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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

どちらが月でも太陽でも~どちらに合わせるということではなく~

2021年11月23日

皆既月食「女性に合わせろということですか?」

女性にありがちな習慣や心理を紹介したダイバーシティ研修終了後、参加者の40代の男性から不満そうなつぶやきが聞こえました。

「どちらがどちらに合わせるということではなく…..」と答えようとすると「結局、女性をどうしたら変えられるんですか」との質問に私も思わず気持ちが昂り「女性は男性のやり方にこれまで合わせてきたのですから」と言い返しそうになり、あわてて言葉を飲みました。

 

旧態以前、「昭和の男ですね」などと笑い話には出来ない、実はまだまだまだ多くの日本人が持っている意識だと思います。しかし、ここまであからさまに言われるとは、少しショック。がっかりしました。

 

また、先日、ある芸能人が情報番組で夫婦円満の秘訣を「奥さんがにこにこ笑っている家庭は幸せだから、奥さんを怒らせないようにしている」と語っているのを聞きました。この人の奥さんはどのように思っているのでしょうか。奥さんだって彼の幸せのために日々努力しているのではないでしょうか。

 

さらに愛妻家を自認する男性にありがちな「奥さんは承認を求めているのだからねぎらってあげましょう」というような発言。奥さんが大変なのは、そもそも自分が原因ではないのか考えてみたらよいのに、と不快に思います。

それなのに「優しいですね」と相槌を打ってしまう自分(笑)。

内心感じていることと空気を読んでしまう発言のギャップ、ぶれているなあと自分自身が嫌いになります。

 

一見、女性に配慮しているるように聞こえるこれらの発言ですが、冒頭の男性と同じです。上から目線なのです。相手を弱いもの、かばってあげるもの、と捉えるのは優しい行為のようですが、実はそこで上下関係を作っています。

そして罪なのは、そのことに気が付いていない。本当に優しいつもりでいる人たちです。

 

宇宙飛行士の向井千秋さんが、1985年に宇宙飛行士の募集要項に「男女を問わない」とあったことについて本当に感謝していると述べています。

「女性は守ってあげないといけない存在だから、危ない仕事に就いてはいけません」という風潮の時代に活気的であったというのです。

そのおかげで、女性の可能性だけではなく宇宙研究にさらなる広がりが出来たのではないでしょうか。

もう40年近く経ちましたが、さすがに公にはこのような発言はないものの、冒頭にあげた男性のパートナーに対する感覚は、男性にも女性にも無意識にもっている人たちは、まだいるような気がします。

 

誤解しないでくださいね。

パートナーをねぎらったりいたわったりする必要がないと言っているのではありません。

男性が女性にだけではなく、女性が男性に、相互に支えあうことが大切であり、どちらかに合わせるのではなく、双方が自分のやり方で生きることが出来る社会でありたいものです。

そして変えられるのは自分自身だけ。相手は変えられません。

 

さて、私自身、辛口ばかり言うのではなく、性別問わず、共感し配慮してくれる人といたいと思いますし、また自分自身もそうあるよう努力しなくてはと戒めています。

お互いを月と太陽に例え合った元プリンセス夫妻。どちらが太陽でも月でも、お互いがなくては地球は存在しないこと、

忘れないでおきましょう。

(YK)