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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

Cool head but warm heart冷静な頭脳と暖かい心で!

2022年6月9日

黒白チェス「冷静な頭脳と温かい心」(Cool head but warm heart) 。イギリスのケンブリッジ大学のアルフレッド・マーシャルの言葉だそうです。経済学者のあるべき理想の姿だそうです。

経済のみならず色々な事柄についてもっていたい姿勢ですが、先日こんなことがありました。

 

ある大手企業の研修で出会った30代の男性の発言です。

「女性だから男性だから、なんて意識は僕には全くありませんね。女性も働いて欲しいし、女性の能力は組織に必要なこと、当然ではないですか」。

そのとおり!やはり時代は変わって来たと、心強く思いました。こういう男性が増えることが、女性の管理職を増やすことになるでしょう。

ところが、アンコンシャスバイアスの話に及んだ時、その同じ彼から出た言葉に私は戸惑いました。

「やっぱり男はリーダーシップを執らなければ男ではない、サポートしてくれる女性が必要ですよね」と悪びれずに言うのです。

 

さっき言ったことと逆行していませんか、と尋ねると「男ってそう言う風に育てられるんでしょうね。男は母親を求めているんですよ」との答えが返ってきました。

正しい自己分析かも知れませんが、それが自分のバイアスであり、矛盾していることには全く気づいていないようです。

 

家族は会社より大切だと言うし、同僚女性への理解もあるというやる気満々のリーダー。しかし、彼の周囲の女性は大変なのではないかと想像してしまいました。

もしかすると、会社の女性には活躍して欲しいけど、パートナーには家事を任せているのでは。会社の同僚女性も家に帰れば家族はいるかも知れないし、パートナーも会社に行けば仕事があります。

 

ダイバーシティの研修を長年していて、最近、仕事観や意識の男女差はギャップが小さくなってきたと実感しています。

しかし、いくら理屈でダイバーシティを理解しても、共感する力がなければダイバーシティは現実のものとなりません。

理解はしているつもりでも、言行不一致になっていませんか。自分が理解をしているだけで、状況や当人たちの気持ちをきちんと確認していますか。 理解だけでは共感には繋がりません。

 

Cool head but warm heart それにwith  fair action (公平な行動)を付け加えてご提案したいと思います。

(YK)

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あなたが忙しい理由~女性の活躍を阻む12の習慣⑥➆⑧~

2019年1月28日

女性の習慣⑥➆⑧ほとんどの女性は真面目です。だから、日々、どんな仕事でも丁寧に全力投球しています。

そして女性は利他の精神にあふれています。だから、毎日、自分の仕事以外に上司や同僚から仕事がどんどんふってきます。「出来る女性」ほど、ただでさえ忙しいのに、急な依頼であっても、または自分の仕事でなくてもチームのためならばという親切心と責任感から引き受けてしまいます。

女性は一度に複数のことを考えることが出来るので、同時に仕事もこなすことが出来るという話は以前もしましたが、結局、女性は有能なので仕事は増える一方です。

それは、仕事だけの話ではなく、家庭でも友人関係においてもありがちで、日々目の前に起こることをこなしてこなしても忙しく時間に追われてしまいます。

そして、そんなに忙しく働いていながらではいったい何をキャリアビジョンに描いているのかと聞くとわからない、と答える女性が多いのも事実です。

 

この原因となっているのが、以下の3つ「女性の活躍を阻む習慣」です。

⑥ 自分のキャリアより目の前の仕事を優先する

➆ 完璧主義

⑧ 他人を喜ばせることに執着する

 

確かに自分に課せられた仕事は小さなことでも重要なことでもきちんとこなすことは、組織で働く上では正しい姿勢です。

そして、チームとして仕事を果たそうとする責任感は、将来、管理職になるためには必要なマインドセットです。しかし、今、自分が本当に時間と労力を使わなくてはいけないことな何なのかを考えずに引き受けてしまってはいませんか。

