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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

失敗の受け止め方

2017年7月31日

margaret-thatcher-67746_960_720このところ女性政治家の話ばかりになりますが、先日、女性大臣と女性党首が辞任しました。

私は政治家の女性たちを、この最も保守的な世界において重責を担うのは、大変だろうなあ、辛いだろうなあ、自分であったらと置き換えて(図々しく)心境を察していました。

政治的なことや良い悪い、好き嫌いは別として、そういう立場に対する共感と同情です。

しかし、辞めた二人とも辞意表明のあとにニッコリ微笑んだのを見て「私とは違った・・」とあらためて女性をひとくくりにする危険性と違和感を感じています。

 

さて、思うように物事が進まなかったり失敗をしたとき、あなたはどのような反応を示しますか。

①運が悪かったと思う、②時機が悪かった、いつかまたやれるだろうと取りあえず忘れる、③自分の能力不足や準備不足を悔やむ、④他人のせいにする。

私は③の自分のせいにしてくよくよするタイプですが、これは私に限らず女性の多数にある傾向だそうです。

コーネル大学の心理学者ディビッド・ダニング博士の調査によると、難しい課題にぶつかって解決出来なかったとき、男性は「ああ、この課題は難しいぞ」と外的な要因にするのに対して、女性は「やっぱり私は優秀ではないんだわ」と自分のせいにする傾向が見つかったそうです。

男性は物事を受け流し、自分で背負いこまず「時と場所が悪かった」と考えるのに対して、女性は「私は何を間違えたのだろう」と考えこむそうです。

その結果、女性はもっと勉強しなければと完璧主義に走り、完璧になるまでは手を上げたり意見を言うことが出来ない。

何故、こうした男女差があるのかというと、どうも脳の作り方が影響しているようです。

女性は男性よりも脳を広く使った物事を考えるので、色々な要素を吟味して結び付けて考えてしまう傾向があるそうです。

だから、女性は共感力や強調性があり、直感も働くそうです。

そう理解すると、女性が能力が不足しているのではなく、単純に女性がより深く考えているだけなのだと分かります。

気にしているかいないかの違いで、能力の差ではない。

じっくりと考える力は強みです。

他人のせいにする人よりは、自分自身を反省する人のほうが好感は持たれるのではないでしょうか。

 

さて、辞めた女性政治家二人について、ある女性評論家はこう表現していました。

「彼女たちの問題は能力のあるなしではありません。彼女たちに人がついて行くと思いますか? 誰もついて行かないでしょう?」

まさにそこだと思います。

どんなに優秀であるかは、経歴と発言からしか知り合いでなければ計り知れません。しかし、私たちは、どんな服を着て表情をして、話し方をして、どんな雰囲気を醸し出しているかから、その人となりを敏感に感じ取ります。

女性であるとか男性であるとかではなく、安心して着いて行きたい人であるか、信用出来る人なのか、を私たちは全身から発されるメッセージで判断しているのではないでしょうか。

 

組織で成功するためには、折れそうな心ではなく、鋼のような心が時に必要。

でもそれは、自分を必要以上に痛めない鋼の心であって、他人の痛みを感じない鋼の心であってはなりません。

優しすぎることはリーダーにとってはマイナスと思われていた時代もあります。

リーダーは、厳しい状況での判断が求められるから、優しさは邪魔と思われていたのかも知れません。

しかし現代のように「働き方」が問われ、作業がAIにどんどん置き換えられる時代であるからこそ、人間の感情がフル活用される必要があるのではないでしょうか。

感じることが出来ないならAIでいいのですから。

女性の感受性はますます強みになっていくでしょう。

 

まだまだ、ロールモデルが少ない女性リーダー。

女性を否定することでもなく、女性を売り物にするのでもなく、共感する心をもっともっと恐れず見せる女性が登場して欲しいと思っています。

(YK)

参考図書;

「ガラスの天井」が破れる瞬間ー女性の成功哲学ー シャロン・レクター著 さこ書房

なぜ女は男のように自信を持てないのか   キャティー・ケイ&クレア・シップマン著 CCCメディアハウス