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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

10年後に何を着ていたいですか?

2021年4月8日

シャネルファッション以前から、日本の働く女性たちはもっと服装に意識を働かせても良いのではないかと感じていました。

 

女の子なのかお母さんなのか、キャリアを目指しているのか女性らしさを強調したいのか、カジュアルなのか手抜きなのか、よくわからない曖昧なファッションの女性を多く見かけます。それが好きだから、楽だから、好みだから、というのは理解できるし、好きなものを着ればいい、とやかく言えばハラスメントと言われるかも知れません。しかし、正直なところ、それでは仕事を任せられませんよ、という思いを感じています。

 

私自身がファッションの会社に勤務していた頃、イケてない服装では部下たちに馬鹿にされるという苦い経験もしているのでなおさら、気になっていました。

 

最近、ドラママスタイリストの西ゆり子さん書いた本を読んで、そのもやもやを一気に払拭してもらえました。西さんは、数多くの人気ドラマの人気女優さんや役者さんたちのスタイリストをなさっています。脚本を読み込み、その登場人物がどのような人生を歩みどんな考えや価値観を持っているのかを想像し、服を通して視聴者に表現する仕事。演じる女優さんの陰で、服で役の人物に肉付けをしているお仕事です。

 

西さんは、服はその人自身を表す名刺と言います。

裏返せば、ドラマの人物ではない現実の世界で、現在進行形で生きている私たちは自ら意識するしないに関わらず、着ている服で自分自身の人生観や価値観を表現していて、そして自分で気づかないうちに他人に判断されているのです。

 

キャリアファッションは自分の名刺代わり。常に「なりたい自分」をイメージしながら服を選ぶこと。

これはもうビジョンの話です。「なりたい自分」きちんとイメージできるか、イメージが出来ないとファッションも中途半端になるということです。自分が何者であるか、自分でわかっていないから中途半端は服になってしまう。

 

迷ったら服はさておき、まずは10年後に自分がどんな人間になりたいのか、どんな暮らしをしたいのかをイメージしてみましょう。

 

まさにビジョンメイキングと同じです。将来の自分を思い描けるか、ゴールを決めるためには、自分がありたい姿をイキイキと描くことから始める。

ビジョンを描ける女性は多くはありません。それにはあまりに目の前の現実にとらわれすぎていて、先のイメージが浮かばないのです。

 

でも、服装をイメージしてみたら想像しやすくなるのではないでしょうか。10年後もビジネススーツを着ていたいのか、ウェディングドレスを着たいのか、カジュアルウェアでのんびり過ごしたいのか、頭に描いてみれば、それに伴って自分が身を置きたい環境も頭に浮かぶでしょう。そして、思い描いたら、それが実現するように、もちろん行動を起こしてください。

 

バブル時代に流行した田中康夫の小説「なんとなくクリスタル」は、主人公の女性が30代になってもモデルの仕事を続けていたい、そして、「三十代になった時、シャネルのスーツが似合う雰囲気をもった女性になりたい」と表参道を歩きながら考えるシーンで終わっています。

令和の時代の10年後、皆さんは何をしていたいか、そしてどんな服が似合う女性になっていたいですか。

 

参考:「ドラマスタイリストという仕事」西ゆり子著  光文社

(YK)

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