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Omotenacism for women女性のためのオモテナシズム

性能が良すぎる女性のレーダー

2019年3月25日

女性ヘッドフォン女性は幅広く物事を一度に察知する能力、性能の良いレーダーを持っているため、それが時に弊害になります。

たとえば、パートナーや配偶者の様子の微妙な変化を察知し、あらぬ疑いを持ちその疑いを夜な夜な心の中で反芻する、そしていっきに爆発してしまったというような経験を持つ女性も多いのではないでしょうか。

だから女性は恐れられます。面倒がられます。

最初から話があらぬ方向へ行きました(笑)。女性が細かいことに気が付きすぎて、また周囲への気配りが過剰すぎて起こる弊害が、12の習慣の最後の二つです。

 

女性の活躍を阻む12の習慣

⑪ 反省し過ぎる

⑫ 周囲を気にしすぎる

 

女性が細かい点に気が付く能力が優れ、他人を喜ばせたいという習慣があるということは前述したとおりです。

他人の思惑を気にし、他人にどう思われているのかも気になります。

そのために起きてしまったことをいちいち記憶の中から取り出してみては、ああすればよかった、こうすればよかったと後悔する傾向も強いのです。

細かいことを記憶している女性が多く、男性は忘れっぽいというのもこの習慣に基づくものです。

繰り返し繰り返し頭の中でシーンとして思い出しているので、記憶にも定着してしますのです。

それが成功体験であれば効果的なのですが、おうおうにして失敗した場合にこの習慣が起こると自信の喪失の元になります。

 

最近、この12の習慣についてお会いする女性に感想を尋ねています。

「全てあてはまります!私のことです」という方もいればそうでない方もいるようです。もちろんあくまで傾向であって、押しなべて女性全てが同じであるはずもなく、逆に「僕にもそういうところあります」とおっしゃる男性もいます。

しかし、ほとんどの女性がこの同意することとしては「自信がない」という点です。「自信がない」という背景には「知識を重視しすぎること」「基準を高く設定して謙虚であること」「経験値が低いこと」などいろいろ要因はあるでしょう。

自信をつけるためには、効きすぎるレーダーに入ってくるもの全てに惑わされず、自分自身の本来のタスクへ集中することが必要です。

起きてしまったことには、反省ではなく次に同じことがあったら「私は克服できるんだ」とシナリオを書き換えていく努力が必要でしょう。

 

コーチングの神様と言われるマーシャル・ゴールドスミス博士は、自分自身を振り返る際に「能動的な質問」をすることを勧めています。

「私は自分の成果をきちんと主張したか」と自分に尋ねる代わりに「私は自分の成果をきちんと主張する努力をしたか」と結果ではなく、自分自身の努力について尋ねるのです。

「私は今日同僚に優しくしたか」ではなく「私は今日同僚に優しくしようと努力したか」と尋ねます。

出来たか出来なかった、ではなく、自分自身が前へ進んでいる努力を確認するだけで、随分自信は生まれ前向きな気持ちになれるでしょう。

だって、女性は誰でも毎日、努力の連続なのですから!

(YK)

 

参考資料;「なぜ女は男のように自信をもてないのか」キャディー・ケイ&クレア・シップマン著 CCCメディアハウス

「コーチングの神様が教える「出来る女」の法則」 サリー・ヘルゲセン&マーシャル・ゴールドスミス著 日本経済出版社

 

 

謙遜と承認~女性の活躍を阻む12の習慣⑨⑩~

2019年3月1日

三人官女「私はこんなに頑張っている、分かってね」でも自分でそんなこと主張するほど「私は図々しくない」。

この相反する思いが「女性の活躍を阻む12の習慣」の⑨と⑩です

 

⑨小さく見せたがる

皆さんは会議の席でどこに座りますか。自分がメインの役割を担っているときでも席を勧められるまでは下座に座っていませんか。あるいは、宴席で乾杯の音頭を頼まれたときに断っていませんか。是非男性を観察してみてください。堂々と真中に座って、他の人が来ても席を詰めようとしない人もいますね。乾杯の音頭やスピーチを頼まれれば、臆せず引き受けています。

