logo

Columnコラム

海外でトイレに入ってみると

2018年7月10日

香港トイレ日本以外の国に行くと日本の清潔さは際立ちます。

本当に海外の公衆トイレへ入ると「なんでこうなの!?」と驚くことがしばしばあります。

床がびしょびしょで、そのうえトイレットペーパーまでしっとりしていたりして、その理由が不明でした。

最近、わかったことはアジアの国々ではお掃除は、床に消毒液の入った水を撒いていること。

だから濡れているイコール掃除をしている、清潔だと思っているらしいのです。

そしてホースで水を撒いたりするから、トイレットペーパーまで濡れてしまいます。

からりと乾いた清潔なトイレがないのはそういう理由だったのですね。

 

しかし最近、香港の空港のトイレで気づいたことがありました。

列が出来ているのです。以前であったら、トイレに列などなかった気がします。

空港は各国の人が使用しますから、自然にそうなっていったのでしょうか。

現地に住む日本の人たちは衛生観念の薄さを嘆いていますが、

30年以上香港を見て来た私には確実に衛生レベルはともかくマナーの質はあがっていることを感じます。

トイレの状態も以前よりは、スプレー式除菌剤が設置されていてかなりよくなりました。

恐らく数年後には、香港のトイレもかなり向上するのではないかと期待してしまいます。

 

しかし、日本以外の国では「トイレをきれいに使うこと」を含め掃除全体が精神面には結びついていません。

清潔にしていないから、後に使用する人を考えていないからと言って、その人の人間性を疑われることはありません。

トイレをきれいにすれば幸せになるという発想も、風水師がうたわなければ生まれないかも知れません。

 

一方、地下鉄に乗ったとき、目の不自由な女性が杖を持って乗ってきたときのこと。

すぐに皆が席を立ち、同時に私の隣の席の中年女性がさっと立ち上がると彼女の手を取り空いた席まで連れて行きました。

降りるときも同様です。

マナーが良いと言っている日本では、めったに目にしない光景です。

お年寄りが乗ってくるとすぐに立ち、子供には声をかける。

 

道徳心にも色々な表現があり、価値観が異なると行動が異なります。

日本人の価値観だけで、他の国を見て判断を誤らないようにしたいと思います。

(YK)