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Columnコラム

ハンカチと豚の貯金箱

2017年6月18日

実は先日、贈り物で失敗をしました。

香港の仕事先の女性が転職するというので、いつもお世話になっているお礼のつもりで書類を送る際にあわせてハンカチを贈ったのです。

地元横浜のブランドの美しいハンカチ。

彼女はすぐにメールをくれて「とってもきれい!ありがとう」

と言ってくれました。

 

さて、もう会えないつもりがやはり出張しなくては仕事が済まなくなり彼女の最終出勤の一日前に香港へ。

再び顔を見ることが出来て良かったのですが、全ての引き継ぎが終わった後に彼女が「これあなたに」と思いがけずプレゼントをくれました。

いつもクールな彼女がそんなことをしてくれるなんて、かえってハンカチで気を使わせたかしらと思いつつも嬉しくなりました。

「あけてもいい?」と聞くや否やその場でプレゼントを開けてみると出て来たのは金色の豚の貯金箱!

背中には福の字が書いてあるではないですか。

金ぴかの可愛い顔の豚・・・・

びっくりしてしまった私。

「わー、縁起が良さそう!、お金たまりそう!」

取りあえず言うと

「かわいいでしょう」

と彼女はにっこり。

そして「商売繁盛祈っていますね。会社が成長しますように!」と言ってくれました。

 

 

さて日本に帰国してから調べると、やはり金色の豚の貯金箱は風水グッズで中華系の人達には人気なようです。

中華圏だけではなく、豚は子だくさんでヨーロッパでも冨の象徴を表し、日本でも豚の貯金箱は人気なよう。

特に、金色は玄関に置くとお金が入ってくるそうです。

金の豚あらためて彼女の心づくしの品物に感謝。

ところが、それと同時に中華圏の人に贈ってはいけないものがいくつか書かれていました。

時計、傘、扇子、刃物、粽、ハンカチ・・・

え、ハンカチ!

お香典のお返しに使われるので永遠の別れを暗示して縁起がよくないと書いてあります。

私は豚で驚いたけど、彼女もハンカチで驚いたかしら。

知り尽くしていると思った香港でしたが私もまだまだ知らないことがありました。

異文化のコミュニケーション、気を付けなければ誤解の元になりますね。

 

ところで、彼女とのオフィスでの最後の別れ。

香港人は見送りをあまりしません。

彼女は4年の付き合いですが毎回、オフィスのガラスのドアを私が出るや否や背を向けて奥の部屋へと戻っていきます。

日本人の癖で振り向くと、彼女はそこにいない(笑)

最後くらい名残を惜しんでくれるかなあ、と今回も後ろを振り向くと既に彼女の立ち去る後姿がそこに見えました。

あっさりしています。

方法は異なるけど、商売繁盛を祈ってくれたことが

何より彼女の気持ちなんでしょうね。

多謝。

YK