また、それが自分の職責にある仕事だとしても、自分のキャリアを構築する仕事なのかどうかを見極め、力の配分を考えているでしょうか。

やみくもに仕事をかかえ「忙しい」状況に陥っているとしたら、少し見直す必要はありそうです。

 

例えば、私がまだ20代、某企業の経理部に勤務していた時のこと、予算編成の時期に一つ上の先輩男性から各部門部の経理担当者との予算交渉のアポ取りとスケジューリングを頼まれたことがありました。私の担当する仕事ではありません。が「女性が窓口だとスムーズにいくから」と言われて上司でもない先輩の仕事を自分の仕事を差し置いて手伝いました。大企業であったので、結構、大変な作業でした。無事に終わったときには、彼は難航する予算策定をまとめ上げたということで昇進しました。私はと言えば、彼から「助かったよ、今度ビールでも御馳走するね」の一言だけで、私の貢献は社内では誰にも評価はされませんでした。逆に自分が先輩の立場であったら、自分は全てを一人でやったでしょう。何も手伝う必要のない仕事を好意で手伝ったのでした。

「いえいえ、私は自分のキャリアはともかく皆が喜んでくれてサポート出来たなら嬉しいのです」という人もいるでしょう。

その心がけは美しいけれど、男性を観察してください。ほとんどの男性は、私の先輩のように頼まれごとはほどほどに上手に他人にふって、自分が成果を上げることに時間を費やしています。

 

もうひとつ、女性が自分を忙しくする原因が➆完璧主義です。

女性は何でも完璧に仕上げたいという傾向があります。

手抜きをしません。「出来る女性」の多くは責任感が強く、一度任されたらきちんと最後まで投げ出さないで成し遂げる、与えられた仕事に関しては完璧に成し遂げる、それをモットーとしている人は多いのではないでしょうか。

それは素晴らしいことなのですが、完璧な仕事を目指そうとする人は、他人に仕事を振ることが難しくなります。相手と自分の基準が違うとそれがストレスになるので、任せるよりは自分でやったほうが早いということになります。だから、他人には仕事をふられるのに自分の仕事はふれないのです。

 

また、完璧主義者は、時に必要以上に「やりすぎてしまう」傾向もあります。

依頼されたことに付加価値をつけようと張り切って、やりすぎてしまい「そこまでしなくても良かったのに・・・」と逆に指摘をされたことがありませんか。全てが完璧である必要はなく、ほどほどの時間と結果を出せば良いこともあるのです。

女性から見て、男性が「適当だなあ」と見えるのは、実はうまく時間と労力を自分の目的達成のために調整しているのです。

 

さあ、ではなぜ自分の時間を犠牲にしてもチームのため、同僚のため、仕事を引き受けてしまうのでしょう。

⑧他人を喜ばせることに執着する

これも女性にありがちな習慣で曲者です。

前回のコラムでも取り上げたように、女性は子供の頃から、真面目に勉強をし良い子にしていると褒めてもらえました。そして、皆と仲良くしなさい、と良い人間関係を構築することを奨励されて育ちます。

大人になっても女性は利他(誰かのために)という姿勢を見せることで承認されると信じているのです。

だから、前回のコラムでも書きましたが、「良い仕事をすればきっと誰かが見てくれていて報われる」と思っているのです。

これは素晴らしいことですが「一生懸命頑張っていればきっと誰かが気づいて報われる」という幻想はビジネスの世界では現実にはなりにくいものです。

これからは、何を目指しているのか、何をやろうとしているのか、が見える人になりましょう。

 

この⑥➆⑧の3つの習慣は、他人の視点を気にかけすぎていることから起こります。求めているのは他人の評価、他人からの承認です。

自分がこの会社・組織にいて成し遂げたいこと、自分の成果は何であるのか、これを意識すると仕事の断捨離も進むはずです。

(YK)