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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

管理職になりたい理由

2016年1月27日

【女性のための自己変革の技術】

 

企業の女性活躍推進の担当者から

どうしたら、女性が管理職になりたいと

自ら思ってくれるのでしょうか、

という相談を受けます。

 

日本の大手企業に共通する課題のようです。

 

正直なところ、実はその女性の心理は

私はあまり理解が出来ません。

 

というのも、私がいた外資のラグジュアリーブランド業界では

どこも多くの女性が管理職を目指して

戦々恐々としていたからです。

自動的に昇進はないので、

その希望をあからさまに出す出さないは別として

常に他の人の後釜を狙っている、

またはポジションを上げるために転職のチャンスを

狙っている女性がほとんどでした。

 

私もその一人で、常にどうしたら上に行けるのか

戦略を常に練っていました。

 

何故、私の周囲にいた外資企業の女性たちは

昇進を好むのでしょう。

理由を考えてみました。

 

まず、最初から男性優位であろう企業体質が嫌で、

日本企業ではなく外資に入社している女性たちであり

アシスタント業務からのスタートではないので、当然、昇進もしたいという思いの人が多いから。

次に外資の場合、

社内移動は少なく専門性のある仕事に長くいるので、

本人たちもその道のプロフェッショナル=その部門のトップになり、次の転職を有利にしたいと考えるから。

三つ目の理由は

管理職になると給与や待遇があからさまに良くなるから。

例えば、マネージャーになった途端にビジネスクラスに乗れるというような目に見えての待遇が良くなるし

管理出来る予算も大きくなる。

そして四つ目の理由。

管理職になると本社からは<カウンターパートナー>と呼ばれて担当部門と直接、意思疎通が図れる。

仕事がやりやすく自分の意思も伝わりやすくなり、自分の想いを伝えることが出来る。

最後に

本社への出張の機会が与えられ、グローバルな場面で活躍するチャンスが出来るから。

そして、それはかっこいいから。

 

もちろん個人差はあると思いますが、

おおかたこんなところではないでしょうか。

 

パワーを手にして仕事に個人の想いを繁栄させる。

一言で言えばそういうことでしょうか。

 

そして、上記を実現させて

楽しそうに働いている女性たちが目の前にいるのです。

「あの人に出来るのだから私にも出来ます」

上司としてそんな訴えを聞いたことも

何度もありました。

 

とはいえ、私のいたような中規模の外資は

世界に知られたラグジュアリーブランド企業とはいえ

女性の働く環境は日本企業のようには、至れりつくせりではありません。

長期の海外出張もあれば、部署によっては深夜まで及ぶ仕事もあり

家庭との両立は容易ではありません。

そして、管理職は、常に職務を全うする事を求められるので言い訳は出来ません。

しかし、アシスタントのままであっては、華やかな舞台は回らないし、

またアシスタントのままではいつか派遣社員にとって変わられてしまいます。

だからこそ、昇進してパワーを手にしたいのです。

パワーを持つことの価値に気づいているのです。

 

皆さんの会社ではイキイキと働く管理職がどのくらい、いらっしゃいますか。

名前だけ上司、名ばかり管理職では価値は伝わりません。

 

ロールモデルとは、

必ずしも仕事と家庭の両立をしている女性

ではないのかも知れません。

 

本当の意味で、管理職としてのパワーをきちんと使える人こそ

追従者を作るのではないか、

今年はそこを考えて行きたいと思います。

(YK)

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女性活躍推進の目的は?

2016年1月4日

【女性のための自己変革の技術】image2

2016年も女性の活躍推進が企業の大きなテーマとなりそうですね。
女性にフォーカスがあたることは嬉しいことです。

さてアメリカでは、大統領選挙の攻防真っただ中、
ヒラリー・クリントン氏は
「父親が娘に『女性だって大統領になれる』と教えられる国を築こう」
と言っていますが、アメリカでも!?と驚きます。

1990年代、アメリカでも
リーダーとしての女性への期待は高まっていました。
女性自身、ビジネススクールへ殺到し、
研究では、経営層に女性がいる企業の業績が高いことを示して
社会全体が女性のリーダーを育てようとしていました。
しかし、アメリカでは取締役比率は2015年でも19.2%。
ノルウェーは35%でついでフィンランド29.9%、スウェーデン28.8%と北欧諸国が上位を占めています。

当然アメリカの企業もフレックスタイムや、在宅勤務、託児所、
そしてリーダー研修へ送り込むなど
あらゆる努力をして来たようです。
しかし、大企業では、依然としてキャリアの途中で男性よりも高い比率で
女性が辞めて行き、次期上級管理職候補のリストは少ないと言います。
一方、会計事務所や法律事務所では女性パートナーの数は
3倍に増えていったと言います。
考えればヒラリーさんもオバマ大統領のミシェル夫人も
弁護士ですね。
日本でも古くから女医さんは多く存在しています。
ナレッジ型の職業では女性の進出は問題がないようです。

何故なのでしょう。
アメリカの例に戻ると、女性管理職推進部門の人達は
目標を「女性の管理職を増やし、昇進させ定着させること」
に置いていたようです。
単に人事施策であり、経営戦略に結びついてはいない
ところが多かったようです。

しかし本来、企業にとって大切なのは、
前号までお話したような女性の視点や考え方、
女性だけではなく全社員の能力とスキルを有効に活用し
企業に革新を起こし価値を高めて行くことでではないでしょうか。
単に頭数の労働力としての女性を増やすことが
目的ではないですね。

そのためには、やはり組織の風土が変わることが必要でしょう。
前回、男性には密かにOJTが行われているというお話をしました。
組織が知らないうちに個々の能力を発揮する機会や意欲を
失わせていることが、あなたの組織にはありませんか。

年末、ある共働きの男性が
実は専業主婦が奥さんの男性とは話が合わない、と
教えてくれました。
男女ともに、固定概念を外して個人の価値観を尊重していくことが
女性の活躍推進にもつながるのだと感じています。

2016年もどうぞ宜しくお願いいたします。

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