また「私ごときが」「私なんて」と自分を卑下するような言葉を使っていませんか。

あるいは何かを提案するときに「既にご存知でしょうが」「余計なことかも知れませんが」「的外れかも知れませんが」などと謙遜しすぎていませんか。

かくいう私も必ず使っています(笑)「是非、私にやらせてください」「良い提案があるのでお時間いただけませんか?」と言われたほうが、相手はポジティブな気概を感じるはずです。

過剰な遠慮はかえって「へつらい」に見えるし、仕事の話で相手が過剰に謙遜されると面倒ですね。「いえいえそんなことはないでしょう」と返して欲しいのかなと思ってしまいます。 面倒くさい人にならないように。

 

⑩全てに過剰(やり過ぎる)

感情的。話が長い。自分の話ばかりする。

女性は1日に2万語で話すのに対し男性は7千語程度だそうです。ワークショップのディスカッションで延々と話す女性が必ずいます。全体の時間配分や他のメンバーの事を考えれば、自分の持ち時間は分かりそうなのにしかも、自分の話で時間を取る。一生懸命話しているのに、「いつ終わるんだろう」と周囲は興味を失っているのに気づかない。自分が話すことでスッキリするのでしょうか。

上司に提案や報告をする際に、状況や背景、そしてなぜ自分がそう考えたのかプロセスまで懇切丁寧に説明をしたい、時には第三者の登場者の会話の再現までしているうちに「それで結論は?」と急かされた経験のある方は要注意です。

そうなってしまうのは、「分かって欲しい」という承認欲求と「自分の考えが受け止められるだろうか」という不安から来るのかも知れません。

また個人的な話や感情をあからさまにしすぎる人、あるいは全く伝えない人。適度な自分の開示は仕事においても必要なことはあります。ただし、職場はビジネスの目標に向かう場所であることを念頭におけば、公私のけじめはおのずからつくはず。

女性は個人的な情報を開示しあうことで、親しさを感じ良い関係を構築する傾向があるのに対し、男性はひとつの目標に向かう同志としての信頼関係を仕事で築こうとします。

仕事場においても共感や承認は大切です。しかし、様々な価値観の人が存在するわけで全ての人に自分の個人的な感情や想いを押し付けることは出来ません。同僚・上司からの共感と承認は、仕事の達成のプロセスと結果において得ることを目指しましょう。

 

しかし、がっかりすることばかりではありません。

他人への気配りと豊かな感情は、他の人を受け入れる優しさにもなりうるわけで、部下や同僚の気持ちを受容出来るのも女性の長所なのですから。

(YK)

参考図書;コーチングの神様が教える「出来る女」の法則 サリー・ヘルゲセン&マーシャル・ゴールドスミス著 日本経済新聞社

*日本語訳が出版されました!

あなたが忙しい理由~女性の活躍を阻む12の習慣⑥➆⑧~

2019年1月28日

女性の習慣⑥➆⑧ほとんどの女性は真面目です。だから、日々、どんな仕事でも丁寧に全力投球しています。

そして女性は利他の精神にあふれています。だから、毎日、自分の仕事以外に上司や同僚から仕事がどんどんふってきます。「出来る女性」ほど、ただでさえ忙しいのに、急な依頼であっても、または自分の仕事でなくてもチームのためならばという親切心と責任感から引き受けてしまいます。

女性は一度に複数のことを考えることが出来るので、同時に仕事もこなすことが出来るという話は以前もしましたが、結局、女性は有能なので仕事は増える一方です。

それは、仕事だけの話ではなく、家庭でも友人関係においてもありがちで、日々目の前に起こることをこなしてこなしても忙しく時間に追われてしまいます。

そして、そんなに忙しく働いていながらではいったい何をキャリアビジョンに描いているのかと聞くとわからない、と答える女性が多いのも事実です。

 

この原因となっているのが、以下の3つ「女性の活躍を阻む習慣」です。

⑥ 自分のキャリアより目の前の仕事を優先する

➆ 完璧主義

⑧ 他人を喜ばせることに執着する

 

確かに自分に課せられた仕事は小さなことでも重要なことでもきちんとこなすことは、組織で働く上では正しい姿勢です。

そして、チームとして仕事を果たそうとする責任感は、将来、管理職になるためには必要なマインドセットです。しかし、今、自分が本当に時間と労力を使わなくてはいけないことな何なのかを考えずに引き受けてしまってはいませんか。

