片付けにも時間をかけるプロセスが「おもてなし」なのです。

いつもどこでも出来るわけではありませんが、私が「おもてなし」を語っているのであれば実践しなくては、誰も信じてくれませんね。

そしてそれがオモテナシズムのブランドを示すこと。

 

一流の「おもてなし」には絶対失敗しないという緊張感が必要です。

ちょうど今、上野の東京国立博物館で「茶の湯」という特別展が開催されています。

そこには数々の茶器や茶の湯にまつわる道具が展示されていますが、当時の茶人が権力者たちをもてなした時の茶器や掛け軸がかかっています。

どんな思いで選んだのだろうか。

ひとたび気に入らないとなると、機嫌を損ねてしまう危険性すらあったでしょう。

そう思うと真剣に見入ってしまいました。

人と人との出会いは、取返しの付かない真剣勝負です。

現代では、私たちはとても簡単に人をもてなしています。

場所と時間と物、もっともっと相手を考えなければと

心新たにしています。

YK

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