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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

英国のサーバントリーダー~奉仕することを約束する~

2022年9月12日

エリザベス女王エリザベス女王がお亡くなりになりメディアでは連日女王の姿が流れています。そのひとつ「私の人生が長かろうが短かろうが国民に奉仕する」と宣言する若き女王は「Service to people」という言葉を使っています。

またチャールズ新国王は「忠実に愛と尊敬をもって皆さんに奉仕する」とやはりServeという言葉を使い宣言しました。

Serve、日本語では仕える、奉仕する。Servantとは誰かに仕える人、奉仕する人です。女王も国王も君臨するのではなく国民に奉仕する存在、Servant Leaderなのだ、と気づきました。

 

 

私たちは奉仕する、というとつい奉仕する人が目下で奉仕されるのが目上と考えます。

サーバントリーダーというリーダーシップスタイルは「弱弱しいイメージがある」と企業ではあまり浸透していないようです。

しかし、まさにエリザベス女王は人々への愛と敬意をもって人々を導いたサーバントリーダーといえるのではないでしょうか。新国王が使った、愛と尊敬をもって忠実に奉仕する、これはサーバントリーダーの最も要となる姿です。

そして政治力を持たない女王が、大きな影響力を持ち世界を動かしていたことは注目に値します。

 

自らの姿勢で道を示す(お手本)

サーバントリーダーは人に強制をしません。影響力による説得を行います。自分自身の姿勢を見せることで人に気づきを与えます。エリザベス女王は自らの私生活で失敗することがあったとき、その過ちを認める姿勢をも国民に見せて、あるべき道を示してきました。一般庶民にもあるような家庭内のいざこざにも、国民は共感したり反発したり議論したりすることが許されています。そしてその過程で人々は自らのあるべき姿を探っていたかもしれません。

また女王は、イギリス人の大切な行事のクリスマスには自ら国民への想いを語る。イギリス国民の3人に一人が女王を直接目にした経験があるそうです。

 

女王の奉仕とは、国民とコミュニケーションをとり、人の話に耳を傾け、あるべき姿を示すことであったのでしょう。究極のロールモデルです。イギリスの人々が母を亡くしたような喪失感を感じているというのも理解できます。

 

エリザベス女王の最後の公務はトラス首相の任命でした。女王に女性首相のいる国。イギリスに3人もの女性首相が誕生しているのも女王の存在が影響していたように思います。

強く抱擁力のある女王の下で、イギリスの女性はリーダーになることは不自然なことではないと感じられるのではないでしょうか。女性のリーダーをイギリス人は抵抗なく受け入れられたのではないでしょうか。

エリザベス女王の下のイギリス連邦のニュージーランド、オーストラリア、カナダにおいても女性首相が誕生しています。

またデンマークも女王に女性首相です。

会議室に女性リーダーの肖像画を飾った部屋と飾っていない部屋とでは、女性の会議での発言力(自信)が高まるという調査があるそうです。

切手やコインといたるところで女王の姿を目にするイギリスの女性には、意識するしないにかかわらず自信を持たせてくれる象徴であったかも知れません。

 

イギリス国歌の「God Save the Queen」には女王を持つ誇りが感じられます。「イギリスには女王がいるんだからね」というような自慢しているように聴こえませんか。

これからは「God Save the King」です。自分たちに仕えてくれるから「神よ女王(国王)を守ってくれ」と唄い、自分たちも頑張る!女性であれ男性であれ、奉仕してくれる人に人は奉仕する。

 

遠い国であってもいつも素敵な姿で道を示してくれていたエリザベス女王に感謝したいと思います。

R.I.P

(YK)

 

サーバントリーダーを深く知りたい方は↓

「受容と共感のコミュニケーションスキル」

https://omotenacism.com/seminar/2022/0912/2242/

 

【参考図書】

「サーバントであれ~奉仕して導く、リーダーの生き方」ロバート・K・グリーンリーフ著 栄治出版

「ワークデザイン」 イリス・ボネット著 NTT出版