また、それが自分の職責にある仕事だとしても、自分のキャリアを構築する仕事なのかどうかを見極め、力の配分を考えているでしょうか。

やみくもに仕事をかかえ「忙しい」状況に陥っているとしたら、少し見直す必要はありそうです。

 

例えば、私がまだ20代、某企業の経理部に勤務していた時のこと、予算編成の時期に一つ上の先輩男性から各部門部の経理担当者との予算交渉のアポ取りとスケジューリングを頼まれたことがありました。私の担当する仕事ではありません。が「女性が窓口だとスムーズにいくから」と言われて上司でもない先輩の仕事を自分の仕事を差し置いて手伝いました。大企業であったので、結構、大変な作業でした。無事に終わったときには、彼は難航する予算策定をまとめ上げたということで昇進しました。私はと言えば、彼から「助かったよ、今度ビールでも御馳走するね」の一言だけで、私の貢献は社内では誰にも評価はされませんでした。逆に自分が先輩の立場であったら、自分は全てを一人でやったでしょう。何も手伝う必要のない仕事を好意で手伝ったのでした。

「いえいえ、私は自分のキャリアはともかく皆が喜んでくれてサポート出来たなら嬉しいのです」という人もいるでしょう。

その心がけは美しいけれど、男性を観察してください。ほとんどの男性は、私の先輩のように頼まれごとはほどほどに上手に他人にふって、自分が成果を上げることに時間を費やしています。

 

もうひとつ、女性が自分を忙しくする原因が➆完璧主義です。

女性は何でも完璧に仕上げたいという傾向があります。

手抜きをしません。「出来る女性」の多くは責任感が強く、一度任されたらきちんと最後まで投げ出さないで成し遂げる、与えられた仕事に関しては完璧に成し遂げる、それをモットーとしている人は多いのではないでしょうか。

それは素晴らしいことなのですが、完璧な仕事を目指そうとする人は、他人に仕事を振ることが難しくなります。相手と自分の基準が違うとそれがストレスになるので、任せるよりは自分でやったほうが早いということになります。だから、他人には仕事をふられるのに自分の仕事はふれないのです。

 

また、完璧主義者は、時に必要以上に「やりすぎてしまう」傾向もあります。

依頼されたことに付加価値をつけようと張り切って、やりすぎてしまい「そこまでしなくても良かったのに・・・」と逆に指摘をされたことがありませんか。全てが完璧である必要はなく、ほどほどの時間と結果を出せば良いこともあるのです。

女性から見て、男性が「適当だなあ」と見えるのは、実はうまく時間と労力を自分の目的達成のために調整しているのです。

 

さあ、ではなぜ自分の時間を犠牲にしてもチームのため、同僚のため、仕事を引き受けてしまうのでしょう。

⑧他人を喜ばせることに執着する

これも女性にありがちな習慣で曲者です。

前回のコラムでも取り上げたように、女性は子供の頃から、真面目に勉強をし良い子にしていると褒めてもらえました。そして、皆と仲良くしなさい、と良い人間関係を構築することを奨励されて育ちます。

大人になっても女性は利他(誰かのために)という姿勢を見せることで承認されると信じているのです。

だから、前回のコラムでも書きましたが、「良い仕事をすればきっと誰かが見てくれていて報われる」と思っているのです。

これは素晴らしいことですが「一生懸命頑張っていればきっと誰かが気づいて報われる」という幻想はビジネスの世界では現実にはなりにくいものです。

これからは、何を目指しているのか、何をやろうとしているのか、が見える人になりましょう。

 

この⑥➆⑧の3つの習慣は、他人の視点を気にかけすぎていることから起こります。求めているのは他人の評価、他人からの承認です。

自分がこの会社・組織にいて成し遂げたいこと、自分の成果は何であるのか、これを意識すると仕事の断捨離も進むはずです。

(YK)

努力はいつか報われる?~女性の活躍を阻む習慣①②~

2018年11月30日

女性の活躍を推進するためには、女性と男性の物の捉え方や味方の違いを理解することが必要です。「女性の活躍を阻む12の習慣(性向)」をご紹介します。

 

