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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

多数になると安心する

2024年7月22日

山頂の喜びこのコラムでは男女差を随分扱ってきました。

が、この数年多様性に関する意識が進み、あまり違いを訴えるとそれこそが差別ではないか、

というご意見をいただくようになりました。

特に20代30代の方からに多い感想ですが、本当に男女差は世間では意識されなくなっているのでしょうか。

 

先日、知人の主催する一日リトリートに参加しました。

お寺で座禅をした後、相模湾を見下ろす大磯の山をトレッキングするのですがこの山道が半端なくきつい。

それでも自然の中で自分を見つめなおすには最高の機会なので、時々参加しています。

 

毎回7,8名の参加者で性は1,2名です。

今回は、現地に集合すると色とりどりの服装の女性が集まっています。

6名の参加者のうち女性が4名でした。

「わあ、良かった!」

最初の私の感想です。

今回は暑い日が続いていて熱中症アラートも前日は出されていたので、実は参加を相当ためらっていました。

体調がおかしいと感じたらリタイアしよう、

と一抹の不安を抱いていた私は女性が多数派であると知りほっとしました。

何故でしょう。

 

女性が多ければ、体力的には同じだから山を登るペースが遅くなる。

女性が多いと、トイレの休憩やリクエストを出しやすい。

彼女たちも同じように感じているに違いない。

単純な理由です。

 

案の定、女性二人が途中でショートカットをして頂上へ一足先に上り待つことを選び、

下りはタクシーを呼び、それでも最後にはふもとの古民家に集合し楽しい反省会となりました。

 

私は、予定どおり全ルートを完走。

山頂からの景色は感想した満足感で違って見えるし、山頂で食べるアイスクリームの味はさらに美味しい。

自分の体力に自信も付きました。

いつもは同行者に迷惑をかけないようにというプレッシャーがあったのが

「いつリタイアしてもいい。私だけではないのだから」という気持ちが安心感につながり

後押ししてくれた気がします。

 

また驚いたことに旧知の仲であっても男性たちと登るより、初対面の女性たちと登るほうが気が楽でした。

同性がいることが、心理的な安全をもたらせてくれたようです。

歩くスピードも女性に合わせ、水分補給も頻繁に行う、女性が多いからこそ女性の体力への配慮です。

 

さてトレッキングの人員構成で起きた変化は、組織についてもあてはまるのではないかと思います。

役員や管理職が集まる会議では多数派が男性という企業は、いまだに多いでしょう。

とすると、やはり、そこで意見を言うのは少数派の女性には難しいかも知れません。

今回のトレッキングで言えば「トイレに行きたい」と言いにくいのに等しい感じかも知れません(笑)

 

違いは緊張感をもたらします。

ある私の公開セミナーで、女性ばかりの参加者に男性がひとりということがありました。

その方は片隅に座り発言は少なく、終わるとさっと帰って行きました。

そもそも外見や自分とは異なる人の間に入って緊張感を感じるのは動物としての本能です。

良い悪いの問題ではなく、男性が女性ばかりの中に入っても同じことは起こります。

出来うる限り、メンバー構成にはバランスを取る、あらためて理にかなっていると思いました。

 

 

最近、男女共学の大学へ行ったときのこと、メイクアップをしている男子学生や全く性別不明の服装の女子学生が目につきました。

近い将来、外見でアウェイを感じることは、男女ともになくなる時代が来るのかも知れません。

それまではなんらかの配慮や工夫は必要でしょう。

 

異常に暑い夏、少なくとも体調管理については男性も女性も正しく自分で管理して主張しましょう。

(YK)

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