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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

嵐の後に~バウンスバック~

2019年9月18日

ハイビスカス

台風の翌日排水溝で咲いていたハイビスカス

働いていれば誰でも悔しい思いを経験することはあるでしょう。

この夏、仕事で腹立たしい出来事がありました。今考えれば「自分が想定していたとおりに物事が進まなかった」というだけの話でよくあることです。が、その直後には私はかなり憤慨していました。

 

私の頭の中で何が起こったかというと、ぐるぐると、このコラムで自ら紹介している女性にありがちな思考の癖が回り始めたのです。

「私の努力を見ていてくれると思っていたのに」「やっぱり男同士のコネクションは強い」と相手を責めたと思えば「私はやっぱり実力が足りないんだ」「もっと主張しておけば良かった」などなど、「ああすれば良かった、こうすれば良かった」と「たら・れば」を考えて眠れない夜を過ごすことに。

 

他人に言うのも悲しくなるほど悔しくて、それでも翌日、たまたま親友と電話をする機会があり、ちょっと触りを話しているうちに、「あれ、これ私が女性の皆さんに常日頃やめましょうと言っている悪癖じゃない?」と訴えている自分が恥ずかしくなり、電話を切るころには冷静さを取り戻しました。

そもそも私が勝手に傷ついたり腹を立てているだけであって、他の関係者は今ごろぐっすり眠っているに違いないのです(笑)

 

さて、では、こういう時はどうすれば良いのでしょう?

深呼吸をしてみる。これは最近の一番効き目のある方法です。脳に空気を送り冷やすとよいようです。

そして、とりあえず、「放置!」と決めて振り返りをやめます。この決める、ということがポイントです。自分と自分が指切りするイメージを私は浮かべます。

そして目の前のことに専念してみる。アイロンをかける。プラントを植え替えてみる。

普段やらない無駄なことをする。ちょっと贅沢なお弁当をデパ地下で買ってお料理はしない。バラエティ番組を見て「アハハ」と声を出して笑ってみる。

皆さんも通常の気晴らしの方法はお持ちだと思います。

 

しかし、腹立たしいことや悔しい思いを抱えているときに、気分を変えることは、言うは安し、行うは難し。他人にコーチングを行いセミナーでお伝えしている私でもなかなかできることではなく、自分で方法論を見つけるしかありません。

 

とりあえず、ひととおりバカバカしいことをやったうえで、そんなことばかりやってはいられないので、PCに向かって仕事を始めると、現実に戻っている自分に気が付きます。

嵐のような怒りを乗り切ると、静けさは必ず訪れます。しかし、せっかちな私はかつては嵐の中にいち早く乗り越えようとして何度も転覆してきました。台風の夜は、船出はしない、川のそばには近寄らない。原則です。

 

さて、今回、私にはこのタイミングでとっても嬉しいニュースが舞い込みました。

腹を立てていたことよりもずっと、私にとっては価値のある嬉しい知らせが届いたのです。

さっきまで世界が私を全否定していたような気持ちでいたのに、今度はファンファーレが頭の中で鳴り響きました。落とされた分、さらに舞い上がります。

何があったのかはお伝え出来ないのですが、他人には価値がないことでも自分にとって価値のあることって誰にでもありますよね。

どんなに小さくても大きくても、自分にとって嬉しいことをきちんと認識して受け止められることは、どん底からの立ち上がりを速くする重要なコツでしょう。

 

数日後、その顛末を友人に打ち明けました。

と、友人曰く「それってバウンスバックっていうのよ!」。

バウンスバックとは、ゴルフでボギーかそれより悪い成績をたたいた直後のホールで、バーディかそれ以上のスコアを出すことを言うそうです。

今、人気のゴルファーの渋野日向子が得意とするところだそうで、どんな悪いスコアでもスマイルを忘れない彼女ですが、実は心の中は悔しさが充満しているとか。にっこり笑って「取り返してやる!」とリベンジして成功する。

友人は説明してくれるとにっこり笑って「まさにそれね!川邊さんすごい!」と褒めてくれました。

なるほど、何かにぶちあたったとき、悪癖が登場しそうになったらにっこり笑って封印し、力に変える!

こんなときに的確なコメントをくれる友人に心から感謝です。

 

女性の悪癖は、壁にぶつかったときに登場しやすい。改善法はいろいろありますが、まずは認識することから。

そして、ぼやく相手、自分を持ち上げてくれる友人を持つことも、ぜひリストに加わえましょう。

(YK)

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