With MSG

マーシャル・ゴールドスミス博士と

習慣①【自分の成果を主張しない】

女性の皆さんは仕事で何か誉められたとき、どのような反応を返しているでしょうか。

「そんなまだまだお誉めにあずかるような出来ではありません」「●●さんのご指導のおかげです」「いえいえ、私一人ではなくチームの協力があったからです」このような返答をしていませんか。

または昇進の機会や就職の面接でまだチャレンジしたことのないことを「〇〇は出来ますか」と聞かれたとき、何と答えていますか。

「いえ、自信はありませんが、、、、(なんとかやってみます)」「えー、私で大丈夫でしょうか」「ご迷惑かけないように頑張ります」このように懸念を示してはいませんか。

謙虚に答えがちなのは、日本の女性だけに限らないようです。女性はとかく、相手との関係性を大切にします。そこで自分ひとりの成果を主張することを<はしたない>と考える傾向があるようです。「自分のことばかり自慢していると見られるくらいなら、努力を気づいてもらわなくてもいい」と思う人もいるでしょう。というのも、自分を主張しすぎると他の女性たちからも白い目で見られる、嫌われることを分かっているからです。

 

では男性はどうかというと、誉められれば「ありがとうございます」と返し、次のチャンス(昇進や昇給)を暗黙のうちに示唆することをしています。もちろん全ての男性がそうというわけではありませんが、出来る男性はきちんと約束を取ることを忘れません。

また「出来るか?」と尋ねられたことに対しては、やったことがなくても「〇〇の経験があるので任せてください」と伝える人が大半です。男性にとって「出来ない」と弱さを見せることは恥ずかしいことなのです。

 

こうしたケースを上司や顧客の立場から見てください。せっかく誉めているのに「いえチームのおかげです」と言われれば「チーム全員が良かったんだな」と受け取られて本人の功績は薄れてしまいます。もしかすると「まだお誉めにあずかるような出来ではない」というのは本心かも知れませんが、それは自分の基準が高いのであって(女性は完璧主義)、相手が誉めてくれているのだから、良い出来だったはずなのです。

また、依頼者の立場からすれば、本人の実力が分からない段階で「自信がない」と言う人より「任せてください」と言ってくれる人のほうが、安心できるし信頼できます。

そして女性は「迷惑をかけたくない」という気持ちが強いので、懸念や心配を男性より多く表現しがちです。

 

必要以上な謙遜や謙虚は、良いチームを作ることには役立ちますが、自分を認めてもらうためにはプラスにはならないのです。

「ありがとうございます」胸を張って答えましょう!

 

習慣②【自分が「やったことに」はいつかは誰かが気づいてくれて報われるだろう】

 

とはいえ、女性は「良い仕事をしていればきっといつかは認めてもらえて報われる日が来るだろう」と信じる傾向があります。あなたにとって仕事で<報われる>とは何を意味していますか。私はクライアントからよく「必ずしも昇進や昇給ではない、皆の役にたてば」という回答を聞きます。

しかし本当にそうでしょうか。自分の将来。やりたいことや理想とする組織の姿を描いたことがありますか。自分が目指していることを自分自身に確認してみてください。それが明解でないと<報われる>基準も分かりませんね。

 

「一生懸命働いていればそれは尽くしている証拠」そう考える傾向は、個人の人間関係にも言えるかも知れません。

では、ある日、同じように肩を並べて働いている同僚が昇進して、自分は昇進しなかったらどう思うでしょう。がっかりしませんか。やる気を失いませんか。そう、自分のやっていることはPRしないと気付いてはくれないのです。

あなたの会社のどんなに素晴らしい商品でもマーケティングをしてPRしなければ売れないでしょう。

 

自分が何を目指しいているのか、どのような貢献をしているのか、いつ聞かれても明確に答えられる準備を常にしておくこと、それは結局、組織のなかで安心を与え信頼を勝ち取ることに繋がります。関係性を重んじる女性の働きがいも満たせるでしょう。

 

*参考図書「HOW  WOMEN RISE」Sally Helgesen, Marshall Goldsmith 著

(YK)