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見られている意識

April 25, 2016

先週、香港で

様々な国のビジネスマンが参加した会議で

オモテナシズムについて

紹介する機会がありました。

 

私のプレゼンが終わると、ある国の女性から

「日本のおもてなしとアジアのおもてなしでは

何が違うのか?」という質問がありました。

 

さて、何が違うのでしょう。

確かにタイやインドネシアなどのホテルでは

極上のサービスを受けられることは

日本でも有名です。

 

一期一会の精神はアジアにもあります。

また「相互にもてなし合う」ため

お互いのルールを尊重し合う、ことが

日本のおもてなしの特徴ではありますが、

一般な接客の場面でそうかというと、そうとも言い切れません。

では何が違うのでしょう。

 

私は香港へ出発した際の空港の職員の仕草を思い出しました。

今回は日本の航空会社でしたが

混雑したカウンターで待っている客を呼ぶ際に

きちんと自分の持ち場から出て

「お待たせ致しました。次のお客様はこちらへどうぞ」

と美しく手でカウンターを指示し、笑顔で呼んでくれるのです。

その仕草がいかにも感じよく

一流ホテル並みの接客が、こういうところでも実現するのだと

感心してしまいました。

どうしたらこんな美しい仕草で行動することを

社員に徹底出来るのでしょうか。

 

概して、空港などで働く人々は制服を着ていますが

制服を着ているとどんな時も気を抜かない

オフにならないのが日本人の特徴です。

一般的に企業の研修では

制服を着ている時は会社の代表としてふるまえと

教えられています。

これは、随分、他の国とは異なる点かも知れません。

個人より所属する組織が優先される国なのです。

 

そうした背景があって

常にお客様の眼を意識することが出来るのが

日本人ではないでしょうか。

 

香港に着くと空港では、

乗務を終えたCAが素に戻った表情で制服のまま

空港エキスプレスに乗り込んでいます。

空港職員も休憩になると途端に

だらけた表情や歩き方になり、他人の眼を気にしません。

勤務時間以外では、誰にどう見られても一個人の行動なのだから

お互いに気にならないのです。

 

たまたま先日、中国人の研修をした際

中国人から見て日本人は

良くも悪くも「集団主義」だと言われたところでした。

 

しかし、この周囲の視線を意識して振舞えることは

日本のサービスの質の向上にはおおいに役立っているように

思います。

 

「おもてなし」はまさに日本の社会構造がもたらした文化

海外へ出ると気付かされます。

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