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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

シンデレラの教訓から

2017年4月27日

女性に白雪姫限らず誰でも思考の枠を持っています。

また「こうあるべき」という自分自身や他人への

縛りも持っているのではないでしょうか。

 

先日、あるところで「良き妻ってどういう妻?」

という話題になりました。

「家事をしっかりやって、夫に尽くし夫をたてて・・・」

と言ったことろで、皆で笑ってしまいました。

本当にそう思っているかは相手に聞かなければ分かりませんね。

男性が10人いれば、求める良き妻の姿は10通りあるはずです。

「女子力」という言葉も「良き妻」に通じるものかも知れません。

「女子力」と言われてなんとなく、

誰もが納得出来てしまうのですから、

社会的な共通の枠を持っていると言えますよね。

 

こうした思考の枠はどこでどうして作られるのでしょう。

ひとつには、多くの女性が、子供の頃、童話やおとぎ話を

聞かされたり読んだりして育ちます。

物語への憧れの度合いは個人差もあるでしょうが、

ディズニーの映画や絵本で見た美しい女性のドレスと共に

記憶している女性は多いのではないでしょうか。

 

白雪姫、シンデレラ、眠れる森の美女、

なぜかどれも母親は継母で邪悪で、

それでも明るく一生懸命良い子でいると

素敵な王子様が助けてくれるというストーリーです。

しかも共通するポイントは、皆に好かれること。

見た目も可愛いこと。

そして得た幸せはかなり受動的な幸せです。

こうして、両親が積極的に情報操作しない限り、女性の枠は作られて行きます。

もちろん、中にはこうした枠に囚われない女性もいます。

ピンクは着ないし、ディズニーは嫌い、と。

それはそれで「女子力のなさ」を感じて自信を無くす人も作られるのです。

 

大人の皆さんは、残念ながらもう王子様などいないことは

分かっていると思います。

しかし、それでも女性は尊敬されるよりは好かれたい、

と思う傾向にあるそうです*

 

皆に好かれること。

これは社会生活においてはとても大切なことであり

組織で上手くやって行くうえには欠かせない要素です。

しかし、ビジネスの世界では皆の意に反して

意見を通さなければならないこともあります。

ここで矛盾が生じてしまうのです。

 

シンデレラも良くストーリーを見てみると自分の意志をはっきりと伝えています。

しかし、パーティに行きたいと言えば、笑われてあしらわれ

ガラスの靴の持ち主を探しに来たお城の召使に会おうとすれば

継母たちに拒否されひどい下働きが待っています。

静かに探してくれるのを待つほうが結果は良いのです。

 

また、女性は男性よりもずっと若い頃から

自分の外見が気になり、全ての女性のうち90%が

自分の容姿の何らかを変えたいと思っているそうです。*

これもプリンセスの影響でしょうか。

いつも主人公は美しいのですから。

ちなみに白雪姫の継母は、若い白雪姫の容姿をねたんで

魔法をかけてしまいました。

若い時だけの話ではありません。

女性の美への執念は怖い。

そして、それはなぜかビジネスの世界でも続きますから

気にするのは、無理はありません。

(某女性大臣のフェミニンな服選びが話題になっていますが

何を着ても良いと思う反面、プリンセス思考かなと

余計な推察をしてしまいます・・)

 

美女と野獣が、美男と野獣という映画になったら

そんな偏見は思いこみである、という

強いメッセージになるのではないかと思うのですがいかがでしょう。

 

とはいえ、周囲を想う優しさや気遣いは

お姫様による影響だけではなく、女性の特性です。

精神分析医のダニエル・エイメン博士は

「女性の脳は男性の脳より活動的で、共感力、直観力、協調性、自制心、

そして適度な心配に関連している」

と述べています。*

これらは、まさに「おもてなし力」。

「女子力」ではなく「おもてなし力」としてさらに発揮していくには

何の損することはないでしょう。

強みなのです。

 

相手の気持ちを配慮し、全体の空気を察する力があれば

今、話題の大臣のような発言は出ないはずです。

そして現代のスピードの速い時代、

旗をふるだけではなく、それぞれのチームの個性を活かすリーダーには

間違いなく最も重要なことのひとつです。

 

ではどうしたら、「皆に好かれること」と「自分の意志を通すこと」

を共存させられるのか。

これは、私自身の課題でもあるのですが

また次回、お話します。

(YK)

*参考図書:「なぜ女は男のように自信を持てないのか」

キャティ・ケイ&クレア・シップマン著CCCメディアハウス発行